山崎豊子の「花紋」が面白かった
山崎豊子の「花紋」が、サスペンス小説のような謎解きがあって面白かった。
どうも「作家読み」というマイナーな言葉があるらしい。ググってみると「ひとりの作家をデビュー作から順番に読んでいくやり方」といった意味らしい。
自分のこの「作家読み」も、7年半前に藤沢周平でExcelにメモをし初めてから12人目で800冊を超えた。
司馬遼太郎を別格とすると、このところ女流作家を読んでおり、高田郁に続いて宮尾登美子を36冊読み、今は山崎豊子を読んでいる。
そして今日読み終わったのが「花紋」という作品。
Amazonの解説にはこうある。
「ろうたけた美貌とたぐいまれな才を宿し、大正歌壇に彗星の如く登場し、束の間の輝きを放って突如消息を断った幻の歌人御室みやじ。河内長野の大地主の総領娘として、苛酷な因襲に抗いながら、国文学者荻原秀玲との宿命の恋に全てを賭け、略伝に夭逝と記されたように、自らの生をまで世間から葬り去った、激しい情熱と苦悶に貫かれたその半生を重厚な筆致でたどった長編小説。」
この作品は自分から見ると、サスペンス小説のようだった。いわゆる謎解きの小説風で、500頁の作品だったが、一気に読んでしまった。
内容は女のドロドロ小説。暖かさはひとつもない。女世界のイジワルさ、冷酷さ、権高さ・・・。
ある本に山崎豊子についてのこんな一文があった。
「山崎豊子ほど「人をなじる女」を描かせたら絶品という小説家はいない。時に激情的、攻撃的に、時にネチネチと、えげつないほどネガティブに他人を責めていく。」
この小説も、まさにこの「山崎豊子の世界」である。
この小説は、ある女性歌人が300年続く大地主の娘に産まれた宿命により、家督相続で翻弄される数奇な人生を描く。
読み終わって、この小説のモデルは?とググってみると、石上露子という明治時代の女流歌人がモデルだったらしい。(ここ)
山崎自身は「あとがき」でその事を否定しているが、かなりの人生が重なる。
小説は、何も無いところから生み出すのは大変である。宮尾登美子の作品もそうだが、やはりあるモデルの人物を詳細に調べ、それをベースにイメージを膨らませて書くと、小説も書きやすいのだろう。
だから「誰もひとつは小説が書ける」という。つまり自分の人生を生まれてから今まで書けば、ひとつの小説になる、ということ。
山崎豊子の作品は、「華麗なる一族」や「沈まぬ太陽」など、昔読んで一時(いっとき)凝ったこともあった。
ともあれ残るはあと数冊。山崎豊子の世界を堪能して次に行こう。
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