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2025年4月19日 (土)

訪問診療医 岡山容子さんの話

今朝のNHKラジオ深夜便で、「明日へのことば「ゆれる心にとことんつきあって」訪問診療医 岡山容子」(2025/04/19放送)を聞いた。

トシのせいか、自分は途中覚醒が多い。平均毎晩3回は目を覚ましているのではないか・・・
今朝も、フト目を覚ますして、スマホのradikoでNHKを再生すると、4時のニュースをやっていた。何気なくそのまま聞いていると、今日の「明日へのことば」は訪問診療医の岡山容子さんの話だった。

<「ゆれる心にとことんつきあって」訪問診療医 岡山容子>

当サイトの記事は、この頃ラジオからの話ばかりである。
新聞を読んでも、不愉快なニュースばかり。TVも見なくなった。NHKスペシャルや、ETV特集など、前は欠かさず見ていたが、内容が重く、段々疎遠になってしまった。

今回の岡山容子さんの話も終末医療の話なので重たいが、何か心に残った。
180188 現在、岡山さんのクリニック「おかやま在宅クリニック」(ここ)では120人もの人を診ているという。HPを見ると医師は4人居るらしいので、1人当たり30人か・・・
しかし、やはり終末期の人が多いので、この放送の最後にナレーターが言っていたが、収録はクリニックで、そしてその途中にも電話が入り、途切れ途切れの収録だったらしい。よって、話が中断し、ナレーションによってまた再開するというインタビュー。

しかし内容は極めて明快で、分かり易い。
そして、母親が亡くなる時のエピソードが面白い!?
1度目に危篤に陥ってまさに呼吸が止まりそうになった時、父が「よし子~! 死ぬなよ~!」と叫んだという(上の放送の17分頃)。この期に及んで何でやねんと思って、「お母さん~! 逝って良し!」と叫んだという。しかしそれで呼吸が戻って意識も戻ったという。
その2週間後に再度脳出血が起こって、言葉も出なくなった。その死の間際、今度父が言ったのは「よし子~! 愛してんど~!」。母もちゃんとその言葉に応えたという。

人は死に際し、耳だけは聞こえているという。自分も両親の死に立ち会ったが、看護婦さんから「何か声を掛けて下さい」と言われても、誰も何も言えなかった。
人は寝ていても耳は生きている。不思議なことだ。でも耳が遠い人は、それなりにしか聞こえないのだろうが・・・

岡山さんのクリニックのHPを覗くと、訪問診療についての解説がある。
「・訪問診療の実際について
医師がご自宅で患者様の体調をチェックし、処方をいたします。定期的にまたは必要時に血液検査をし健康状態をチェックします。
診療の中で、専門的な医療=レントゲン検査、超音波検査、その他画像診断など=が必要になれば専門の医師に紹介します。必要であれば入院を勧めます。
ご入院された場合も退院後は入院中の主治医と連携して治療を継続します。
ご高齢者は、その虚弱な状態から、「ときどき入院・ほぼ在宅」というリズムになりがちです。そのご高齢者の特性をよく理解し、入院と在宅療養が切れ目なく行われるように支えていきます。」ここより)

上の放送の収録がクリニックで行われた事でも分かるように、常に気を抜けない。いつ何が起こるか分からず、直ぐに対応する事が求められる大変な仕事。そして、まさに麻酔科医が活かされる仕事。
そう言えば、自分の近くのかかりつけ医でも、昼休みは訪問診療をしていると聞いたことがあるが、詳細は知らない。

話は飛ぶが、今日、一通のメールが飛び込んだ。昨日、現役時代の会社の役職者の親睦会が開かれたといい、その写真が送られて来た。自分はその会に入っていないが、その会のHPを覗くと、物故者のリストがあった。ほとんどが80代で亡くなっているが、60代で亡くなった人も数人居る。自分の知っている人、同じ課だった人も・・・

自分にも、そろそろ順番が回ってくる頃。さてその時は、やはり自宅で死にたいと思う。
しかしそれには誰か世話をしてくれる人が必要。
よくあるように、夫が先に逝けばOKだが、こればかりは分からない。

クリニックのHPを見ると、岡山さんには「それでも病院で死にますか」という著書があるという。手に入れて読んでみようかと思った。
自然の営みである「死」。それを自分にも実感させてくれたお話であった。
(それにしても、自分の家が京都でないのが、返す返すも残念!!)

追)
この番組は、2025年3月24日に放送されたETV「こころの時代」「ゆれる心にとことんつきあって 訪問診療医・岡山容子」(ここ)から再編集した番組だったらしい。
Youtubeに載っている番組を見たが、やはり画面付は分かり易い。(ただし、TVの画面を直接撮影したものなので、音質は悪い)

 

 

 

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