« 仲宗根美樹とボニー・ジャックスの「ユキコの灯」 | トップページ | 「食と健康をつなぐサイエンス・栄養疫学入門」東京大学名誉教授 佐々木敏さんの話 »

2025年2月21日 (金)

司馬遼太郎の「街道をゆく」全43巻を読んだ

司馬遼太郎の「街道をゆく」全43巻を読んだ。やっと?読み終えた!
自分の読書メモによると、初めて「街道をゆく 近江散歩」を読み始めたのが、2022年11月2日なので、それから2年半。もちろんあっちこっちに浮気し、残りの25冊をまとめて読んでしまおうと思ったのが2024年11月8日(ここ)なので、「街道をゆく」三昧はここ3ヶ月だった。
前にも書いたが、他の小説と違って、この紀行記は「参考文献」?が多い。つまり、本文以外の参考図書が多いのだ。代表的なのが、朝日の編集者による、当時の司馬さんと同じ道をたどる紀行。それは今でも続いているので、自分も相変わらず愛読している。

前にも書いたが、自分が本文を読む時は、いつもタブレットのGoogleMapで、場所毎にアップされている写真を見たりして現地をバーチャル体験。そして本文を読み終えるとNHKのドキュメンタリー番組を見る。そしてその舞台裏の本「司馬遼太郎の風景」を読む。そして、上に書いた各種の参考図書=ムックを読む。
よって、ひとつの巻を読むのに、結構時間が掛かるのである。

さて読み終えた感想だが、内容的に面白い部分と、そうで無い部分に分かれる。つまり歴史上の人物についての話は面白いが、一緒に旅をした同行者についての話は、自分にとってはあまり興味が無かった。つまり個人的な付き合いの相手の経歴を細かく書かれても、あまり興味が無い。よって最後の巻に向かう度に、それが気になり、個人的な人物評については読み飛ばすようになった。

最後の未完になった第43巻「濃尾参州記」は、いつもの1/3くらいを書いた所で、終わってしまい、誠に残念。この巻は「濃尾参」、つまり濃尾、尾張、三河の3州を扱ったもの。
もっとも人気がある、信長、秀吉、家康が主人公なので、一番親しみやすい。
それが司馬さんの死によって、未完となってしまった。

よく言われているように、司馬さんの知識の豊富さは、膨大な本からの知識から来ているらしい。膨大な読書から、一旦頭に入った知識を、その都度、テーマによって頭からチョイスしてアウトプットする。そんな形なのではないかと想像する。
だからどんな切り口で講演を頼まれても、膨大な頭のストックからのチョイスなので、何でも対応出来る。

050221kaidou ムックで発売されている番外編(同行者の話)でよく出る話に、夕食後の司馬さんの車座の「独演会」の話題がある。旅に出て、泊まったホテルで、夕食後、ホテルのバーなどで、必ず司馬さんの独演会(お話)があり、その年中行事が何とも楽しみだったという。
同行画家の安野さんは「ほとんどアラビアンナイトの世界である。私はひそかに『司馬千夜一夜物語』だなと思っている」と書いている。
自分が思うに、司馬さんは皆に話をしながら、今日一日の取材を自分なりに頭で整理していたのではないかと思う。

そしてNHKのドキュメンタリー番組が秀逸。
第1シリーズは1997年10月12日~1998年3月8日に「NHKスペシャル」で6回、同じく第2シリーズは、1998年10月4日~1999年3月7日に6回、そしてEテレで、第3シリーズ(新シリーズ版)として1999年4月10日~2000年3月18日に48回放送された。
音楽は冨田勲だが、このテーマが何とも素晴らしい。いくつか聞いてみよう。

<NHK「街道をゆく」1>


<NHK「街道をゆく」2>


<NHK「街道をゆく」3>


<NHK「街道をゆく」Eテレ版>


このうち、NHKスペシャル版は、既にBS4Kで素晴らしい画質で再放送された。Eテレ版は、まだだが、これも高画質になって再放送されるのを期待したいもの。
何せ、この作品は、本もNHKの番組も、永遠の生命を持つ作品だと思うので。

(関連記事)
司馬遼太郎の「街道をゆく」に凝っている 
司馬遼太郎の「街道をゆく」の再スタート 

|

« 仲宗根美樹とボニー・ジャックスの「ユキコの灯」 | トップページ | 「食と健康をつなぐサイエンス・栄養疫学入門」東京大学名誉教授 佐々木敏さんの話 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 仲宗根美樹とボニー・ジャックスの「ユキコの灯」 | トップページ | 「食と健康をつなぐサイエンス・栄養疫学入門」東京大学名誉教授 佐々木敏さんの話 »