司馬遼太郎の「街道をゆく」の再スタート
1年ほど前に司馬遼太郎を休んで、他の作家に浮気した。池波正太郎、松本清張、そして上田秀人と高田郁など。
数日前から司馬遼太郎に戻った。やはり最近の作家は、どうも自分にマッチングしないと悟ったから・・・?
「街道をゆく」も13巻の「壱岐・対馬の道」で止まっていたが、続きを読み始めた。今回は第14巻「南伊予・西土佐の道」である。
全43巻のうちの20冊目になる。(最近は発行年順に読んでいる)
それが改めて面白い!読んでいてワクワクするのである。
1冊を2日かけて読む。スピートは気にしない。
タブレットのGoogle Mapで、司馬さんの歩いた場所を確認しながら読んでいる。
Google Mapは非常に便利で、名所毎に皆が投稿した写真が載っている。よって、それを眺めながら読むと、よりリアル。もちろん司馬さんが訪ねた時期とは半世紀近くのズレはあるが、自然の風景はそれほど違わない。
いままでの小説とは違い、まさに「精読」。一文字毎にじっくりと読む。
文庫を読み終えると、NHKの番組を見る。「NHKスペシャル 街道をゆく」の第1シリーズ(全6話)、第2シリーズ(全6話)、第3シリーズ(全48話)である。
NHKでは4Kでの「新・街道をゆく」も5回まで放送されている。
このNHKの番組が良い。文字の世界を、実際の風景で確認させてくれる。
そして「司馬遼太郎の風景」という、この番組制作者の「NHK街道をゆくプロジェクト」による本で番組の背景などを確認。
その次は、昔出た「朝日ビジュアルシリーズ」という写真週刊誌の当該巻を読み、最後は「司馬遼太郎の街道」などのムックで締めくくる。
ムックは最新刊では「司馬遼太郎「街道」の原点」という本が出たばかり。
これは週刊朝日が休刊になったあと、「歴史道」に移ったが、当時の同行編者だった村井重俊氏が、司馬遼太郎の歩いた道を再訪しながら書いている。それがまとめてムックとなったもの。この発刊は実に有り難い。
つまり、1巻の文庫が、かくも広く楽しめる。まさに、自分もその街道を歩きながら、それらの歴史に触れられる。
そして、各所に文庫の本文が引用されるが、それらの文が、直ぐに思い当たる。
つまり「精読」しているので、各文章が頭に残っている。読み飛ばしの小説とはここが違う。
ふと高校時代を思い出す。特に歴史の教科書では、何度読んでもまったく頭に入らなかった。しかし司馬さんの独特の文章は味わい深く、頭に残る。
司馬さんの本は小説を筆頭に、ほとんど買ってある。
「街道をゆく」の残り半分をはじめ、しばらくはじっくりと司馬ワールドを楽しめそうである。
| 0
コメント