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2024年9月の1件の記事

2024年9月15日 (日)

NHK特集「シルクロード」を本で“復習”

昔放送されたNHK特集「シルクロード」を、本で『復習』してしまった。

1980年代に放送された「シルクロード」については、ここにもたくさんの記事を書いた。それだけ、自分にとって印象の強い番組だった。
240915silkroad2 1年ほど前、「そう言えばNHK出版から本が出ていたな・・・」と思い出し、読んでみる気になった。しかし、本を手に入れてから放っておいたのだが、ここ2週間でそれを片付けた。
改めて番組を見る。そしてその番組の該当の部分を読む・・・の繰り返し。
番組は2019年8月12日~18日にBSプレミアムで放送された「シルクロード 絲綢之路」の録画と、2020年10月8日~2021年2月11日にBS4Kで放送された「シルクロード第2部 ローマへの道」の録画。
240915silkroad3 もちろん当時のアナログのNTSCに比べると段違いの画質。特に4K番組は、オリジナルのフイルムからデジタル化して画質調整をした素晴らしいもの。
前にも書いたが、この手法は音楽のハイレゾ音源化を思い浮かべる。音楽のアナログ音源には、広域の音が記録されており、それを甦らせたハイレゾ音源。
この4K化も同じで、元の16ミリフイルムにある高精細な画質を見事に甦らせている。

もちろん半世紀も前の映像なので、写っている景色は現在の中国とは別物。番組での西安の鐘楼の周辺は、昔の家々のたたずまい。2009年4月に自分たちが行ったときには、既に周囲は大繁華街に変貌していた。30年後なので、まあ当然。(ここ
その昔の中国の姿でも、改めて見ると、番組としては見応えがある。第2部のパミールからローマへの国々は、今でもあまり変わっていないかも知れない。

240915silkroad1 自分の全く知らない中央アジアの国々。強く思うのは、宗教の強さ。特にイスラム教の人々の日常生活。宗教色のあまりない日本から見ると、毎日5回の礼拝や、ラマダンという断食の習慣など、宗教が日常生活に与えている影響?は計り知れない。

第2部の17回「アジアの果て 絹の町」では、トルコの人口500人ほどの村の結婚式の様子があった。そこでショックだったのは、新郎が新婦を新居に向かい入れるとき、いけにえの羊が流した血の上をまたぐのである。これは初めて夫婦そろって一つのことを成し遂げるという意味があり、これで二人は夫婦として認められた事になるのだという。
羊の死体。真っ赤に地に沁みる血。それが結婚式のハイライトとは・・・
バースデーケーキの入刀の日本とは違う世界である。
つくづく日本で良かった!?

いつも感心するのが、日本人スタッフが、訪問する家々で歓待を受けるとき、出された「得体の知れない食べ物」をちゃんと食べるということ。本にも「出された物は何でも食べる」という決意だった、とあった。
しかし、ラクダの乳首を吸って見ろ、と言われたとき、見ると座った時に付いたのだろう、糞にまみれた乳首を吸うことだけはできなかった。とあった。
こんな苦労の末に出来た5年に亘る西安からローマまでの紀行。

もうこんな番組は出来ないだろう。世界があまりに開けすぎた。
何度も見てきた番組だが、今回は本で確認しながら見てみた。
この番組は、自分に喜多郎の世界を教えてくれた番組でもあったが、言うまでも無く、NHKの歴史に残る名番組であると思う。

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