松本清張のお墓に行く
今日は晴れ。それで近くの松本清張のお墓に行ってみた。
このところ松本清張の文庫本を買い込んで読んでいるが、解説本も読んでいる。
その中で、松本清張のお墓が八王子にあるということを知り、ググってみると、何と!いつも通る道の近くだった。八王子郵便局の近くで、ひよどり山トンネルの真上。富士見台霊園にあるという。どんな背景で清張のお墓がここにあるかは分からない。
この霊園は、43千㎡の敷地に3500区画の墓地があるという。Netの情報で、清張のお墓は上の方の見晴らしの良い一等地、とあったので、車で最上部まで登った。道路は広く、区画の左右にも車が通れる道があるため、利用者は自分の墓地の近くまで車を乗り付けられる。
でも、知らないお墓を見付けるのは大変。近くに居た参拝のオジサンに「松本清張のお墓はどこにあるのでしょう?」と聞くと、親切にも連れて行ってくれた。
なるほど、八王子市街を遠望できるガケの上にそれはあった。最上部の「西8段」という区画の2番目の横道の奥。
「松本清張」と書いた大きな墓石の裏には「清閑院釈文張 平成4年8月4日没 俗名清張 行年82歳」とあった。横には、奥さまだろう「平成5年3月吉日 松本ナヲ建之」と文字。
そして隣の松本家先祖代々のお墓には「平成23年12月7日没 俗名ナヲ 行年96歳」との文字。
カミさんが「松本清張のお墓を見に行こう」と言うのは珍しい。普通は、自分が無理矢理付き合わせるのだが、今回は違った。
原因は「中島河太郎」という文芸評論家。昔から「中島先生」という言葉は、カミさんから良く聞いていたが、先日「黒い福音」を読んだとき、新潮文庫の解説に「中島河太郎」という名があり、「いつも言っている中島先生って、これか?」と聞いたら、まさにこれだった。
wikiを見ると「中島 河太郎(なかじま かわたろう、1917年6月5日-1999年5月5日)は、日本のミステリー文学評論家、アンソロジスト、国文学者。本名は、中嶋馨(なかじま かおる)。日本推理作家協会第7代理事長。日本ミステリー文学大賞受賞者。江戸川乱歩の薫陶を受けた推理小説研究の第一人者で、推理小説に加え国文学・民俗学の書誌学者としても知られる。」とあった。
カミさんが学生時代、薫陶を受け、その授業の時は友人と一緒に最前列に陣取って聞いたとか・・・。ま、自分はミステリー評論家だったことは知らなかったが・・・
そう言えば、先日カミさんの友人から中島河太郎の講演のDVDが送られて来たっけ・・・
帰るとき、小宮公園があったので、ちょっと寄ってみた。昔一度だけ来たことがある。梅の花が咲きかけていて、日曜日だったもともあり、写真を撮る人が居た。
ともあれ、富士山は遠望出来なかったが、上天気の今日、清張のお墓に行ってみた。
しばらくは清張の作品に浸る日々である。
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コメント
松本清張はよく読んでいた時期があるので、「点と線」とか、「ゼロの焦点」とか、有名な作品はたいてい読んでいると思います。松本清張作品の中で一番傑作だと私が思うのは、「砂の器」。この小説を読んだ後、これを映画化した、野村芳太郎監督による名作と評判の高い「砂の器」を見たんですが、正直つまらなかった。原作を読んだあと、映画化されたものを見て感心したことはありません。ミステリーの場合はどうか知りませんが、逆は真ならずで、映画を見てから原作を読むというのはいいようです。前にも書きましたが、池波正太郎の「真田太平記」などはドラマ(1985年から1985年にかけてNHK総合で放送された)を先に見て、原作のほうを読んだのはずっとあとですが、筋がわかっているからといって失望することはありませんでした。
【エムズの片割れより】
そうですか・・・
自分的には、映画「砂の器」は最高の評価です。特に最後に演奏される「宿命」が大好きでした。
https://emuzu-2.cocolog-nifty.com/blog/2008/01/post_0338.html
最近、初めてこの小説を読んだんですが、映画との違いにビックリ。
そもそも、映画と小説とは別物なのですね。
この頃は、小説を読んだ後に映画やドラマを見るのは止めました。
原作だけにしました。
確かに「真田太平記」のような原作に忠実なドラマはありますが・・・
投稿: KeiichiKoda | 2024年3月 6日 (水) 19:25
松本清張は日本のアガサ・クリスティーと呼ばれることがあるようです。私はエムズさんとちがって一人の作家を集中して読むという習慣はないのですが、アガサ・クリスティーだけは例外です。彼女は生涯で80冊ぐらいの小説(大部分はミステリー)を書いています。昔、アメリカにいたとき、暇ができると、近くの本屋やドラッグ・ストアに行って当時1-2ドルぐらいしたペーパーバック版のアガサク・リスティーの小説を買ってきて読むことを楽しみにしていました。朝食を食べた後、読み始め、昼食や夕食をそこそこに読み続け、次がどうなるか気になって最後になるまでとまらないので、読み終わるのが深夜になることもしばしばでした。ちなみに、最初に読んだクリスティの本は覚えているのですが、Death on the Nileというミステリーでページ数は278ページです。ほかのクリスティーのミステリーもページ数は大同小異です。こうして読んだクリスティーのミステリー本は60-70冊に上ります。クリスティーのミステリーを全部原書(英語)で読んだ人は日本ではクリスティ研究家を別にすると、あまりいないのではないかと自負(自慢?)しています。クリスティのミステリーは人気のようで、NHKBS等でドラマが長い間放送されていることは知っていますが、原作を読んだ後ドラマ・映画を見ても面白くないので見たことはありません。
【エムズの片割れより】
原書で読むとはス・スゴイ!
自分など、原書は学生時代の語学の授業以外、知りません。
(アメリカ滞在中ということは「にっせい」かな?)
クリスティーは知りませんでした。
そもそも海外の本は読まないため・・・
しかし、ウチのカミさんは良く知っていました。
そのうち自分もチャレンジしてみますかな・・・
今凝っている松本清張は、数えてみたら53冊集めて順に読んでいます。
ほぼ3日で2冊のペース・・・
投稿: KeiichiKoda | 2024年3月22日 (金) 09:45
エムズさんほどの読書家で、松本清張の愛読者がアガサ・クリスティーをご存じなかったとはちょっと驚きです。本日(3/24)の新聞のテレビ版ページにもNHKテレビの午後11時のところにはアガサ・クリスティー「なぜエヴァンズに頼まなかったのか」とあるでしょう。アガサ・クリスティーのミステリーで有名な「オリエント急行殺人事件」とか「そして誰もいなくなった」という題名は誰もが耳にしたことがあるのではないでしょうか?松本清張の作品は社会派推理小説といわれるように殺人が起こる社会的背景・動機を重視するところに特徴がありますが、クリスティのミステリーの殺人事件には社会的背景はとくに問題とされない、ピアノやバイオリンの演奏に譬えれば「超絶技巧」の本格的ミステリーです。アガサ・クリスティーのミステリーは全部翻訳されて早川文庫にはいっていますし、ネットで検索すれば読者が選んだベスト10ランキングのようなものも出ているのでどれを読んだらいいかの選択には困らないでしょう。
【エムズの片割れより】
そもそも自分の読書は、難聴の反動で18年4月にスタートしただけで、歴史が浅いのです。
よって読書については、ほんの新参者でカミさんが言うようにかたよっています。(一人に凝る!)
特に海外の作家は、高校以来読んだことがなく、加えて前に兄貴に貰った「罪と罰」新訳で挫折して以来、遠い存在。
でもこれを機に、チャレンジしてみようかと・・・
もちろん「オリエント急行殺人事件」や「そして誰もいなくなった」は題だけは知っていましたので、この辺から??
(追)
ご教示頂いたので?「オリエント急行殺人事件」「そして誰もいなくなった」「ABC殺人事件」の3冊を手配してみました。
清張が終わったら読んでみようかと・・・
投稿: KeiichiKoda | 2024年3月24日 (日) 08:54