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2023年8月の6件の記事

2023年8月30日 (水)

徳永英明の「Tomorrow」

久しぶりに、新しい?歌に巡り会った。徳永英明の「Tomorrow」という歌。

<徳永英明の「Tomorrow」>

「Tomorrow」
  作詞:徳永英明
  作曲:徳永英明

哀しくしていても
大丈夫な心
振り向いたら
捨てたはずの
遥かな記憶

歩こう明日へ
想いをつれて
涙のわけ
切ないわけ
空に消えてゆく

歩こう明日へ
かがみに映る
私の顔
もう大丈夫かな?

歩こう明日へ
そよ風の音(ね)
潮騒の音(ね)
心に唄う

歩こう明日へ
歩こう明日へ

同じく、徳永英明の「青い契り」という歌に凝ったのは前に書いた記事によると(ここ)、1999年1月で、発売直後だったらしい。上の記事でも書いたが、気に入った「青い契り」に似た楽曲は、当時結局見つからなかった。
しかし今回聞いたこの「Tomorrow」という歌が、何となく似ているのである。自分の気に入っている「徳永英明くささ」が出ており、久しぶりに新しい歌を発見した!?

何度も書いているが、自分のような後期高齢者にもなると、もう新しく気に入る歌などなかなか見つからない。
でもこのように、たまには見付かるのである。

(関連記事)
徳永英明の「青い契り」 

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2023年8月15日 (火)

玉音放送の現代語訳

今日は78回目の終戦の日。併せて、親父の27回目の命日。よって、この日だけは忘れない。

Yahoo!ニュースを見ていたら、こんな記事があった。玉音放送の現代語訳である。
難キヲ堪へ忍ヒ難キヲ忍ヒ以テ万世ノ為ニ太平ヲ開カムト欲ス 」だけは良く耳にする言葉だが、恥ずかしながら?全文を読んだのは初めて。でも原文はとても理解出来ない。
昔の人は学があったんだな・・・と感心する一方、国民が聞いても到底理解出来ないことを放送するのは、今では考えられない。
最近、「坂の上の雲」により、日露戦争を深読みしているせいか、ちょっと気になった記事ではある。

玉音放送、わかりやすく現代語訳してみた。「戦争を継続すれば我が民族の滅亡を招くだけでなく、人類の文明も破壊される」

8月15日は「終戦の日」。1945年8月15日正午、昭和天皇が話す声の録音がラジオで流れ、ポツダム宣言を受諾することを国民に告げました。太平洋戦争の終結をアナウンスした「玉音放送」です。
この玉音放送で昭和天皇が読み上げた「終戦の詔書」は漢文調で難解な文章だったため、当日、その放送を聞いた国民の多くはその内容がほとんど理解できなかったとも言われています。現代を生きる私たちなら、なおさらわかりません。

そこでBuzzFeed Japan編集部では、「終戦の詔書」をなるべくわかりやすい文章で現代語訳しました。現代語訳するにあたっては、『【永久保存版】CDブック 昭和天皇 玉音放送』の著書がある麗澤大学の川上和久教授に監修をお願いしました。

終戦から78年を迎えるにあたって、太平洋戦争とは何だったのか。昭和天皇の願いを私たちはかなえることができたのか。現代語訳を読むことで、改めて考えてみてはどうでしょう。

「終戦の詔書」の現代語訳(BuzzFeed Japan編集部)
私は世界情勢と我が国の現状を深く考えた上で、非常の手立てをもって事態を収拾したいと思うようになり、ここで私の忠義で善良な国民に告げます。

アメリカ・イギリス・中国・ソ連の4カ国による共同宣言(※ポツダム宣言のこと)を受諾する旨を、私は日本政府から4カ国に通告させました。

そもそも日本国民が平穏な生活を送って、世界の国々と共に栄えるようにすることは、歴代天皇が残してきた手本であり、私の念願でした。以前、アメリカとイギリスの2カ国に宣戦布告した理由も、我が国が自らの力で存続することと、アジアの安定を願ったからです。他国の主権を排除して、領土を侵害するようなことは、もとより私の意志ではありません。

しかし、この戦争が始まってからすでに4年が経過しました。その間、陸海将兵は各所で勇戦奮闘し、役人たちもそれぞれの職務に励み、また1億人の国民も各職域で奉公してきました。このように各自が最善を尽くしたにもかかわらず、戦局は必ずしも私たちに有利に展開したとはいえず、世界の情勢もまた私たちに不利になっています。

これに加えて、敵は新たに残虐な爆弾(※原子爆弾のこと)を使用して、多くの罪なき人々を殺傷しました。その惨害はどこまで広がるか計り知れません。戦争を継続すれば、我が民族の滅亡を招くだけでなく、人類の文明も破壊されるでしょう。そうなれば、私はどうやって我が子に等しい国民を保護し、歴代天皇の神霊にお詫びできるでしょうか。これこそが、私が日本政府に共同宣言を受諾するようにさせた理由です。

私は、これまでアジアの解放に向けて我が国と協力した友好国たちに遺憾の意を表明しないわけにはいきません。また、我が国民のうち戦死や殉職するなど不幸な運命で亡くなった人々や、その遺族に思いをはせると身が引き裂かれるような思いです。さらに戦場で負傷したり、災禍に遭ったり、家業をなくしたりした人々の生活を豊かにすることを考えると、私の心は深く痛みます。

思えば今後、我が国が受けるであろう苦難は尋常なものではないでしょう。私は国民の心中もよくわかります。しかし、情勢の移り変わりはやむを得ないことなので、私は耐えられないようなことも耐えて、我慢できないようなことも我慢して、将来のために平和を実現しようと思います。

私はここに国家体制を維持することができ、忠義で善良な国民の真心を信じ、常に国民と共にあります。もし、感情の激するままに争い事をしたり、同胞同士が互いに相手をけなし、陥れたりして、時局を混乱させ、そのために道を誤り、世界の信頼を失うようになれば、それは、私が最も戒めるところです。

挙国一致してこの国を子孫に伝え、我が国の不滅を固く信じ、国家の再建と繁栄への重い任務と遠い道のりを心に刻み、全ての力を将来の建設に傾け、道義心を向上させ、志を強固にして、我が国の美点を発揮し、世界の進歩に遅れないように努力しなければなりません。

あなた方国民は、私の思いをよく理解し、それに従って行動してください。」(ここ)より

【終戦の詔書(原文)】
朕(ちん)深ク世界ノ大勢ト帝国ノ現状トニ鑑ミ非常ノ措置ヲ以(もっ)テ時局ヲ収拾セムト欲シ茲(ここ)ニ忠良ナル爾(なんじ)臣民ニ告ク

朕ハ帝国政府ヲシテ米英支蘇四国ニ対シ其(そ)ノ共同宣言ヲ受諾スル旨通告セシメタリ

抑々(そもそも)帝国臣民ノ康寧(こうねい)ヲ図リ万邦共栄ノ楽ヲ偕(とも)ニスルハ皇祖皇宗ノ遺範ニシテ朕ノ拳々(けんけん)措(お)カサル所曩(さき)ニ米英二国ニ宣戦セル所以(ゆえん)モ亦(また)実ニ帝国ノ自存ト東亜ノ安定トヲ庶幾スルニ出テ他国ノ主権ヲ排シ領土ヲ侵スカ如(ごと)キハ固(もと)ヨリ朕カ志ニアラス然(しか)ルニ交戦已(すで)ニ四歳(しさい)ヲ閲(けみ)シ朕カ陸海将兵ノ勇戦朕カ百僚有司ノ励精朕カ一億衆庶ノ奉公各々最善ヲ尽セルニ拘(かかわ)ラス戦局必スシモ好転セス世界ノ大勢亦我ニ利アラス加之(これにくわうるに)敵ハ新ニ残虐ナル爆弾ヲ使用シテ頻(しきり)ニ無辜ヲ殺傷シ惨害ノ及フ所真ニ測ルヘカラサルニ至ル而(しか)モ尚交戦ヲ継続セムカ終ニ我カ民族ノ滅亡ヲ招来スルノミナラス延(ひい)テ人類ノ文明ヲモ破却スヘシ斯(かく)ノ如クムハ朕何ヲ以テカ億兆ノ赤子(せきし)ヲ保(ほ)シ皇祖皇宗ノ神霊ニ謝セムヤ是(こ)レ朕カ帝国政府ヲシテ共同宣言ニ応セシムルニ至レル所以ナリ

朕ハ帝国ト共ニ終始東亜ノ解放ニ協力セル諸盟邦ニ対シ遺憾ノ意ヲ表セサルヲ得ス帝国臣民ニシテ戦陣ニ死シ職域ニ殉シ非命ニ斃(たお)レタル者及其ノ遺族ニ想(おもい)ヲ致セハ五内(ごだい)為ニ裂ク且(かつ)戦傷ヲ負ヒ災禍ヲ蒙(こうむ)リ家業ヲ失ヒタル者ノ厚生ニ至リテハ朕ノ深ク軫念(しんねん)スル所ナリ惟(おも)フニ今後帝国ノ受クヘキ苦難ハ固ヨリ尋常ニアラス爾臣民ノ衷情モ朕善ク之ヲ知ル然レトモ朕ハ時運ノ趨(おもむ)ク所堪へ難キヲ堪へ忍ヒ難キヲ忍ヒ以テ万世ノ為ニ太平ヲ開カムト欲ス

朕ハ茲ニ国体ヲ護持シ得テ忠良ナル爾臣民ノ赤誠ニ信倚(しんい)シ常ニ爾臣民ト共ニ在リ若シ夫(そ)レ情ノ激スル所濫(みだり)ニ事端(じたん)ヲ滋(しげ)クシ或ハ同胞排擠(はいせい)互ニ時局ヲ乱リ為ニ大道ヲ誤リ信義ヲ世界ニ失フカ如キハ朕最モ之ヲ戒ム宜(よろ)シク挙国一家子孫相伝ヘ確(かた)ク神州ノ不滅ヲ信シ任重クシテ道遠キヲ念(おも)ヒ総力ヲ将来ノ建設ニ傾ケ道義ヲ篤クシ志操ヲ鞏(かた)クシ誓テ国体ノ精華ヲ発揚シ世界ノ進運ニ後レサラムコトヲ期スヘシ爾臣民其レ克(よ)ク朕カ意ヲ体セヨ

 

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2023年8月12日 (土)

「レコ芸」サンプルCDより(24)(1996年)最終

雑誌「レコード芸術」(「レコ芸」)の付録として付いていたサンプルCDの中から、自分が“気になった”音源を挙げてみるシリーズである。今回は、1996年に発売されたCDから。

ともあれ、やっと最後になった。約1万曲の発売CDから、自分が気になった音源を挙げてみたが、それが154あったということ。振り返ると、どれも通常耳にする音源では無く、編曲版の珍しい音源ばかりを挙げる結果となった。
まあ自分のクラシック人生を振り返る意味での記事である。ご苦労さま!?

147<ベートーヴェン(エバース編):交響曲第8番(弦楽五重奏版)~第1楽章/プロ・アルテ・アンティクア・プラハ>19960442

CDの解説にこうある。
「素材がいいとどんな料理の仕方でもうまく食えるものだ。ベートヴェンの交響曲の弦楽五重奏版である。編曲はベートーヴェンと同時代の作曲家エバースの手によるもの。重厚な響きが削がれた分、線的なからみが繊細かつクリアに浮かぶ。これは必聴に値する」

148<フリース:子守歌(モーツアルトの子守歌)/森本恵夫(ハーモニカ)>19960542

ハーモニカのソロによる演奏。子どもの頃に小学校で習ったハーモニカだが、プロによる演奏はさすがである。

149<イスラエル民謡(浦壁信二編):「マイムマイム」/赤坂達三(cl)、早稲田桜子(vn)、浦壁信ニ(pf)、江森登(アコーディオン)他>19960643

この音楽を聞くと、中学時代の甘酸っぱい頃を思い出す。女の子と指先をちょっとだけ触れて踊った思い出・・・。
この演奏は、ちょっとクラリネットが自由奔放すぎる?!

150<ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」(4手ピアノ版)~第2楽章/デュオ・クロムランク(pf)>19960808

作曲者自身によるピアノ連弾版を使用した世界初録音とのこと。
「デュオ・クロムランク(Duo Crommelynck)は、1974年から1994年まで活動を続けたベルギーのピアノ・デュオ。ベルギー人のパトリック・クロムランクと日本人の桑田妙子の夫婦によるデュオであった。」

151<ベートーヴェン(エバース編):交響曲第7番(弦楽五重奏版)~第1楽章/プロ・アルテ・アンティクア・プラハ>19960940

上に挙げた第8番の第2弾である。

152<モーツァルト:交響曲第40番(ツェルニー編 オルガン・ディオ版)~第1楽章/ニーウコープ、オールトメルセン(og)>19961126

オルガンの4手連弾という珍しい演奏。モーツァルトが心なしか可愛く聞こえる。
それにしても、いつも思うのだが、あの巨大なパイプオルガンが、よくこんなに素早く動くものだと・・・。電気信号でなく、ワイヤーなどのアナログの装置でこれだけの速い演奏が出来るのは驚異。

153<ワーグナー:歌劇「恋愛禁制」序曲/サヴァリッシュ(指揮)フィラデルフィアo>19961134

重厚長大なイメージのワーグナーとしては、“らしからぬ”音楽?

154<バッハ:トッカータとフーガ ニ短調(弦楽合奏版)/チェロ・アンサンブル・サイトウ>19961219

チェロのみ16名というメンバー構成による演奏。チェロという単一楽器だけでの演奏だが、このアンサンブルと迫力には息を飲む。
このシリーズ最後を飾る!?にふさわしい演奏。

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2023年8月 8日 (火)

脱水と「ポカリ」に翻弄された話

「加齢はイヤだ」が口癖になってからだいぶん経つ。でも今日のこの“事件”は、必ずしも加齢が原因では無かった・・・という話。

4~5年前からだろうか、カミさんに付き合って歩くスーパーの店内で、立ちくらみのように気が遠くなる気配がするようになった。
同じく風呂に入って、出る頃になると、気が遠くなって倒れるような気がする。パンツをはかないで倒れるとみっともない!と思いつつ、パンツをはいてホットする。もうこれで倒れても良い!?

これらは全て加齢から来るのだと思い込んでいた。しかしそれらが全て脱水から来るかも?と知ったのは5月頃の新聞だった。それで勉強のためにNetでググると、(ここ)などに、
「お風呂に入ると身体から水分が失われます。たとえば41℃のお風呂に15分間浸かり、30分安静した際は、その間に平均800mlの水分が失われるといわれているのです。
仮に水分を失ったままの状態でお風呂上がりを過ごすと、脱水症を引き起こす可能性があります。
脱水症とは、体内の水分が不足している状態のことです。具体的な症状には口の渇きや立ちくらみ、血圧の低下、意識障害などがあげられ、身体の水分損失率が高くなりすぎると命に関わる恐れがあります。そのため、お風呂上がりは水分を補給するようにしましょう。」とある。

「お風呂前は、入浴の15~30分前に水分補給をするのがベスト。なぜなら、水分補給をした後すぐに水分が全身へ行き渡るわけではないためです。また、反対に1時間前に水分補給を済ませてしまうと、入浴するまでの間に汗や尿、呼気などによって体内の水分が失われてしまいます。そのため、お風呂前に水分補給するなら入浴の15〜30分前が望ましいといえます。」

これを読んでから、風呂に入る前に水を飲むことにした。するとアーラ不思議、風呂で気分が悪く(気が遠く)なることが無くなった。

風呂以外でも、先に書いたように、スーパーの店内を歩いている時などに、やはり気が遠くなるようなことがあり、これも脱水の影響だと勝手に判断。

同じくNetでググるとこんな記載がある。
「脱水症の症状は、その程度により様々です。 軽度ではめまいやゆらつき、中等度では頭痛や悪心、高度では意識障害や痙攣がおきます。」

まさにこれだな・・・
前に海外旅行をしたとき、とにかく水を常に飲むことをガイドさんから強要された。その時はあまり気にしていなかったが、水の重要性を今ごろ気が付いた!?

自分はそもそも水分をほとんど摂らない生活を送っている。各食事のときのコーヒーやお茶の他は、3時にたまにお茶を飲むくらい。
夕食後も、水を飲むと夜中にトイレに行く回数が増えるので、あまり飲まない。
それが習慣になって、この日常的脱水症状につながっていると勝手に解釈。

7月の中旬頃、ポカリスエットが水分補給には良いらしいと気が付き、1.5Lボトルをたくさん買ってきて飲み始めた。するとそれはまあ体調が良くなったこと!!

そして、それまで使っていたタイガーの200mlの断熱水筒では直ぐに飲んでしまうので、350mlの水筒を改めて買った。それはそれで良いのだが、1日に1回取り替えるのだが、最後の頃のポカリがどうも味が変。暑さで腐った??
それでポカリの飲み方をググると、「Q:ポカリスエットは開栓後、どれくらい持つのですか? A:化学的な保存料などを一切使用しておりませんので、お口をつけてお飲みになった場合はその日のうちにお飲みください。 また、別容器に移されてご利用になり、残りを冷蔵庫に入れた場合は2~3日を目安にお飲みいただくことをお勧めしております。」だって。

こうなったら仕方が無い。小さなボトルに戻して、こまめにボトル補充することにしよう。と再度200mlのボトルに入れた。
さてここからが本題。入れて6時間後くらいだったか、飲もうとしてキャップを外すと、ポカリの水面の上部のボトル壁面が何やら黒ずんでいる。あわてて余ったポカリをシンクに捨てて手で拭うが取れない。洗剤を使ってスポンジでゴシゴシしたら、黒い物が取れた。
何だこれは??

またNetでググると
「Q:粉末には「金属以外の容器をご使用ください」と注意書きがありますが、何故ですか?
A:ポカリスエットは塩分を含んだ酸性の液体です。長時間金属にふれていると、金属をサビさせたり、酸の影響で容器から金属が溶け出してポカリスエットの風味が低下したり、容器をいためてしまうことも考えられます。金属容器の中に入れる液体の制限などについては、容器の注意書きをご参照ください。」とあった。

なるほど、ポカリを金属の水筒にいれてはいけないんだ・・・。これに関しては色々な情報があった(ここ)。
56561_5 さらにググると「ポカリスエット×サーモスコラボ 真空断熱スポーツボトル 1.0L」という製品があると知った(ここ)。
かくして、直ぐにこの製品を手配した。

まあ自分の無学の連続だったが、何とかこれで一件落着!?
これで一安心・・・。
体調悪化を避けるために、老後は脱水に注意せねば!

改めて「すべて加齢だから仕方が無い」とあきらめるのは早い。という事を悟った今回の“事件”ではある。

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2023年8月 5日 (土)

司馬遼太郎の「坂の上の雲」の世界を堪能

言うまでもなく、司馬遼太郎の「坂の上の雲」は、司馬作品の中でも常に人気ベストワンの小説。しかし、自分の読書メモを見ると、兄貴に勧められて2007年に読み始めたが、2巻の途中で挫折した過去がある。
それだけに、人気があるとは言え、自分にとっては鬼門??

司馬遼太郎に凝りだしてちょうど1年になる。wikiのリストによる長編小説39作品の文庫本109冊はすべて、そして短編小説もほとんど全部を文庫本でそろえた。エッセイその他も買い集め、あまり好きでない対談集を除くと、ほぼ集め終わり、あとは読むだけ。

朝日新聞のムックももちろん全部集めたが、その中でとにかく特集の項目が多いのが「坂の上の雲」なのだ。ムックに項目が多いのは、2009年から2011年までの3年間の年末に、NHKでスペシャルドラマ「坂の上の雲」として放送されたのが原因だろう。
それで、今までは年代順に読んでいたが、この際、頭でっかち(=話題が多い=「坂の上の雲」)を片付ける意味で、「坂の上の雲」にチャレンジすることにした。

さて、恐る恐る読み出した再チャレンジ本だが、これがなかなか面白く、全8冊を3週間ほどで読み終えた。それからムックを全部読破。そしてNHKオンデマンドでSPドラマ「坂の上の雲」を見終わったのが昨夜。
今日は、これらの感想である。

面白い小説は、ストーリー展開が早く、読者を先に先にと誘導する。佐伯泰英の小説が良い例(ここ)。しかし読み終わっても、何も残らない(失礼!)。でも時間潰しには良い。

それに比べて、「殉死」もそうだが、この「坂の上の雲」という小説は、ストーリー展開がユニーク。子規が死ぬところまでは、まあまあだが、日露戦争に入って行くと、戦争の進行に合わせて、色々な切り口から史実を追っていく。まさに史実に基づいたドキュメンタリーで、創作の小説と思って読んでいた読者は戸惑う。でもこの司馬流に慣れると、自分も一緒に史実を追って行く主人公になれる。

51dvoj0bttl それをドラマ化したのがNHKの「坂の上の雲」。今でも鮮明なハイビジョン画像を配信で見られるのは有り難い。
自分も当時このドラマは見た。しかし今回再視聴してみて、断片的な画像しか頭に残っていなく、まさに全体を初めて見た感じ。
wiki(ここ)にあるように、ドラマ化は「戦争賛美と誤解される。作品のスケールを描ききれない」として司馬は許可しなかったという。でもまあエピソードのピックアップの取捨選択の程度はあるものの、ドラマ化はこんなものだろう。小説とは別物として見ると面白い。

放送されてから10年以上になるが、その画面は映画以上に素晴らしい。特に戦争の場面は、TVドラマとは思えない出来映え。wikiにも「制作費も大河ドラマを上回るケタ違いの規模であるとしている。」とある。(Netには「通常の大河は一話あたり6000万円、年間で30億円位だが、このドラマの総制作費は250億円」「予算も単年度では国会の承認が得られず、作品の質を落として作成するか、数年に渡って予算を分散させるかの選択を迫られ、原作者の遺族の意向も踏まえ、3年越しの大作になった」という情報もある)

主役の本木雅弘や阿部寛は格好良い。しかし、正岡子規を演じた香川照之が自分には合わなかった。
それにドラマの方は、子規の登場が非常に多くなっている。

司馬は乃木希典が嫌いだったらしく、小説には「無能」という言葉がたくさん出てくる。203高地の攻防では、陸軍のメンツを重んじる参謀の伊地知幸介をコントロール出来ず、正面突破を繰り返して1万5千もの戦死者を出した。
そして児玉が応援して、やっと陥落。
それでも乃木神社があるのは、殉死の影響か?

ついでに乃木希典を描く「殉死」という小説も読んだが、司馬はやはり乃木を賛美していない。

それにしても、ドラマは14年も経っている今でも楽しめる。これもネット配信のおかげ。

話は飛ぶが、今回、日露戦争について教えて貰って、改めて『日露戦争はロシアからの侵攻の防衛』という背景を知り、日本国憲法の「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」という文面に疑問を持った。
先のロシアのウクライナ侵攻を見ても、ロシアの領土拡大という民族の姿勢、そして約束を守らない姿勢は歴史的なものであり、変わらない。そして中国という覇権国家の存在。それらを「公正と信義に信頼」できるものなのか・・・
引き続き司馬遼の「ロシアについて」を読んでみることにしている。

それはそれとして、今数えてみたら、今回集めた司馬遼太郎関係の本は約260冊。相変わらず「全部」という言葉に惑わされている。そのうち105冊を読んだので、まだ4割。
「自分の趣味は“全部”の作品を集めての積ん読」。そして「司馬遼太郎の本を全部読み終えるまでは死ねないな!」と、うそぶいているこの頃の自分である。

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2023年8月 2日 (水)

「レコ芸」サンプルCDより(23)(1997年-2)

雑誌「レコード芸術」(「レコ芸」)の付録として付いていたサンプルCDの中から、自分が“気になった”音源を挙げてみるシリーズである。今回は、1997年に発売されたCDから。
この年は気になる音源がたくさんあったので、2回に分ける。今回はその2。

142<サラサーテ:「ツィゴイネルワイゼン」/神谷百子(マリンバ) 山田武彦(pf)>19970821

この音源は、自分にマリンバの世界を教えてくれた貴重な1枚。(ここ)にも挙げたが、超絶技巧の代表曲である「ツィゴイネルワイゼン」。神谷百子と高橋美智子のCDを早速買ってしまった。それにしてもスゴイ!!
何度聞いても、そのエネルギッシュな超絶技巧には、まさに人間ワザとは思えない・・・

143<グルック(スガンバーティ編):「精霊の踊り」/杉谷昭子(pf)>19970825

言うまもなくこれは歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」の中の一曲だが、これはピアノ独奏の編曲版である。
どんな編曲で聞いても美しい・・・

144<滝廉太郎:「憾(うらみ)」/小川典子(pf)>19970832

この音源も懐かしい。それまでこの曲は、うっすらとしか知らなかったが、この音源で、全曲を聞く気になった。
それにしても、滝廉太郎の23歳での死は早過ぎた。正岡子規の34歳もそうだが、天才は早く死ぬ?
後期高齢者の自分はそろそろ良いかも??

145<本居長世:「赤い靴」/藍川由美(S) 花岡千春(pf)>19970835

非常に短い旋律だが、日本人の心には沁みる・・・

146<フチーク:「フィレンツェ行進曲」(フロレンティナー・マーチ 剣士の入場)/ヤルヴィ(指揮) エーテボリso>19970920

行進曲は、どんな曲も心が楽しくなるので、好きだな~

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