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2023年4月14日 (金)

池波正太郎の「真田太平記」を読んだ

やっと池波正太郎「真田太平記」と「真田太平記読本」を読み終わった。
「やっと」という表現はあまり良くない。司馬遼太郎の小説は、だいたい2~3日で1冊読んでいたが、今回は4日ほどかかってしまった。読み始めたのが2月24日なので、一ヶ月半。原因は、NHKのドラマを見ながら・・・だったため。

司馬遼太郎の「街道をゆく」に惚れて順に読んでいたが、9巻の「信州佐久平みち」を読んでいたら上田が出て来た。上田と言えば、真田。
つい、買っておいた池波正太郎の「真田太平記」に寄り道をしようかと思い立ち、それを読み始めてしまった。ということ。
それに、2022/10/13 から2022/12/14まで45回にわたってBS4Kで再放送されたNHKのドラマ「真田太平記」を録画してあったので、それも見てしまおうと思ったから。
230414sanada このドラマは、1985年(昭和60年)4月3日から1986年(昭和61年)3月19日まで放送されたもの。
真田昌幸を丹波哲郎、真田幸村を草刈正雄、真田信之を渡瀬恒彦が演じたもので、実に見応えがあった。
スタートにあたって、カミさんに聞いた。「TVドラマを見てから小説を読むか、それとも小説を読んでからTVドラマを見るか?」「当然小説が先でしょう」というので、まず小説を読み、1冊読み終える毎に、TVドラマで追った。

このドラマは当時見た記憶が無いが、真田家が犬伏の陣で西軍と東軍に分かれるシーンは、何となく記憶にある。渡瀬恒彦が部屋を出て行く場面。
それ以外の場面は覚えていないので、やはり今回が初。

230414sanadatokuhon 小説は、言うまでも無く1974年(昭和49年)から1982年(昭和57年)にかけて『週刊朝日』に449回にわたって連載された。文庫本で12冊。
「真田父子が進む道を縦糸とすれば、真田忍び(草の者)と甲賀忍びとの戦いを横糸に織り上げた壮大な小説」だという。
実は、自分はあまり「忍び(忍者物)」は好きではない。しかし、仕方が無い・・・

TVドラマは、ほとんど小説を追っている。しかしたまに逸れる。小説と違う筋になると、やはりアレッと思う。特に樋口角兵衛の最期など・・・
この樋口角兵衛を演じた榎木孝明がなかなかの存在感。このキャラクターは決して好きでは無いが、その破滅的な性格を榎木孝明が良く演じていた。
逆に「お江」役の遥くららは、もう少し忍者としての“すごみ”が欲しかった。

この小説の舞台に、上田城と別所温泉が良く出てくる。前に行ったことがある。
メモを見ると2004年4月のはじめ、母と伯母、そして我々息子3人の夫婦の、計8人で行った。別所温泉の「七草の湯」という宿に泊まった。エレベーターにまで畳が敷いてある宿だった。夕食を採った一室での写真や、食後に部屋のコタツに集まって話をしたときの写真が懐かしい。
今見ると、お袋も伯母も実に良い顔をしている。
この温泉は、兄貴が予約した。自分は良く分からないで、とにかく行っただけ。宿に着いた日の夕方は雪が降ったが、頑張って近くの安楽寺や北向観音に行ったもの。この安楽寺も、物語によく出てくる。
翌日は、上田城に行った。ちょうど桜が満開だった。門前の真田石の前で写真も撮った。でも、残念ながら、当時はその背景もあまり知らなかった。

その記憶が残っているせいか、小説を読んでいても、何となくその場の風景が頭に浮かぶ。
やはり、現地の空気を一度吸っていたのと、行ったことがないのとでは、物語への入り込み方が違う。今さら、もう20年も前の話だが、行っておいて良かったと思う。

ともあれ、寄り道の「真田太平記」の12冊と「読本」、そしてNHKのドラマ45分×45回を見終わった。
さて、ではまた「街道をゆく」に戻るとするか・・・
本読みだけの、贅沢な毎日ではある。

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コメント

NHKの大河ドラマでは、「独眼竜政宗」と「真田太平記」が断然好きですね。この2つは大河ドラマの中では抜きんでた傑作だと思います。ただ、後者の「真田太平記」は厳密にはいわゆる「大河ドラマ」ではなく、新大型時代劇という別枠の時間帯に放送されたドラマです。何回か再放送されてはいますが、私はこのドラマがCATVで放送されたとき、わざわざ加入してブルーレイ録画しました。このドラマを見ていたので、数年前に放送された大河ドラマ「真田丸」にはあまり面白さは感じられませんでした。
原作の小説のほうを読んだのはドラマを見たあとですが、私も文庫本で全巻12冊を通勤途中の電車の中で読みました。読了後続けて、司馬遼太郎の同時代を扱った「関ケ原」と「城塞」(文庫本で3冊ずつの6冊)読んだので、いろいろの真田にまつわるエピソードが池波正太郎の本にあった話だったのか、司馬遼太郎の本にあったのか、わからなくなっています(笑)。この二人の作家は親しい間柄だったらしく、文体もよく似ています。
私も本を読み終えた2013年4月には長野へ出かけ、松代城壁を見て真田宝物館・真田邸を見学、上田上山田温泉に1泊し、翌日には上田城・南櫓展示室・博物館などを見学しました。上田市内にある池波正太郎真田太平記館にも立ち寄りました。

【エムズの片割れより】
確かに、司馬さんと文体がよく似ていますね。
自分は、何の予備知識も無しで上田に行ったので、上田城で弟から「これが真田石だよ」と言われても、何のことか分かりませんでした。
本を読んでから行くのとでは、だいぶん違いますね。
また行ってみたいのですが、なかなか・・・です。

NHKの「真田丸」は当時見ました。三谷幸喜だったので(^o^)
真田昌幸の草刈正雄が良かったが、池波作品の方が重みがありましたね。

投稿: KeiichiKoda | 2023年4月17日 (月) 10:05

上のコメントを書いた後で、前にも同様のことを書いたことを思い出したので、検索したら、エムズさんのブログ「司馬遼太郎の「国盗り物語」「関ケ原」を読んで再認識」(2022/9/3)へののコメント欄に、私は司馬遼太郎「関ケ原」と「城塞」を読んだあと、続けて池波正太郎「真田太平記」を読んだと書いており、上で書いたことと順序が逆になっています。どちらが先であっても、ほぼ同時期に両者を読んだことは間違いありません。エムズさんは、司馬さんの「城塞」は読まれたのでしょうか?「城塞」は関ケ原以後の豊臣と徳川の攻防が主題で、文庫本(新潮文庫)の「中巻」では大阪冬の陣が、「下巻」では夏の陣が描かれていて、「真田太平記」の文庫本(10)「大阪入城」、(11)「大阪夏の陣」に対応しています。もちろん、両者には重なる部分はありますが、重ならない部分もたくさんあって比較してみると非常に面白い。

【エムズの片割れより】
リストを見ると、今まで読んだのが「国盗り物語」「新史太閤記」「関ヶ原」「城塞」「豊臣家の人々」「覇王の家」「播磨灘物語」「功名が辻」「夏草の賦」「戦国の女たち」「軍師二人」「梟の城」「義経」「空海の風景」「故郷忘じがたく候」の順で。
今後読む予定で買ってあるのが「最後の将軍」「花神」「胡蝶の夢」「箱根の坂」「尻啖え孫市」「風神の門」「果心居士の幻術」「最後の伊賀者」「燃えよ剣」。
その他、朝日新聞の司馬遼太郎関係のムックは数十冊全て買ってありますので、当分楽しめそう(^o^)
(いやストレス??)
そのうち「梟の城」は挫折しました。
どうも自分は忍者物は好きではないようで・・・
それに、山岡荘八の「徳川家康」も読み直すために買ってあります。

投稿: KeiichiKoda | 2023年4月19日 (水) 11:23

エムズさんはたしかNHK大河ドラマ「真田丸」はごらんになったかと思いますが、それ以前に放送された「真田太平記」(1985年4月から翌年3月まで放送)はごらんになったんでしょうか?後者では真田幸村、前者では(幸村の父親の)真田昌幸を演じた俳優草刈正雄の「ファミリーヒストリー」が先日(8/14)放送されました。「初めて知る米兵の父、97歳の伯母が語る真実とは」というタイトルが示しているように、草刈さんは日本人の母親と、当時日本に駐留していた米兵の間に1952年に生まれたが、父親が出産前に帰国してしまったため婚外子として成長。母親からは父親は朝鮮戦争(1950年-1953年)で戦死したと聞かされて育ったが、今回のNHK調査で、実はごく最近まで生存していたことが判明。父親のロバート・トーラーはアメリカのノース・カロライナの出身で帰国後の1953年には西ドイツに空軍所属の兵として行き、(別の女性と)結婚していたことがわかる。さらには、現在97歳になる、ロバートの姉のジャニタさんはノース・カロライナに健在で、ロバートがアメリカに帰国後草刈さんの母親から子供(つまり草刈さん)が生まれたという手紙が届いたので、ジャニタさんはロバートに隠し子がいたことを知って母子がどうしているのか大変心配していた。しかし、当時自分も貧しくてどうしようもなかったという。そしてロバートに日本人女性との間に子供がいたという事実は自分の胸にだけしまってほかにもらしたことはなかったという。
草刈さん母子はシングルマザーとその子供としてたいへん苦労して育ったが、番組の最後はジャニタさんがぜひ草刈さんに会いたいという要請を受けて、草刈さんがノースカロライナに飛び、伯母と甥がはじめて顔を合わすという感動的場面で閉じられている。この「ファミリーヒストリー」というNHKの番組はときどき見ていますが、今回ほどNHKの取材力もってしても父親を捜すのに困難をきわめ、結末がこれほどドラマティックで感動的・印象的な話はなかった気がします。伯母に当たるジャニタさんも97歳という高齢にかかわらず、実にしっかりしてしていて驚きます。
この番組を見たあとの私の第一印象は、これはプッチーニのオペラ「蝶々夫人」の昭和版だということです。「蝶々夫人」は日本の明治期の実話に基づいてプッチーニが創作したオペラですが、結婚した海軍士官の夫(ピンカートン)がアメリカに帰国し、日本に戻ったときアメリカ人の妻を連れていたのを知り、すべてを悟り自決する。ピンカートンとの間に生まれた子供はピンカートンとアメリカ人の妻に引き取られるというストーリーです。「昭和版」では子供はシングルマザーのもとでたいへん苦労しながら育っていく。ロバートが遺した唯一の資産は草刈さんの美貌でしょう。草刈さんはそれをもとにモデル、俳優として大成する。
この番組は再放送されるでしょうが、今ならまだ1週間たっていないのでNHKプラスでも視聴可能です。御覧になっておられないなら、ぜひご覧になってみてください。

【エムズの片割れより】
情報をありがとうございました。
さっそくタイムシフトで見ました。
この番組は前に良く見ていましたが、知らない人の過去はあまり興味が無いため、最近は見なくなっていました。
草刈正雄は、自分の好きな俳優のひとりです。
もちろん真田もの2作も見ました。
どの回も同じですが、途中で草刈さんの目元を写して「どうですか?」と聞く場面が嫌いです。
誰も、話を振られても返す言葉はないでしょうに・・・
それにしても、とても民放では出来ない企画ですね。
米国で見つからなかったら、番組は成り立たないわけで、費用の点からもNHKだからこそ、という番組ですね。
ともあれ、よい番組を見せて貰いました。
ありがとうございました。

投稿: KeiichiKoda | 2023年8月16日 (水) 09:13

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