NHK「JAPANデビュー」を見てみた~偏向番組とは
先日、Netで「【放送法問題】安倍元首相がTBS「サンデーモーニング」より問題視していたNHKの“偏向番組”とは」(ここ)という記事を読んだ。
「デイリー新潮」の記事だが、その中に「総理がいちばん問題意識を持っているのはNHKの「JAPANデビュー」だが、これはもう過去の話。今はサンデーモーニングには問題意識を持っている。・・・」という部分があり、「JAPANデビュー」というのがどんな番組だったのか知りたくなって、Youtubeで見たみた。
wiki(ここ)によると「NHKスペシャル シリーズ 「JAPANデビュー」は、2009年4月から6月にかけて日本放送協会 (NHK) のテレビ番組 『NHKスペシャル』で放送された4回分のシリーズを括る題名で、NHKが自社の取り組む「プロジェクトJAPAN」の一環として制作した日本のドキュメンタリー番組である。
日本が西洋列強に対抗する際に命運を握った「アジア」 「天皇と憲法」 「貿易」 「軍事」に世界史上から焦点をあてた特別番組として4回がNHK総合、NHKの海外放送、子会社NHKグローバルメディアサービスが行うNHKワールドプレミアムを通じて放送された。
第1回放送をめぐっては、日本と台湾の視聴者や番組出演者を含めた約1万300人(台湾人約150人を含む)による集団訴訟が起こされたが、原告側の逆転敗訴で幕を閉じた。」とある。
番組は、第1回 「アジアの“一等国”」(2009年4月5日放送)、第2回 「天皇と憲法」(2009年5月3日放送)、第3回 「通商国家の挫折」(2009年6月7日)、第4回 「軍事同盟 国家の戦略」(2009年6月28日放送)だったらしいが、Youtubeで第1,2,4回の3回分を見ることが出来た。
wikiに「第1回放送をめぐる騒動・訴訟」という項目があるが、当時相当に騒ぎになったらしい。自分は覚えていないが・・・
ここに「視聴者、地方議員、自民党国会議員、産経新聞・週刊新潮・日本文化チャンネル桜などの保守系メディア、市民団体、有識者、更に、番組に出演した台湾人(パイワン人を含む)や台湾や日本の民間団体など日台双方から抗議や批判が続出した。」とあるように、上にある「デイリー新潮」の記事も、批判した週刊新潮の延長として読む必要がありそうだ。
第2回と4回は特に違和感は感じなかったが。やはり第1回 「アジアの“一等国”」(ここ)を見終わった後は、後味の悪さを感じた。
見た後で、wikiの騒動の記事を読むと、何が問題になったかが良く分かる。
wikiに「番組で証言した柯徳三は、「(NHKには)八田與一のことや後藤新平のことなどもいろいろ話したのに、そこを全部カットした。同窓会の改まった席で誰かが火ぶたを切って不満を話した部分だけが放映され、あたかもあそこにいた人全員が反日的であるかのように宣伝された」と批判。」
「また朝日新聞の取材によると、柯徳三が日本の台湾への貢献を語った部分はすべてカットされたと発言していることも伝えられた。」とあるように、取材を受けた人が、自分の発言が部分的に切り取られ、自分が意図しない姿として番組で使用されたことが非難のひとつらしい。
この事は、新聞をはじめ、メディアのニュースや番組で日常的に有り得ること。
前に何度か書いているが。学生のときにたまに読んでいた「朝日ジャーナル」という週刊誌で「テレビの画面で、学生が機動隊の警棒で打たれている場面を写すと、視聴者は“学生が可哀想”と思い、学生の投げた火炎瓶に逃げ惑う機動隊の姿を写すと“機動隊が可哀想”と思う。」という記事を読み、それが未だに頭に残っている。
編集者=番組の作成者の意図によって、自分の都合の良い所だけを切り取って番組を作ることはよくある話。
逆にそれは避けられない事なのかも知れない。誰もが、自分の意志を持っているので・・・
だから法のいう「政治的に公平であること」を「一つの番組ではなく、放送事業者の番組全体を見て判断する」という事になっていた。
それが2016年に当時の高市総務相が「一つの番組でも極端な場合は政治的公平を確保しているとは認められない」と答弁。そして、停波の可能性まで言及したことを、今回の事件で皆は思い出してしまった。
それにしても、「政治的公平性」を政府が判断するというこの姿勢は怖ろしい。まさに政府による各番組の検閲であり、世の中が大本営発表に戻りかねない。
今回、“かつてのNHK”が偏向番組として問題になったという番組を見て、問題になったという部分を俯瞰してみたが、世の中の事象で、何が真実か、見る側の難しさを改めて認識した。
それに比べ、第2回 「天皇と憲法」では、立花隆さんや御厨貴さんが登場。こんな番組は安心して見ていられる。理由は簡単。自分は、立花さんたちは信用しているので、その発言も信頼する。
問題になった第1回 「アジアの“一等国”」も、立花さんのような誰もが信頼している人を登場させて発言させていれば、バランスが良くなって問題が噴出しなかったかも知れない。
ともあれ、番組の「政治的公平性」について、勉強して?しまった。
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