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2023年1月の6件の記事

2023年1月29日 (日)

司馬遼太郎の「空海の風景」が面白かった

司馬遼太郎の「空海の風景」が面白かった。面白い、というより“良かった”と言うべきか?
言うまでも無く、「空海の風景」は「中央公論」の1973年(昭和48年)1月号から1975年(昭和50年)9月号に連載された小説。
しかし、自分が今まで読んだ小説とは少し違う。文庫の解説(p412)にこうある。
「書きあげられた『空海の風景』は、まさしく小説にちがいなかったが、伝記とも評伝ともよばれうる要素を根柢に置いているがゆえに、空海を中心とする平安初期時代史でもあれば、密教とは何かに関する異色の入門書でもあり、最澄と空海の交渉を通じて語られた顕密二教の論でもあり、またインド思想・中国思想・日本思想の、空海という鏡に映ったパノラマでもあり、中国文明と日本との交渉史の活写でもあるという性格のものになった。」
まさにこの通りの「小説」なのである。
しかし読んでいると引き込まれる。いつもの“司馬節”に・・・

「街道をゆく」もそうだが、読んでいくと、まさに木の幹をから枝が分かれるがごとく世界が広がって行く。まさに勉強になる。

話は飛ぶが、昔現役の頃「電気工事施工管理技士」という国家資格を得るために受験勉強をしたことがある。その時、数十年ぶりに机に向かった。試験勉強のためのテキストを読むと、まさに今まで乱雑に頭に放り込まれていた知識が、体系的にスッキリと頭の中で整理されていく実感があった。
その時の事を思い出した。
この「空海の風景」も同じで、自分の仏教、密教、空海、最澄、桓武天皇等々の断片的な知識が、頭の中で結合していく・・・
信義真言宗という名もそうだ。我が家の菩提寺は信義真言宗だという。昔の過去帳を見ると、浄土系のお寺から、自分の祖父の時代に今の所に移したらしい。過去帳の法名、戒名で分かる。
その信義真言宗の始まりも、この本に出て来たので、和歌山の根来寺について、つい勉強してしまった。

空海の真言宗については、(天下り)会社に勤めていた2006年、事務所が品川の近くの高輪台に移転した。そこに通っていた約2年間、昼休みに良く近所を散歩した。そこに高野山東京別院というお寺があり、よく行ったものだ。当時は、当サイトにも書いたが、仏教に興味があり、色々と仏教関係の本を読んでいた。

空海の舞台の長安(西安)に旅行したのが2009年5月(ここ)。
大雁塔や青龍寺にも行った。その光景がまだ頭に残っているので、この物語を読んでも、非常に身近に感じられた。特に青龍寺は、ツアーのコースには入っていなかったが、別途料金を払って、連れて行ってもらった。もちろんこのお寺は、1000年もの間、土に埋もれていたので、当時の面影はないが、でも行っておいて良かった。

220129kuukai 1984年(昭和59年)公開の映画「空海」も前にDVDを借りて観たことがある。空海は北大路欣也、最澄は加藤剛だったが、この本を読むと、“やり手”空海の北大路と、“マジメ人間”最澄の加藤は、まさにはまり役だった事が分かる。

wikiで「空海の風景」を読むと、2002年に「NHKスペシャル 空海の風景」がNHKテレビで放送された、とある。これも見たいな、と思ってググったら、何とYoutubeで見ることが出来た(ここ)。
広告で時々中断するが、全編を見ることが出来、いやはやスゴイ時代だ。

「街道をゆく」と同じで、本に出てくる場所が、TV画面に出てくるので、実に理解しやすい。
本番組の制作スタッフによる歴史紀行「『空海の風景』を旅する」という本も出ているという。これも買って読むしか無いな・・・

話は戻るが、司馬遼太郎がこの本の制作意図?をあとがきで書いている。これを読みながら、自分が5点満点の6点を付けた「空海の風景」の話のオワリとする。

「千数百年も前の人物など、時間が遠すぎてどうにも人情が通いにくく、小説の対象にはなりにくいものだが、幸いにして空海はかれ自身の文章を多く残してくれたし、それに『御遺告』という、かれの死後ほどなく弟子たちが書いた空海の言行が、多少は真偽の問題があるとはいえ、まずまず空海に近づくためのよすがにはなりうるのである。この点では、上代人としての空海は右の事情からの例外であるといえる。
 しかし、何分にも遠い過去の人であり、あたりまえのことだが、私はかれを見たことがない。その人物を見たこともないはるかな後世の人間が、あたかも見たようにして書くなどはできそうにもないし、結局は、空海が生存した時代の事情、その身辺、その思想などといったものに外光を当ててその起伏を浮かびあがらせ、筆者白身のための風景にしてゆくにつれてあるいは空海という実体に偶会できはしないかと期待した。
 この作品は、その意味では筆者自身の期待を綴って行くその経過を書きしるしただけのものであり、書きつつもあるいはついに空海にはめぐりあえぬのではないかと思ったりした。もし空海の衣のひるがえりのようなものでもわずかに瞥見できればそこで筆を擱こうと思った。だからこの作品はおそらく突如終ってしまうだろうと思い、そのことを期待しつつ書きすすめた。結局はどうやら、筆者の錯覚かもしれないが、空海の姿がこの稿の最後のあたりで垣間見えたような感じがするのだが、読み手からいえばあるいはそれは筆者の幻視だろうということになるかもしれない。しかし、それでもいい。筆者はともかくこの稿を書きおえて、なにやら生あるものの胎内をくぐりぬけてきたような気分も感じている。筆者にとって、あるいはその気分を得るために書きすすめてきたのかもしれず、ひるがえっていえばその気分も、錯覚にすぎないかもしれない。そのほうが、本来零であることを望んだ空海らしくていいようにも思える。
 昭和五十年十月  司馬遼太郎   」(「空海の風景」p407より)

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2023年1月21日 (土)

「週刊朝日」100年以上の歴史に幕

先日、「週刊朝日」が23年5月をもって休刊するというニュースが流れた。

週刊朝日、5月休刊へ
 朝日新聞出版が発行する週刊誌「週刊朝日」が5月で休刊することが18日、分かった。
 近年の週刊誌市場の縮小により継続が難しくなったためだという。
 同誌は1922年の創刊で、昨年2月に100周年を迎えた。1週間のニュース解説を中心とした大衆総合誌で、司馬遼太郎さんの「街道をゆく」や山藤章二さんの「ブラック・アングル」「似顔絵塾」など多くの人気連載企画も生んだ。50年代には100万部以上の発行部数を記録。2008年、朝日新聞社から朝日新聞出版に発行元が移った。」(2023/01/19付時事通信ここより)

「週刊朝日は、2023年5月末をもって休刊します。
230121syuukanasahi  大正11(1922)年に創刊した同誌は、日本最古の総合週刊誌として100年余にわたって読者の皆様から多大なるご愛顧をいただきました。心より御礼申し上げます。
 週刊朝日の2022年12月の平均発行部数は74,125部。弊社の業績は堅調ですが、週刊誌市場の販売部数・広告費が縮小するなか、今後はウェブのニュースサイトAERA dot.や書籍部門に、より一層注力していく判断をしました。・・・」ここより)

正直、自分も「週刊朝日」はほとんど買ったことがない。だからエラそうなことは言えない。
しかし最近、司馬遼太郎の「街道をゆく」に凝っているせいか、このニュースは気になった。
言うまでも無く、「街道をゆく」は、1971年1月1日号から1996年3月15日号まで25年に亘って連載された。
その後、2006年1月からは、記者が司馬遼太郎の世界を歩くシリーズが始まり、MOOKとしてまとめられて発売され、現在に至っている。
もちろん自分は最新作の「司馬遼太郎と鎌倉」までMOOKの全冊を手に入れ、チャレンジ中。
それが5月で途切れる。それが自分にとっての事件なのである。
自分は電子書籍で毎週読んでいるが、23年1月27日号のタイトルは「司馬遼太郎の現在地」というシリーズ。
これがMOOKになることなく終わってしまうのだろうか・・・

ここ)の記事を読むと、2022年1月~3月のデータでは、「文春」「現代」「ポスト」「新潮」「週刊朝日」「サンデー毎日」の順だという。
しかも、最新の2022年7月~9月のデータでは、朝日の半分の37千部。

230121busuu 230121gensyou 230121syuukansi

最近は「文春砲」や「新潮砲」などという言葉が出来て、「一般週刊誌も頑張っているな!」と思っていたが、確かに「週刊朝日」と聞いて思い出す言葉は司馬遼太郎? 「サンデー毎日」は大学合格者の報道・・・?

前にも書いたが、ウチの親父は週刊誌大好き人間だった。そして週刊誌に載っていた興味をひく物を見付けると、当時デパートに勤めていた弟に買ってくるように言っていたのを思い出した。
しかし、実家の床の間に積んであった週刊誌は「文春」「現代」「ポスト」「新潮」だけで、「週刊朝日」や「サンデー毎日」は見たことが無かった。
確かに新聞の広告を見ても、両誌は地味。このまま「サンデー毎日」も追従してしまうのだろうか?

売れなければ廃休刊、というのは仕方が無い事。もし応援したいなら、買って読むしか無い。それには買いたいと思わせる魅力が無ければ・・・!?

少子高齢社会の日本。何もかもが縮小一方の世の中。
何とも寂しさを感じさせるニュースではあった。
(せめて司馬遼太郎ものは、他誌で連載の継続を!!?)

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2023年1月19日 (木)

NHK受信料、割増金制度、4月導入へ 通常の2倍

今日見掛けたニュース。NHKが益々増長しているように見える。

割増金制度、4月導入へ NHK受信料、通常の2倍
 総務省は18日、正当な理由もなく受信契約に応じない人に割増金を請求できる制度を、NHKが4月に導入することを認めたと明らかにした。割増金の水準は、通常支払うべき受信料の2倍とする。NHKが2022年12月、規約の変更を申請していた。
 規約変更により、これまで「遅滞なく」としていた契約の申し込み期限を、テレビを設置した月の翌々月の末日までとする。割増金はこの期限を過ぎた場合に請求できる。不正な手段で受信料の支払いを免れたケースも対象となる。(通常の受信料に割増金を上乗せし計3倍)
 割増金制度は22年施行の改正放送法などに基づき定められた。」(2023/01/18付共同ここより)

この記事には、下記のニュースも同時に掲載されていた。

英BBC、受信料一律徴収終了へ ネット動画配信サービス普及で
【ロンドン共同】英政府は29日までに、公共放送BBCの受信料制度などを含む放送に関する白書を公表した。28日付の白書によると、BBCの一律徴収制度が27年にも終了する可能性がある。近年のインターネット動画配信サービスの普及により、BBCなどの視聴者が減少し不公平感が高まっていることなどが主な理由という。
 BBCが一律徴収を廃止して別の制度に移行すれば、同じ公共放送であるNHKの受信料を巡る議論にも影響を与えそうだ。
 英メディアによると、BBCの代替財源として、広告の導入やネット視聴に対する課金、税金の導入などの案が浮上している。」(2022/04/30付共同ここより)

まったく逆の動きだ。

NHKが、最高裁大法廷が放送法の受信料制度を合憲と判断したことでか、請求を堂々と強めているように見える。

そんなNHKをどう見ているか、Netで引っ掛かったアンケート(ここ)では、こんな結果が・・・

・「NHK受信料を払っている」と回答した人の割合は70.3%。
・「NHK受信料は妥当だと思いますか」と聞いたところ、90.3%の人がNHK受信料は「高いと思う」と回答。
・「NHKオンデマンド(月額990円(税込)で、NHKの過去の番組1万本以上が見放題になるVODサービス)」に加入している人の割合は、わずか3.7%
・「NHKの番組は特定の勢力、団体の意向に左右されない公正で質の高い番組だと思いますか」 40.2%の人が「思わない」と回答、NHKの番組の「質が高い」と感じている人は15.2%
・「日本国憲法で認められている契約の自由に反すると思いますか」と聞いたところ、68.5%の人が「違憲だと思う」と回答
・「毎週欠かさず見ているNHKの番組はありますか」と聞いたところ、「ある」と回答した人は27.3%
・「NHKはスクランブル放送(専用の受信機を持った人(放送料を支払っている人)しか、放送が受信できない方法)にするべきだと思いますか」と聞いたところ、69.2%の人が「スクランブル放送にするべきだと思う」と回答
・「NHK受信料を支払うことに納得していますか」と聞いたところ、73.4%の人が「納得していない」と回答

昔は、「自分はNHKしか見ない」だった。今は、「NHKは見ない」に変わってしまった。
(まるで、中国の「ゼロコロナ」から「フルコロナ」への変遷みたい!?)
特にニュース番組は、まったく見なくなった。理由は「NHKの番組は特定の勢力、団体の意向に左右されない公正で質の高い番組だと思いますか」に対する疑問からである。

「政府が右ということを左というわけにはいかない」に象徴されるNHKが政府の広報機関に変わってしまった現在(ここ)、とてもNHKを信頼することは出来ない。

一方、民放の報道は、一歩引いて見ている。広告が源泉、との認識の上で見ている。
よって、“個人的には信頼したい”NHKが政府の広報機関に成り下がっているのは残念でならない。
それにしても、今回の罰金制度の導入を許す政府の姿勢は、まさに権力とNHKとの持ちつ持たれつの関係を如実に示す。
そんなNHKを誰が信用するか?

収入は政府との一体化で安定し、サービスは、AMラジオやBSのチャンネル削減で低下(ここ)。儲かって仕方が無いNHKの将来。

NHKの先達たちが築いてきた矜持はどこへやら・・・??

政治の世界も、安倍・菅政権の暴走ぶりはひどかったが、まさかそれを越えるとは思わなかった暴走をしている岸田政権。
何もかも「ひどい」状態の現在の日本ではある。

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2023年1月14日 (土)

年賀状、控えるのも礼儀?~避けられない加齢

今日の新聞の投書欄に、48歳の主婦のこんな一文があった。

「・・・年賀状を出すのが礼儀と思ってきましたが、今年初めて相手を思う気持ちを尊重しながら控えることも礼儀だと考え直しました。写真付きの年賀状を送って満足していたのは自分たちだけで、相手にすれば年賀状を用意して、書いて投函するということが苦痛になる時も来るのだと思い知らされた気がします。・・・」

自分も年賀状の卒業を始めてから数年経つ。
思い出すと、初めて年賀状の終活ハガキを貰ったのは11年前のこと(ここ)。
その時は、ビックリしたもの。その自分も6年前から徐々に減らしていき、今年出したのは、ほんの数枚。元旦を過ぎてから届いた従姉妹からの賀状にも、結局出さずじまい・・・

コロナ渦で、飲み会が無くなってから3年。いやはや楽になったこと・・・!
まさに、上の投書の通りだ。今後も会うことも無く、ただ惰性で「まだ生きています」通知の年賀状も、無くなっても困らなかった。
特に会社関係は・・・

話は飛ぶが、昨晩、家の電話が鳴った。携帯からだ。出ると「R市のSだけど・・・」。
ピントは直ぐに合って、顔が頭に浮かび「何と懐かしい・・・」とは言ったものの、要件が分からない。今時なので、誰かが亡くなった連絡かなと思ったが、話は携帯を最近買って、電話帳をインプットしていて、ふと思い立って電話した。とのこと。
延々と、今まで携帯を持たなかった理由。今回買ってみた感想。そして自分の3回のガン手術の経験談。30分、ほとんど一人で話し続けていた。

このS君は中学1年のときの同級生。2年からは中学が2つに分かれてしまったので、その後は別々だった。よって同窓会でも会わない。
20数年前、一度だけ共通の友だちから連絡があって、都内で会うことになり、その時に電話で声を掛けて、3人で飲んだことがある。
年賀状も最初の年賀状終いで宣言し、途切れた。
確かに、出身地に残る数少ない知人ではある。しかし地元の情報としては「男は3割は死んでいる。女は1割だな」。具体的に誰が亡くなったかは言わなかった。

電話で、相手の話に相槌を打ちながら思ったのは「困ったな・・・」。
上の年賀状の「満足していたのは自分たちだけ」というのと同じ。携帯電話を買った経緯の報告を聞いても、こっちが困るだけ。
「また電話するから・・・」という最後の言葉にも「困ったな・・・」と思った。

たまに会うY君の言葉を思い出した。現役時代の人とは付き合っていないという。「今さら、昔の同僚と付き合うつもりはない・・・」
結局、昔の上司は、引退して何年経っても上司の態度。
自分もそんな付き合いを卒業してから、皆の現状を知らなくも困った事は無い。
たぶん自分が死んでも、葬式には誰も呼ばないと思う。

ストレスの最大なものは、人間関係だという。それをどんどん脱いで行くと、どんなに楽か・・・
そんなストレスが無いはずの毎日で、どうしてこんなに体調(胃の調子)が悪いのか??
やはり加齢が原因か・・・!!
すべてに「こんなハズでは・・・」と思う後期高齢者ではある。

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2023年1月12日 (木)

好きな司馬作品1位は「坂の上の雲」

今日のニュースにこんな記事があった。
今自分が凝っている司馬遼太郎についてである。

司馬遼太郎生誕100年 好きな司馬作品1位は「坂の上の雲」 全作品の累計発行部数2億部超

司馬遼太郎記念財団(大阪府東大阪市)は11日、今年が作家・司馬遼太郎さん(1923~96年)の生誕100年になるのに合わせ、インターネットなどで行った「好きな司馬作品」アンケートの結果を発表。1位は「坂の上の雲」、2位は「竜馬がゆく」、3位は「燃えよ剣」がそれぞれランクイン。これまで出版された全司馬作品の紙・電子を合わせた累計発行部数は判明しているだけでも2億部を超えたという。

230112sukinasibasakuhinn 4位は「街道をゆく」、5位「峠」、6位「花神」、7位「国盗り物語」、8位「菜の花の沖」、9位「関ヶ原」、10位「世に棲む日日」と続いた。

アンケートは、同財団のホームページや記念館で昨年10月1日から11月15日まで行い、約1500人から回答があった。年代や性別、地域ごとにランキングも集計した。

性別では、男性は「坂の上の雲」、女性は「燃えよ剣」がトップだった。年代別では、10代~30代が「燃えよ剣」だったが、40代以上はすべて「坂の上の雲」がトップを占めた。

これまで出版された紙・電子を合わせた累計発行部数のランキングで1位だったのは「竜馬がゆく」で2496万部。2位が「坂の上の雲」で1987万部、3位は「街道をゆく」で1224万部だった。これら全司馬作品の累計発行部数は、2億673万部に達したという。同財団が各出版社に問い合わせ算出した。

これまで、同様のアンケートは「司馬遼太郎記念館友の会」会員対象に行ったことはあるが、インターネットを通じて幅広い層を対象に行うのは初めて。」(2023/01/11付「産経新聞」ここより)

また総回答数に占める割合は、「坂の上の雲」が21.7%、「竜馬がゆく」が15.7%、「燃えよ剣」が10.9%で、上位3作品がほぼ半数を占めたという。

カミさん曰く、読む本は、他人の評価などは気にせず、自分の好みで選ぶものだという。でも自分のようなミーハーは、つい世の中の評判を気にしてしまう。
Netで検索すると、司馬作品のランキングの記事が色々ヒットする。しかし、今回のランキングは、発行部数も含め、“司馬遼太郎記念財団が各出版社に問い合わせ算出した”とあるので2022年10月現在の正確な数字であろう。

このランキングを見ると、自分の好きな戦国物より、幕末物の方が人気があるらしい。
そして「坂の上の雲」の人気が高い。

前にも書いたが、最近の自分の毎日は「街道をゆく」で埋め尽くされている。原本を読み、ビジュアル版を読み、ムックを読み、そしてNHKの番組(DVD)で締めくくる。
街道毎にこんな読み方をすると、司馬さんの世界が実に良く分かる。特に、NHKの番組では、その場に行ってくれるので有り難い。
文庫で全43巻。「週刊朝日」の1971年1月1日号から1996年3月15日号までの連載1147回。72の街道を旅する。
別に1巻から順に読む必要も無いため、自分が昔行ったことがあるようなところから読み出している。先日も第8巻の「豊後・日田街道」を読んでいたら、大分の古国府という地名が出て来た。50年前、古い友人宅があり、行ったことを思い出した。GoogleEarthでその場所を覗いてみたが、さすがに半世紀経っているせいか、そこがどこだか、全く分からなかった。
230112sibamook 昔、司馬さんが行った世界を、改めて記者が歩くシリーズが、週刊朝日のムックで出ている。「司馬遼太郎の街道」シリーズだが、4巻まで出て、その後はテーマ別に変わってしまった。そのまま全街道を巡ってくれれば良いのに・・・と残念。

そして総発行部数は2億部だという。
wikiの「ベストセラー作家」を見ると、日本人の発行部数は、赤川次郎、西村京太郎、司馬遼太郎、吉川英治という順らしい。

今年、生誕100年を迎えるという司馬遼太郎。
1996年2月12日に72歳で亡くなった。死因は腹部大動脈瘤。自分も小さいのを持っているので、決して他人事では無い。
ここ)に、亡くなるまでの経緯があった。それによると、
「司馬遼太郎のなくなる前の体調についての記述も見ることができる。それによると氏における大動脈瘤破裂の前兆は1 年半以上も前にさかのぼってあったことがわかる。以下にピックアップする。即ち、平成7年4 月6 日「去年の夏頃、左の坐骨神経痛。医者にもゆかず、1 週間は歩行もできずに苦しんでいたが、客が去るようにして去りました」。6 月16
日「右足が重い、と感ずることが、十日ほどつづき、レグウォ―マーで足を暖めた」(本人の記述)。12 月には周囲の人に顔色が白く見えるほど貧血が進み、翌8 年1月3 日腰痛で治療。18 日風呂場で貧血状態(血圧低下による目眩)、20 日から発熱(動脈瘤破裂後の腹膜炎と血腫吸収熱)。2 月10 日午前0 時過ぎ、歯磨き中に倒れ救急車で国立大阪病院に搬送。
貧血著しく内視鏡検査実施、胃に著変なし。輸血により一時回復の兆しあるも深夜に大量吐下血。11 日未明から手術、腹部大動脈瘤の十二指腸への穿孔破裂と診断。翌12 日午後8 時50 分死去[72 歳]。」

また(ここ)には、こんな記述も・・・
「腹部大動脈瘤をなぜか「坐骨神経痛」と思い込んでいたそうですが、腹部大動脈瘤が神経を圧迫して生じた痛みだったのです。1年後には「ザコツさえなければ」と、痛みが耐え難い状態になっていましたが、検査をかたくなに拒み、鍼による療治などの対症療法を受けていました。そして、大動脈瘤が破裂して突然倒れます。本人を説得し手術が行われ、はじめて腹部大動脈瘤であることが判明しますが、すでに意識不明の状態でした。その後、眠るように息を引きとりました。」

亡くなって27年。しかし、司馬さんのファンは多く、本も売れている。
しかし、自身の体についての責任は本人しか負えない。医師も家族も、本人の体についてどうするかは、本人の意向だけ。
4年前に兄が亡くなったが、その時の医師の対応は、どんなに書類がそろっていても(尊厳死の宣言)、本人に意向を聞いていた。意識朦朧の状態でも、人工呼吸器の装着の希望など、耳元で大きな声を出して、聞いていた。
そんな事から、「検査をかたくなに拒み」では仕方が無かったのだろう。
しかし、事前に発見していれば、ほぼ確実に救命できるというから、ファンからすれば「惜しい!」としか思えない。

今ごろ??夢中になっている後期高齢者の“にわか司馬ファン”ではある。

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2023年1月 4日 (水)

2023年の新年の抱負~散歩と笑い!?

明けましておめでとうございます。
内容がバラバラだが、最近気になった記事を羅列してみる。

習慣的に電子書籍サービスを覗いているが、先日の週刊新潮の「小椋佳が明かした人生の終わり方」という記事で、気になった部分・・・
「・・・ というわけで、私の目下の関心事は、この「心臓」です。なぜ心臓は鼓動を続けているのだろうか、コイツを動かしているのはいったい“何者”なのか。そう考え始めると止まらなくなってしまってね。
 ビリヤードでも、キューで一突きすることで、玉がぶつかりあい、あちこちに散らばっていくでしょう。人間の身体も、同じように「心臓」が鼓動することで、血流が廻り、臓器や筋肉などが動き始める。ただ、最初の一突きがないと動かないわけです。この一突きを加えているのはいったい何なのか。それを考えだしたら、まんじりともできなくなってしまった。お陰で最近は、すっかり寝不足気味です。・・・」(「週刊新潮」2022/12/29号p39ここより)

確かに胎児の時から、まだ人間として形が定まらないときから?心臓の鼓動はスタートする。
どんな動物も同じ。その神秘さ・・・

話は飛ぶが、たまにNetで楽天マガジンを覗く。手軽に週刊誌などを読めるのは良いが、新聞の広告に載っている目玉の記事は読めない。読み放題というのは、まあそんなもの・・・として捉えるしかないが・・・

そこで読んだ週刊ポストの記事。B型の血液型の人は長生きなんだって・・・!?
血液型 100歳以上の日本人にはなぜB型が多いのか?
 人が生まれながらにして“分類”される血液型。ここにも、寿命とのかかわりが指摘されている。
 07年に発表された厚労省の補助金事業「健康長寿に関する要因の研究」のなかで、〈血液型と長寿との関連性について〉という報告があり、そこでは日本人で最も長生きする確率が高いのはB型とされた。慶應大の研究者らが東京在住の百寿者(平均年齢101.2±1.8歳)269人と、東京在住の対象群7153人を比較したところ、百寿者ではB型の割合が高かったのだという。
 日本人の血液型は、多い順にA型4割、O型3割、B型2割、AB型1割とされる。それが、右の研究では、百寿者はA型34.2%、B型29.4%、O型28.3%、AB型8.2%という結果になった。百寿者はB型の割合が10ポイントも多い。
 医療経済ジャーナリストの室井一辰氏が言う。「百寿者にB型が多い理由としては、報告書が分析する通り、病気と血液型の関係が考えられます。A型は細菌感染、O型はウイルス感染しやすく、病気もがんや血栓性疾患はA型、自己免疫疾患や出血性疾患はO型に多い。一方、B型はそれらの病気になりにくく、長寿になった可能性があります」
 血液型による寿命の違いをもたらすのは、「免疫」の違いだという。
 「そもそもABO式の血液型は免疫反応を引き起こす抗原の種類で分類されています。免疫力は病気と密接な関係であることから、結果的に寿命と関連していることに不思議はありません」(同前)
 一方、米国では日本と違った結果が出ている。
 99年に米国で出版された『The Answer is in Your Blioodtype』によると、5000人の米国人を調査した結果、血液型の平均寿命は、O型が86.7歳、B型が78.2歳、AB型が69.5歳、A型が61.6歳だった。
 A型が最も短命という結果なのである。同書では、A型は肉類を消化しにくく脂肪として体内に蓄積するため、肉食中心の米国では短命になっていると考察している。
 血液型は変えられないが、特性に応じた生活習慣を心がける価値はある。」(「週刊ポスト」2023/01/13号p149より)

ちょっと信じられない調査だ。何せ、米国では血液型の違いで、寿命が25年も違うのだというのだから・・・

こんな記事を気にするのも、自分が後期高齢者に突入した証拠かも知れない。

最近特に、体調が気になる。舌の状態が気になる。すべては自分の持病である自律神経失調症から来ている?!と信じているが・・・!?
それに加え、年齢から「全ては老化。何があっても不思議では無い」と自分に言い聞かせるのだが、どうも「こんなはずでは無かった!」が多い。
外出しても、つい体調が気になる。「男の健康寿命72歳をとっくに超えているでは無いか!」と思っても、つい「こんなはずでは無かった!」・・・

今さら食べ物を気にしても遅いが、先日聞いたNHKラジオ第2の「カルチャーラジオ 科学と人間「植物と人類の歩み」(11)」(2022/12/16放送)で、日本の野菜消費量ベストテンの話が出て、ヘエーと思った。
それによると、1位 大根、2位 キャベツ、3位 玉ねぎ、4位 白菜、5位 じゃがいも、6位 キュウリ、7位 トマト、8位 さつまいも、9位 ニンジン、10位 レタス なんだそうだ。
Netで見ると、色々な統計があり、上の話の出典は分からない。でも、自分的には大根はそんなに食べていないな・・・。キャベツは毎朝食べさせられているけど・・・

最近よくカミさんに「笑いが少ない」と言われる。
確かに、泣くことも笑うことも少ない。というか無い。わざと笑い顔をすると「コワイ~」と言われる。
そもそも笑えるような話やニュースが無い。

体力低下については、とにかく体を動かしていないせいだ。と言う。確かに、カミさんの買い物に付き合う以外は、たまに散歩するくらいで、司馬遼太郎ばかり読んでいるせいかも・・・(ラジオ体操は毎日心掛けてはいるが)
まあ年初にあたり、せめて「散歩で体を動かす!」「笑える話題を探す!」ことを目標にしようか・・・
まことに自信の無い新年の抱負ではある。

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