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2022年8月19日 (金)

「老いを愛づる」中村桂子さんの話

先日、NHKラジオ深夜便(の録音)を聞いていたら、生命誌研究者の中村桂子さんの話を放送していた。NHKラジオ深夜便「明日へのことば「生きものらしく自然体で老いる」生命誌研究者…中村桂子」(2022/07/30放送)である。
このお話が、実にスマートで、我々シニア族にも共通点があるので、挙げてみたい。

<「生きものらしく自然体で老いる」生命誌研究者・中村桂子>


このお話は、最近出された「老いを愛づる」という本の内容が中心。
出版元の解説にはこうある。
「老いを愛づる~生命誌からのメッセージ 中村桂子 著
220819oiwomezurunakamurakeiko 白髪を染めるのをやめてみた。庭掃除もほどほどに。大谷翔平君や藤井聡太君にときめく――自然体で暮らせば、年をとるのも悪くない。人間も生きものだから、自然の摂理に素直になろう。ただ気掛かりなのは、環境、感染症、戦争、競争社会等々。そこで、老い方上手な先達(フーテンの寅さんから、アフガニスタンに尽くした中村哲医師まで)に、次世代への「いのちのバトン」のつなぎ方を学ぶ。生命誌のレジェンドがつづる人生哲学。」ここより)

Netでググってみると、86歳の氏は、その世界では非常に有名な方らしく、著書も多い。しかし自分は「生命誌」という言葉を初めて聞いた。
この本における中村氏の肩書きは「JT生命誌研究館名誉館長」。生命誌研究館を検索すると、(ここ)にHPがあった。

その解説では、
「生命誌研究館とは
「生命誌」とは、人間も含めてのさまざまな生きものたちの「生きている」様子を見つめ、そこから「どう生きるか」を探す新しい知です。英語では“Biohistory”。地球上の生きものたちは38億年前の海に存在した細胞を祖先とし、時間をかけて進化し、多様化してきた仲間です。すべての生きものが細胞の中に、それぞれが38億年をどのように生きてきたかの歴史をしるすゲノムDNAを持っています。ゲノムDNAは壮大な生命の歴史アーカイブです。その歴史物語を読み解き、美しく表現することで、生きものの魅力を皆で分かち合い、生きることについて考えていく場が「研究館」“Research Hall”です。いのちを大切にする社会づくりに努める仲間になってください。」ここより)

HPに現館長の永田和宏氏の紹介ビデオがある(ここ)。20分と少し長いが、館の成り立ちが分かる。
永田氏は、言うまでも無く歌人の大御所であり、故河野裕子さんの夫君。本業は、まさに細胞生物学者。永田氏は3代目の館長で、2代目の館長がこの中村桂子さんだという。

話が横にそれた。
ちょっと興味が湧いたので「老いを愛づる」という本を手に入れて、ざっと目を通してみた。放送の内容とほとんど同じだが、キーワードが幾つかある。
「キリがありませんから」という言葉に代表される「自然体で生きる」ということ。
自分も、現役をリタイアして随分経った。そう、もう競争なんかは不要。歳と共に、力まず流されて生きる。残された時間はそれで良いのだ。

このような本で人の人生を垣間見ると、その人の生きてきた環境が背後に見える。どのような環境で育ってきたか・・・。当然それが人の形成に大きく影響する。
もちろんこの人の環境は非常に良好。
先に事件を起こした山上容疑者のように、過酷な成長環境もある。

ある意味、今の自分は「自然体で・・・」なんていう贅沢なことを考えられて、それだけで幸せではないかと、ふと思ってしまった。

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