宅配便屋さんへの一つの缶コーヒー
宅配便の兄さんに、感謝を込めて缶コーヒーを一つあげた。という話である。
どの家でも同じと思うが、最近宅配便の利用が多くなっている。 Amazonなどの通販はもとより、メルカリの配送など、こんな便利なものはない。
普通郵便は、(木)に出しても着くのは(月)。4日もかかる。
しかしクロネコは、東北、中国地方でも東京に翌日には届く。これは驚異的とも言える体制だと思う。
午前中に買い物に出る習慣の我が家では、配送の時間指定が出来る場合は、午睡を経て夕方の配達を頼むことが多い。
もちろん、終日家に居るときは、なるべく時間指定無しにしている。
さっきも、クロネコ便が届いた。カミさんが通販で頼んだお菓子だ。 その配送の兄さんに、カミさんが冷えた小さな缶コーヒーを一つあげたという。
すると兄さんが嬉しそうにしていたと・・・
そう言えば、先日は、たまたま気が付いた市の可燃物回収車の人に、やはり缶コーヒーを渡していた。
カミさん曰く「酷暑の中、配達してくれる人を、つい自分の息子と思ってしまう」という。
たぶん同じように暑い中で働いているだろう息子の代わりに、冷たいものを差し入れているという。
よく電話がかかってくる。自分が出るとセールスの電話である。
「どちらにお掛けですか?」
「いや、その地域の方にご案内したく・・・」
「忙しいので失礼します」ガチャ!
ピンポーンも多い。
モニター画面を見ると知らない人が映っている。
「**のご案内で、玄関先でお話を・・・」
「スミマセン!今忙しいので!」ガチャ!
それに比べ、たまたまカミさんが出ると、実に丁寧に対応している。
「申し訳ありませんが、今手が離せないのでゴメンなさい」
何でそんなに丁寧なんだ?と聞くと、これまた「これが息子だったらと思うと、冷たく出来ない」という。
確かに、電話や飛び込みセールスなど、好き好んでやっている人はいない。
息子が同じ事をしていたら・・・と思うと冷たく出来ない気持ちも分かる。
現役時代、選挙の応援をしたことがある。
渡された応援をしてくれる人のリスト順に、各家庭を訪問し、ビラを配る。
その時、ピンポーンをするときのイヤさは今でも思い出される。
電話掛けも同じだ。
リスト順に電話を掛けて応援を頼む。その時のドキドキ感は今でも覚えている。
これほどイヤなことはない。
それを仕事としてせざるを得ない人がいる。
同じ事を息子がやっていると想像したとき、相手から冷たいあしらいをされると、さぞ傷付くだろうな、と思うと冷たく出来ない。という事も分かる。
しかしなかなか自分には出来ない。
自分にはなかなか分からない母親の心ではある。
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