心から消えない言葉~NHK「正直不動産」
今朝、朝食の後にカミさんから、録画していた「正直不動産 感謝祭」(2022年06月14日 午後10:00放送)と言う番組を見せられた。
ドラマ「正直不動産」(ここ)は、2022年4月5日から6月7日までNHK総合で放送されていたドラマで、非常に好評だったとか・・・
NHKのサイトにはこんな紹介がある。
「NHKドラマ「正直不動産」
登坂不動産の営業マン・永瀬財地(山下智久)は、“嘘もいとわない”セールストークで成績No.1を維持し続ける、やり手の営業マン。ある日、アパートの建設予定地にあったほこらを壊したことから、たたりで嘘がつけない体になってしまう・・・。言わなくてもいいことまでペラペラとしゃべる永瀬に、当然お客は激怒。
契約寸前の案件まで次々と台なしに――。果たして、正直すぎる不動産屋となった永瀬は生き残れるのか!?家を売る人、そして求める人の痛快な人間ドラマが、今始まる!」(ここより)
カミさんに言われて、自分も途中の回から見たが、このドラマもマンガが原作。日本のマンガの水準は高く、TVドラマもマンガが原作のものが多いという。
このドラマでは、ウソがつけなくなった主人公が、つい本音をペラペラと口にしてしまう。それはドラマで良いのだが、実際の社会において、口から発せられる「言葉」の重みについて、心配してしまった。
「心配」というのは、いったん口から出てしまった言葉は永遠に消えず、そして相手の心に永く生き続ける、ということである。
「言霊」という言葉がある。
「こと‐だま【言霊】
言葉に宿る霊の意。古代の日本人は言葉に宿る霊力が,言語表現の内容を現実に実現することがあると信じていた。言霊の信仰によって言葉を積極的に使って言霊をはたらかせようとする考えと,言葉の使用をつつしんだり避けたりする考えとの二つの面がある。日本では和歌において言霊の思想がうけつがれ,のちの時代にまで影響を与えた。」(ここより)
自分も言葉には命が宿っているような気がする。・・・と言うのは、昔自分に対して発せられた言葉が、いまだに忘れられず、自分の心を永く傷付けている事があるから・・・
現役時代、自分の部下だった男がいる。自分が退職した(子会社に移った)後、いわゆるその後エラくなったその男と会ったとき、人前で「・・・」と言われた。上から目線で、自分の現役時代の業績について評した言葉。その言葉が今でも自分の心から消えず、時々思い出しては苦々しい心の澱(おり)になっている。
当時、いわゆる天狗になっていたその男は、その後それなりの処遇になったが、でもその時に発した言葉は消えない。もちろん、自分の発した言葉が、どれだけ相手を傷付けていたか、本人は知らない。
先の「正直不動産」というドラマで、ウソがつけなくなって発した主人公の暴言の数々。それらは、まさにその時の正直な気持ちだろう。しかし、その正直な言葉が、どれだけ相手を傷付けているか・・・。それらの暴言が、時間と共にお互い忘れて、元の平和な関係に戻ることが出来るのか?はなはだ疑問が残った。
デール・カーネギー「人を動かす」に「誤りを指摘しない」というのがある。(ここ)
「面子をうしなわせない」というのもある。曰く「「相手の面子を立てる!これは大切なことだ。自分の気持ちを通すために、他人の感情を踏みにじって行く。相手の自尊心などは全く考えない。人前もかまわずに、使用人や子供を叱りとばす。もう少し考えて、ひとこと二言思いやりのある言葉をかけ、相手の心情を理解してやれば、その方がはるかにうまく行くだろうに」(ここより)
ドラマ「正直不動産」を見ていて、正直に発した言葉が、両者の間で後々にどんな悪影響を及ぼしたか、後から引っ込められない言葉がどれほど怖いか、改めて心配になってしまった。
(自分もいつも暴言を発しているので、こんことを言う資格は無いのだが・・・)
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