A君の告別式~中島みゆき「この空を飛べたら」
今日(2021/12/14)は、A君の葬儀に行ってきた。昨夜が通夜だった。
このところコロナで、なかなか開けない同期5人の“コーヒー会”。
1年ぶりに開いた主催者Y君の11月のお誘いメールに、A君の奥さんから電話で「動くのも言葉もあまりできない」という連絡が来て、仲間で心配していたが、12月4日の夜に亡くなった、という連絡が来たのが、6日だった。(コロナ渦で?)葬儀などは、近親者だけで行う予定だが、コーヒー会のメンバーだけには連絡。とのこと。
それで行ってきた。
死因はたぶん脳腫瘍。その前には膀胱癌もやっており、定期的に検診も受けていたと言っていた。
自分たちが、彼の病気を知ったのは、同期会での話。振り返ると、2013年7月22日の「1年ぶりの同期会~病気自慢大会!?」(ここ)の記事で「脳の悪性リンパ腫で13時間の大手術の後、抗がん剤治療で半年間入院していたというA君」と記している。
それから言うと、たぶん発症から9年近く頑張ったことになる。その後、20回近いコーヒー会をやったが、いつもガンで悩んでいる風も無く、ケロリとしていた。
昨夜の通夜は、元通っていた会社の近くの良く知った斎場。豪華な花の祭壇で、A君が笑っていた。親戚の人が多く、知人関係は10人ほど。焼香が終わった後、寿司の折り詰めを渡されて帰宅。その折り詰めを開けてビックリ。新宿の老舗の折り詰めで、その豪勢なこと。
今は、治まっているとは言え、コロナ渦。通夜振る舞いもかなわず、このような形にしたのだろう。
そして今日は告別式。通夜に行った4人のうち、2人は元々計画されていたゴルフ会があり、「ゴルフが大好きなA君なので、許してくれるだろう。ゴルフ場で冥福を祈るよ」と欠席。それでY君と2人で行ってきた。天気予報外れの雨模様。まさに涙雨である。
胡蝶蘭はじめ祭壇のお花があまりに豪勢なので、「まさか造花じゃ無いよね」なんてささやいていたが、やはりホンモノだった!!
お棺の中は皆で入れたお花であふれ、A君は花に埋もれて出棺。
それにしても、奥さんの喪主挨拶は痛々しかった。
それまで毅然と振る舞っていたように見えたが、挨拶では涙が止まらず、なかなか言葉にならなかった。
Y君の話によると、小学校以来の同級生だったというお二人。24歳での結婚というので、同期では相当に早かった。以来50年。
「ガンが分かって直ぐにお墓を買ったよ」と言っていたA君。
いくら予期されていたとは言え、奥さんも感極まったのかも・・・
帰りに送って行った車の中で、Y君と話した。
「奥さんに呼んで貰って良かった。亡くなって葬儀も終わりました。ではあまりに寂しいよね」
「今度のコーヒー会は、四十九日が終わったら、皆で一緒に歩いて、彼の菩提寺にお墓参りに行こう」「それが良い」
前にも書いたが、永六輔の言葉。
「人って言うのは二度死ぬんだよ。
個体が潰えたら一度目の死。
そこから先、まだ生きているんだ。
死んでも、誰かが自分のことを思ってくれている。
誰かが、自分のことを記憶に残している、時折語ってくれる。
これがある限りは、生きている。
そして、この世界中で、誰一人として自分のことを覚えている人がいなくなったとき、二度目の死を迎えて人は死ぬんだよ。」(ここより)
家族の記憶には当然A君は残る。そして入社50年余を経た雑談会の我がコーヒー会でも、A君がひとり欠けたとは言え、それが続く限りA君の記憶は残るだろう。そこでも彼は生き続ける。
話は飛ぶが、さっき居間に降りて行ったら、カミさんがPCで「この空を飛べたら」を聞いていた。
それでふと思い出した。前に我が家でコーヒー会をやったときに、皆からさんざん言われて仕方なく、他人は入れない自分の部屋に一人ずつ呼んで、ご自慢の30万円のヘッドホンで音楽を聞かせたことがあった。A君の番になったとき「聞きたい歌は?」と聞いたら、中島みゆきの「糸」だという。その時はかけたが、どうも自分はこの歌は好きではない。
それで、付録に中島みゆきの「この空を飛べたら」を聞こう。空に飛んで行ったA君を偲んで・・・?
<中島みゆきの「この空を飛べたら」>
「この空を飛べたら」
作詞・作曲:中島みゆき
空を飛ぼうなんて 悲しい話を
いつまで考えて いるのさ
あの人が突然 戻ったらなんて
いつまで考えて いるのさ
暗い土の上に 叩きつけられても
こりもせずに 空を見ている
凍るような声で 別れを言われても
こりもせずに 信じてる 信じてる
ああ人は 昔々
鳥だったのかもしれないね
こんなにも こんなにも
空が恋しい
飛べる筈のない空 みんなわかっていて
今日も走ってゆく 走ってく
戻るはずのない人 私わかっていて
今日も待っている 待っている
この空を飛べたら 冷たいあの人も
やさしくなるような 気がして
この空を飛べたら 消えた何もかもが
帰って来るようで 走るよ
ああ人は 昔々
鳥だったのかもしれないね
こんなにも こんなにも
空が恋しい
ああ人は 昔々
鳥だったのかもしれないね
こんなにも こんなにも
空が恋しい
ついでに?定番の加藤登紀子盤も聞いてみよう。
<加藤登紀子の「この空を飛べたら」>
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