さだまさしと山口百恵の「秋桜」
毎週、どうもこの記事が気になる。朝日新聞(土)beの「今こそ!聴きたい」シリーズである。今週はさだまさし。
「(今こそ!聴きたい)さだまさし 思い出す、今は遠い「あなた」
日本を代表するシンガー・ソングライター、さだまさしさん(69)は1970年代から数多くの名曲を生み出し、先日はソロコンサート4500回を達成しました。さらに小説家やテレビ・ラジオの進行役、ボランティアなど、精力的な活動でも知られます。さて、あなたの心に残る作品は。 1位は74年、シングルレコードで発売された「精霊(しょうろう)流し」。73年にフォークデュオ「グレープ」でデビューしてから初めてヒットした、いわば原点といえる作品だ。前奏のバイオリンの旋律に哀愁が漂う。
兵庫の女性(75)は11歳の時、母親が他界した。「初盆に、近くの海で供物を乗せた小舟を流す『おしょれいさん』をした。ろうそくの火が波間に消えていくのを父と見送り、私は泣いた。悲しい風習とあの時のやるせなさを思い出す」
東京の男性(80)は、「若い頃、銀座のバーでこの曲が流れ、ホステスが『今日は恋人の命日だが一人で墓に行きたくない』と言った。酔いも手伝って夜中タクシーで雑司が谷へ。一緒にお参りし、そこで彼女と別れた。夢のような出来事だった」。
4位「無縁坂」、13位「縁切寺(えんきりでら)」、19位「フレディもしくは三教街」。グレープ時代の作品の人気は根強く、「曲の中に濃密な小説が含まれ、短調のメロディーと弦楽器の哀調がよく似合う」(東京、57歳女性)と絶賛する人も。76年に解散した。
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翌77年、ソロになってからヒットしたのが7位の「雨やどり」。雨の日に出会ったそそっかしい「彼」への恋心を、家族仲の良い若い女性の目線で歌った。当時珍しい、コンサート会場で収録したシングルに観客の笑い声が交じる。「『精霊流し』との世界観、曲調の違いにびっくり」(東京、61歳男性)とファンに衝撃を与えた半面、新たな層を開拓した。東京の女性(35)は幼稚園時代、車で送迎してくれる母の愛聴曲で、お気に入りに。「『ちょうだいませませ』のフレーズが面白おかしくて。ちゃめっ気とユーモアたっぷりのストーリー。今でも時々、無性に聴きたくなる」
79年、今回3位の「関白宣言」が登場した。ミリオンセラーを記録する一方、「女性蔑視」「男尊女卑」とも批判され、賛否両論を巻き起こす。ジェンダーレスが進んだ今も自由記述で触れた人が最多だった。
「すでに強くなったと言われる女性を相手に、若い歌手がよくも男の気持ちをうたってくれたと感心した」(大阪、84歳男性)、「結婚直前の発表時には言われたい言葉もあったが、数年後には『育児・仕事・家事に忙しくてやってらんない』という気持ちで口ずさんだ」(兵庫、66歳女性)、「さだまさしの代名詞的な一曲。続編ともいうべき『関白失脚』にもつながるコミカルなところが面白い」(神奈川、57歳男性)、「今の時代に合わなさすぎて、逆に今聴きたい」(奈良、55歳女性)。
親子のきずなを描いた2位の「秋桜(コスモス)」。福岡の女性(77)は「女手一つで私を大学へ行かせた母は、いつも『女一人だと思って馬鹿にして』と悔しがっていた。卒業して教員になって4年後に結婚する際、貸衣装を選んでいた母の、節くれだった手を思い出す」と振り返る。
「案山子(かかし)」は長野の女性(57)が大好きな曲だ。「あるTV番組でカズレーザーさんが『この歌は誰の目線か』とさださんに尋ねた。答えは、主人公の成長をずっと見守る『松の木』。作り手の優しさがじんわり表れていると改めて感じた」
■意地で歌った「家族」
さださんにランキングを見てもらった。開口一番、「『精霊流し』が1位か。意外ですね」。続けてトップ10のうち9曲は、20代のころに作った曲だと指摘した。
「これ、全部『家族の歌』。実はあのころ、意地になって家族の歌ばかり歌ってた。だから、これは僕の『闘争の記録』」と真顔で語り始めた。
デビュー時、世間にはまだ70年安保闘争の余波が残っていた。「ニューファミリー」「核家族」といった単語が飛び交い、親と同居しない暮らし方が広がっていった。さださんは中1で単身故郷の長崎市からバイオリン奏者を目指して上京、ずっと一人暮らしだった。本当に家族はそれでいいの? そんなメッセージを歌に込めた。
「結果、『昔へ揺り戻す価値観はけしからん!』と攻撃された。最近、孤独死が報じられるたびに思うのは、70年代から未来はこうなると皆、気付いていたはずじゃないかということ」
半世紀前さえ“古臭い”と批判された家族の歌。今も愛され、歌い継がれ、精力的に催すライブの定番だ。「僕はいまだ毎日歌い続けているので、どの曲も“懐メロ”にならない。『忘れさせない作戦』です」
ユーモアの中にサービス精神がにじむ語り口が、がらりと変わるのが自ら主導する国内外での支援活動を話す時だ。現在は公益財団法人となっている基金を2015年設立。コロナ禍の今は、介護現場のクラスターを防ぐ活動を各地で展開する。
その法人名に採用したのが9位の「風に立つライオン」だ。広島の女性(49)は「初めて聞いた時、医師になって海外へ行きたいと思った。医師は無理だったが、医療関係者として頑張っている」とつづる。
この歌のモデルは、さださんが20歳の時に出会ったアフリカ帰りの柴田紘一郎医師。楽曲の完成まで15年、その後5年がかりで小説を書き、15年に大沢たかおさん主演で映画化された。
この時初めて、さださんはケニアに降り立った。
「歌や小説を作るのに頭の中でアフリカを緻密(ちみつ)に思い描いてきたが、唯一想像できなかったのがサバンナの風。強くも弱くもなく、ずーっと続く地球の息吹のよう。旅に同行した柴田先生が『この風をまさしに味わわせたかった』と言った。でもタイトルに『風』は入っている。あぁ、神様に作らされた曲なんだと思い、幸せを感じました」
さださんの全力疾走、まだまだ続きそうだ。「有名にしてもらえて、『さだまさしが来た』と喜ぶ人がいて。今、僕を使ってもらわないともったいない」(高橋美佐子)
<調査の方法> 編集部作成のリスト36曲で10月下旬、1946人が複数回答。(11)親父の一番長い日(12)天までとどけ(13)縁切寺(14)主人公(15)つゆのあとさき(16)檸檬(れもん)(17)パンプキン・パイとシナモン・ティー(18)飛梅(とびうめ)」(2021/11/20付「朝日新聞」b2より)
改めてランキングを記すと・・・
<さだまさしBEST>
①精霊流し 1127票*
②秋桜 934票
③関白宣言 871票
④無縁坂 833票*
⑤案山子 711票
⑥北の国から 557票*
⑦雨やどり 523票
⑧道化師のソネット 455票
⑨風に立つライオン 357票*
⑩防人の歌 340票*
⑪親父の一番長い日
⑫天までとどけ
⑬縁切寺 *
⑭主人公
⑮つゆのあとさき
⑯檸檬 *
⑰パンプキン・パイとシナモン・ティー
⑱飛梅
(*は当サイトで挙げた曲)
自分の好きな「檸檬」が16位とは気にくわない・・・!?「縁切寺」も13位か・・・
おっと、定番の「秋桜」が挙げていなかった。
<さだまさしの「秋桜」>
「秋桜」
作詞・作曲:さだまさし
淡紅の秋桜が秋の日の
何気ない陽溜りに揺れている
比頃 涙脆くなった母が
庭先でひとつ咳をする
縁側でアルバムを開いては
私の幼い日の思い出を
何度も同じ話くりかえす
独言みたいに 小さな声で
こんな小春日和の穏やかな日は
あなたの優しさが浸みて来る
明日嫁ぐ私に 苦労はしても
笑い話に時が変えるよ
心配いらないと 笑った
あれこれと思い出をたどったら
いつの日もひとりではなかったと
今更乍ら 我儘な私に
唇かんでいます
明日への荷作りに手を借りて
しばらくは楽し気にいたけれど
突然涙こぼし 元気でと
何度も 何度も くりかえす母
ありがとうの言葉をかみしめながら
生きてみます 私なりに
こんな小春日和の穏やかな日は
もうすこしあなたの
子供でいさせてください
改めて歌詞を読むと、何か胸に迫る。
さだまさしの録音は色々あるが、やはり最も古い上で挙げた「私花集」の録音が自分は好き。
さだまさしも、歳を経る毎に声質が変わってきており、自分は若いときの歌声が好き。
どんな歌手も、歳と共に声は変わってくるが、あまり変わらないのが布施明。どんな訓練をしているのだろう?
変わってきた代表が加藤登紀子!? 新しい録音は、音程も不安定であまり聞く気がしない。
「秋桜」のオリジナルは山口百恵。
今日は、オリジナルの歌声に、新しい編曲の伴奏を付けた「百恵回帰」のアルバムから聞いてみよう。
<山口百恵の「秋桜」>
話は変わるが、今朝の散歩で、近くの公園に行ったとき、黄色い花がたくさん咲いていた。秋の花はコスモス!! カミさんに「これコスモスか?」と聞いたら「キンケイ菊」だって・・・。
スマホで写真を見たら、確かにこの花。
後で、コスモスの写真を見たら、色がピンクなのだ!!
相変わらず、花のセンスが無い自分ではある。
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<<付録;(毎年恒例の)当サイトのお勧め番組>>
<ザ・ベストテレビ2021>[BS1]2021年11月21日~11月26日>
「第1部」2021年11月21日(日)午前9:00〜10:29(1時間29分)BS1(101)
放送文化基金賞最優秀賞「面会報告」名古屋テレビ放送
「第2部」2021年11月22日(月)午前9:00〜10:18(1時間18分)BS1(101)
「地方の時代」映像祭グランプリ NHK ETV特集「おいでや!おやこ食堂へ」
「第3部」2021年11月23日(火)午前9:00〜10:02(1時間2分)BS1(101)
芸術祭賞「芸術の価値 舞踊家 金森穣16年の闘い」新潟放送
「第4部」2021年11月24日(水)午前9:00〜10:34(1時間34分)BS1(101)
ATP賞テレビグランプリ「プロフェッショナル 仕事の流儀 庵野秀明スペシャル」NHK
「第5部」2021年11月25日(木)午前9:00〜10:03(1時間3分)BS1(101)
民放連賞テレビ教養番組「おじさん、ありがとう~ショウとタクマと熱血和尚~」フジテレビ
「第6部」2021年11月26日(金)午前9:00〜11:00(2時間0分)BS1(101)
放送人グランプリ「レバノンからのSOS~コロナ禍 追いつめられるシリア難民~」NHK
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