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2021年11月15日 (月)

「それでも、信じる 負け続ける元裁判官」弁護士・木谷明氏の話

レコーダーの録画リストを整理していて、こんな番組を発見し?引き込まれるように見てしまった。NHK Eテレ「こころの時代」で放送された、元裁判官の弁護士・木谷明氏の話である。
NHKのサイトにはこうある。
「それでも、信じる 負け続ける元裁判官」初回放送日: 2021年9月12日

「伝説の裁判官」とよばれる木谷明さん。彼をモデルとしたマンガやドラマも制作された。被告人の話を徹底的に聞き、向き合う姿勢はいかにして生まれたか、その半生を聞く。

211115kitaniakira 無罪判決を30件以上確定させたことで知られる元裁判官、木谷明さん83歳。信念としたのは「疑わしきは罰せず」。真犯人の処罰も同時に求められる刑事裁判で、えん罪こそ最大の不正義だと被告人の話を徹底的に聞き続けた。幼少期の体験、裁判官としての姿勢を形作った先輩との出会い、被告人からの裏切りと心の交流。神ならぬ人間が、人を裁く意味とはなにか、そして、つぐなうとは。聞き手は詩人で作家の小池昌代さん。」(NHKのここより)

この番組は、(ここ)で動画が見られるが(数十秒のCMの後で)、見られなくなった時を考え、音声だけだが、下に挙げる。

<NHK「こころの時代」「それでも、信じる 負け続ける元裁判官」弁護士・木谷明>

番組でちょっと気になった部分を引く。
ググったら、この番組での発言をテキストにしたサイトがあり(ここ)、そこからのコピペである。

「黒か黒でないか?guilty(有罪) or not guiltyなんです。
最後は 証拠でね。犯人と断定するだけの確実な証拠があるかどうか。それが なければ犯人らしく思っても not guiltyですよ。
not guiltyで無罪と。
最終的にはね、そこ行くまでには揺れますよ すごく。
よくね 無実の人を処罰しないということに力を入れすぎちゃうと真犯人が逃げちゃうんじゃないかというふうに言ってね。
もっと真犯人処罰の方に力を入れるべきじゃないかと、こういうふうに 反論する人がいるんです。
つまり 真犯人を取り逃がしたこと、それは確かに好ましくないことですよ。
それは それで 社会に害毒を害悪を与えてしまうということで非常に よくないんですけど他方 無実の人を処罰しちゃうということになると無実の人に いわれなき苦痛を与えてしまうだけじゃなくて本当の真犯人は取り逃がしちゃってるんですね。
だから ただ単に真犯人を取り逃がしてしまう場合よりも格段に罪が重いというふうに思うんですね。
その考え方はもう何千年も 長い間かかってね出来上がった考え方でここは 譲れないんですよね。
これを譲っちゃうと 本当に その無実の人を処罰することになっちゃう。」

「この2年間 続けて担当しているのが窃盗症と呼ばれる 精神疾患を抱える被告人の弁護です。
アメリカの医療現場では明確な診断基準が設けられていますが日本では 十分な理解が広まらず刑罰を受けては 盗みを繰り返す人が後を絶ちません。
木谷さんは去年 前科が8回ある男性の弁護を担当しました。
しかし 裁判に敗れ男性は刑務所へと送られました。
木谷さんが 窃盗症にこだわるのには理由があります。
30代 まだ 窃盗症に関する知見が一般的でなかった頃、理由もなく 盗みを繰り返す被告人を動機不明のまま 刑務所へと送ったのです。
裁判所に提出した文書の中で自身が抱える後悔の念も書き添えています。
「あの事件は 当弁護人にとって『忘れられない若き日の苦い思い出』であり『心に突き刺さった棘』でもある」。
「しかし その判断は 一人の人間の今後の人生を決定的に左右する。まさしく 裁判所の判断いかんにかかっているのである」。」

「83歳。 今は弁護士としてお仕事を続けられている。それ なぜそんなことができてるんだろうって素朴に思ったりするんですが、ご自分の中で何か…。

まあ そう正面から聞かれると困るんですけど。
まあ一つは家内を亡くしてることがありますね。70歳の時に亡くしちゃいましたから。
老後は 家内と2人で楽しく過ごす予定だったんですよ。
だけども予定が全部 崩れちゃいましたから。
そうなったら一人で生きてくわけでしょ。
一人で生きてく場合に まあ せめてね自分が これまで やってきたことが多少とも世の中のためになるんだったらやっぱり そういう方面でやっていきたいというふうに思いますよね。
まあ 幸か不幸か 私を頼ってくれる人が若干名 おられましてね。
80を超えたら さすがに体力 知力とも衰えちゃって以前のようには動けないんですけど
まあ 多少とも役に立つのであれば残りの人生をささげていきたいというふうに思ってますよ。」

自分は知らなかったが、この方は非常に有名な方で、wikiによると「著書の『刑事裁判の心―事実認定適正化の方策』は周防正行が映画作りの参考本にし、映画『それでもボクはやってない』の前半部に出てくる人権派の裁判官は、木谷がモデルである。」とのこと。
この映画は、当サイトでも昔採りあげた(ここ)。
この映画を見た時に、日本の裁判の現状について愕然とした。そのときの発言が、この木谷弁護士だったらしい。

サンデー毎日に浸っている自分。それに引き換え、自分の信念を具体化するべく活動を続けている人も居る。
何とも、リタイア後の過ごし方の違いに、自分があまりに小さく見えた。

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コメント


ザ・ベストテレビ 2021 が、

 11.20~ 25 の午前中に、

 毎日1作品を放映するという日程である

 ことを下記ブログで知りました。

https://highlandfeet.wordpress.com/2013/09/14/%E4%BB%8A%E5%B9%B4%E3%82%82%E3%80%8C%E3%82%B6%E3%83%BB%E3%83%99%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%93%E3%80%8D2013%E3%83%89%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%83%BC/

投稿: かうかうkau | 2021年11月18日 (木) 16:49

 テレビ番組表で確認しました。11月21日(日)~25日(木)までは確認しました。26日(金)まで続くものと思います。

【エムズの片割れより】
情報をありがとうございました。
さっそく予約しました。
ずっと「ザベストテレビ2021」と検索していたのですが、今まで引っ掛かりませんでした。
やっとオープンになりましたか・・・
しかも今年はBSプレミアムでなく、BS1での放送ですね。
いやはや危ない危ない!!
BS1だけは常時録画をしていないので、見逃せばアウトでした!
ありがとうございました!!

投稿: かうかう | 2021年11月18日 (木) 17:14

「ザ・ベストラジオ2021」 NHK-FM

 12月20日(月)~12月21日(火)

に放送されることを下記ブログで知りました。
  https://www.hbf.or.jp/info/article/2021-11-30

【エムズの片割れより】
情報ありがとうございます。
さっそく予約しま~す。

投稿: かうかう | 2021年12月10日 (金) 18:13

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