家電品の「物損延長保証」で、送った製品が没収される!?
いやはや、延長保証でこんなルールがあるとは・・・。知らぬが仏とは言え、知らなかった!!
先日、SONYのウォークマンが故障した。SDカードの接触不良である。SDカードを抜き差しすると直るのだが、5年保証に入っている事を思い出し、修理に出すことにした。
そして、修理品を送ってから1週間。保証会社から電話がかかってきてこう言う。
・SONYに修理に出した所、液体混入による腐食があり、『修理不能』の判定だった。
・自然故障ではなく物損故障。よって限度額は4年目なので5950円。そこから免責金額を3000円引いて、残りが3000円未満なので支払額はゼロ。
・預かった製品は、当社で処分します。
つまり、動いてはいるので、接触不良だけ直して貰おうと製品を送ったら、直らないだけで無く、送った製品も“没収”されて「オシマイ」とのこと。
ン??
保証会社は「アルファバリュー」という会社(ここ)。規程に、こんなルールがあり、上の処理になるという。それで改めてHPや規程を見た。
入っていたのは「家電5年物損付延長保証」。HP(ここ)にはこうある。
「家電5年物損付延長保証
家電5年物損付延長保証は、自然故障の保証に加え、偶然の落下・破損・水濡れ等の物理的故障にも対応した保証サービスです。
※自然故障:対象商品の取扱説明書および本体貼り付けラベル等の注意書きに従った正常な使用状態での故障
※物損故障:破損、落下、水濡れ、火災、落雷、雪災、風災等の事故による故障」
今回の故障は物損。
「【物損について】
物損故障の場合、保証上限金額が経年にて上図のように低減していきます。
1回の修理費用が保証上限金額を超過する場合、もしくは修理不可と判断した場合は全損扱いとなり、補償金の支払をもって、修理に代えるものとします。ただし、1年目のみ、同品(新品)提供とさせていただく場合があります。補償金が支払われた場合や同品提供が行われた場合、本保証は終了となります。
【免責について】
自然故障において、無償修理や代替品提供が行われた場合の免責はございません。
物損故障において、全損扱いとされた場合は免責金3,000円(税込)を補償金より差し引いてお支払いたします。」
残りの2900円なにがしは、支払われるのかと思ったら、3000円未満なので支払わないという。根拠をたずねると、規程に書いてあるとのこと。
「第5条 (代替品)
・・・
3. 物損において、前項の代替品提供が困難な場合、又は、本サービスによる 1 回の修理見積価格が物損基本保証限度額または物損保証限度額を超過する場合や、修理が不可能な場合(メーカーによる部品供給不可等の理由を含むがこれに限りません。)は修理不能の損失保証として、加入者に対し所定の方法により補償金(以下「補償金」という。)が支払われるものとし、これをもって修理に代えるものとします。なお、補償金額は、4 条 2 項に定める保証限度額から免責として 3,000 円を差し引いた金額とし、補償金額が 3,000 円未満の場合、補償金の支払は行われません。」(ここ)
なるほど、確かに3000円未満は支払わないと書いてある。しかし、HPにはそんな事は書いていない。(まあ都合の悪いことはHPに載せないのは通例だが・・・)
それでは、何で送った製品が戻らない??
これも規程に書いてあるとのこと。
「第7条 (サービスの依頼)
・・・
7. 保証修理を行う際に交換した部品および、第 5 条が適用され場合の修理依頼品の所有権は当社に移転するものとし、所有権の移転後は理由の如何にかかわらず、本サービス加入機器の返却義務を一切負わず、これを当社が任意に処分する事について、加入者は事前に同意するものとします。」だって。
修理を依頼したときに送られてきた「修理受付票 兼 同意書」にも、良く読んでみると書いてある。
「どちらの場合も、故障品(お預かりの付属品を含む)のご返却は行いません。同意いただけない場合は修理ができません。」だって・・・。
これもHPには書いていない。電話で修理依頼をしたときにも、話は出なかった。これも都合の悪いことは表に書かない、いつもの例。
まあウォークマンは小さいが、大きな製品となると、返却しても動作しないのなら不要。というユーザーも居るのだろうが、一律に「返却しない」というのは乱暴では?
改めて費用について勉強してみた。
SONYに直接修理を頼んだ場合、ウォークマンの修理費は、
「修理目安料金 14,300円(税込)以上
※製品拝見後、修理料金が上記金額を上回る場合は、お見積もりをご案内いたします」
とある。
アルファバリューに聞くと、SONYへの修理依頼は、特に前提条件なしに、修理依頼をしているとのこと。そして、自然故障の場合は、購入金額以下なのでOKだが、物損の場合は、4年目なので保証上限金額は購入の30%(約5,900円強)。
1年未満は100%保証なので修理が出来るが、1 年以上 2 年未満は50%(保証上限金額は約1万円<修理費14,300円以上)なので、1年を超えると保証上限金額を超えてしまう事が分かった。つまり2年以上の物損は全損扱い。
よって、今回の物損の5年保証は意味が無いことが分かった。
それにしても、SONYの対応も良く分からない。幾ら液体混入としても、部品を交換すれば直るはず。例え全部品交換としても・・・
でも判定は「修理不能」という門前払い。
「修理に**円かかるが、修理しますか?」という返答なら分かるが、不親切!?
たまたま今回は「接触不良があるが、まだ動いている製品を、付属品のSDカードを含め“没収”されるのはおかしい」と言って、製品だけは戻して貰うことにしたが、今後は物損の保証は付けないことにしよう。(電話をしてきた女性の対応は親切で良かったが・・・)
どうも原因は雨水の浸入のようだが、物損保証について、長期保証が意味の無いことがあり得ることと、直らない場合は送った修理品が戻らないことが分かり、良い勉強になった。
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コメント
いやはや、大変なことでしたね(笑)
物損補償があやうく製品全てが没になりかけた
とは・・・・。
小生は2年前にドラム型洗濯機が動かなくなり
延長補償(5年)で無事修理できました。
モーター・制御基盤取替えで結構金額が掛かったと思いますが、無料!
まあ、メーカーの(修理する)やる気でしょうね。
【エムズの片割れより】
自然故障と物損故障の違いは大きいですね。
家にある家電品は、ほとんど自然故障なので長期でも保証が効きますが、物損故障は「こわした」ので、保証が厳しいですね。
携帯の機器は「こわれた」よりも「こわした」方が多いので、これからは自然故障のみの保証にします。
投稿: Sugimoto | 2021年9月 9日 (木) 09:38
なるほど、自然故障と物損故障の違いは大きいですね。
ためになりました。ありがとうございます。
投稿: 杉ちゃん | 2021年9月 9日 (木) 22:04