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2020年11月 9日 (月)

「積ん読」自分流に!?

先日の朝日新聞にこんな社説があった。
「(社説)積ん読の勧め 肩の力抜いて自分流に
 春先からのステイホームで「読書をする時間ができた」と意気込んで買った本が、そのまま「積(つ)ん読」になっている人も多いのではないか。

 読書週間は今月9日まで。気になりながら手に取れていない本。ページを開いたものの途中で挫折してしまった本。きちんと読んだはずなのに内容を思い出せない本。読書の悩みは尽きることがない。

 そんな人たちの肩の荷を下ろしてくれそうなのが、春に刊行された「積読(つんどく)こそが完全な読書術である」だ。

 著者で書評家の永田希(のぞみ)さんは「読書は本来すべて不完全なもの。やましさを感じる必要はない」と説く。積ん読の効能は、負け惜しみのようなものも含めてときおり耳にするが、ここまで堂々と主張されると何とも心強い。

 どんなにまじめに読んだとしても、読み落としや記憶違い、記憶の欠落は避けられない。実質的にはすべての読書が拾い読みや曲解でしかない。だから、本を積んだまま眺めたり、書評だけを読んだり、本を読んだ人に感想を聞いたりするだけでも、立派な読書活動の一つといえるのだ――と。

 電子書籍も変わりはない。題名や内容を見聞きしたり、関心を持ったりした時点で読書はすでに始まっているという。

 そう考えると、だいぶ気が楽になる。今年の読書週間の標語は「ラストページまで駆け抜けて」だが、最後までたどり着くことにこだわる必要はないかもしれない。文字どおり「駆け抜け」て、ざっと読むことにも意味はありそうだ。

 言葉をかみしめながらページをめくる醍醐(だいご)味は、それはそれとして大切にしつつ、そのときどきの気分に身をゆだね、自分流で本と対話したい。

 それでも読んだ内容を忘れてしまうのは情けないし、時間を返してと言いたくなる。そう思う人にはこんな一節を。

 今年の英ブッカー国際賞の最終候補に残った小説「密(ひそ)やかな結晶」で、著者の小川洋子さんが、記憶の消滅が起きる架空の島に生きる登場人物に語らせている言葉だ。

 「(記憶は)姿を消したように見えても、どこかに余韻が残っているんだ。小さな種のようなものだ。何かの拍子にそこへ雨が吹き込むと、また双葉が出てくる。それにたとえ記憶がなくなっても、心が何かをとどめている場合もある。震えや痛みや喜びや涙をね」

 心の奥底に沈んだ本の記憶も、いつかひょっこりと顔を出してくれるかもしれない。そんな思いがけない再会もまた、読書の楽しみだろう。」2020/11/07付「朝日新聞」社説より)

今年の読書週間の標語は「ラストページまで駆け抜けて」なんだって・・・
そもそも読書週間なるものに、自分はあまり興味が無いが、最後まで読め!という掛け声には少々ウンザリする。他人に言われたくないな・・・。
というのも、案の定、今読んでいる「吾輩は猫である」に苦戦中なので・・・

前にも書いた事があるが「積ん読」といえば、24年前に亡くなった親父の趣味が「積ん読」だった。もっとも、これは本人に聞いたわけでは無く、よく本を買ってきては積んであるので、どうせ読んでいないだろう・・・と家族が勝手にそう思っていただけ。
また週刊誌好きで、毎週、新潮・文春・ポスト・現代の4種の週刊誌を取っていたので、帰省した時は、ヒマ潰しに自分たちも読んだもの。

上の記事を読むと、読んだ本は内容を覚えているのが正常らしいが、自分ははなはだ疑問。つまり、同じ本を2度目読んでも新鮮なのである。漱石も同じ。漠然とスジは覚えているものの、細部はもちろん覚えていない。
そもそも読書で、いわゆる精読するのは、教科書に載っている小説や、受験の時に出される時くらいでは?
我々のような、ヒマ潰し読書は、読み飛ばそうが、何でも有りでは?

話はコロコロ飛ぶが、だいぶ前だが、フト思い立って、図書館で学生時代に読んだ、石川達三の「青春の蹉跌」を借りてみた。すると、地下倉庫から出て来た本は、古ぼけた文庫。紙の色は変わっているし、とても読む気にはならなかった。と同時に、もう過去の本になってしまったのかと寂しく思った。(もっとも、Amazonで検索すると、新品の文庫がまだ売っていた)

北海道で、またコロナ感染者が増えているという。気温が下がると東京も同様になるだろう。自分の場合、趣味のオーディオが、耳が壊れてダメなので、あとは読書かTVくらいしかない。
本は幾らでもある。この隠り生活のなか、積ん読も含めて、読書にうつつを抜かすのも一興かもね。

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<<付録;(毎年恒例の)当サイトのお勧め番組>>

<ザ・ベストテレビ2020>[BSプレミアム]2020年11月09日~11月13日

「第一部」2020年11月9日(月) 午後3:00~午後6:00(180分)
・午後3時5分ごろ~ATP賞「おじさん、ありがとう~子供たちへ 熱血和尚の遺言~」BSフジ/バンエイト
・午後4時59分ごろ~「地方の時代」映像祭賞 「海を洗う~果てしなき機雷戦~」山口朝日放送

「第二部」2020年11月10日(火) 午後2:41~午後4:39(118分)
・午後2時44分ごろ〜芸術祭賞 BS1スペシャル「ボルトとダシャ〜マンホールチルドレン 20年の軌跡〜」NHK/えふぶんの壱

「第三部」2020年11月11日(水) 午後3:11~午後4:19(68分)
・午後3時14分ごろ~ 放送文化基金賞「なかったことに、したかった。未成年の性被害1」「なかったことに、できない。性被害2回復への道は」日本テレビ放送網

「第四部」2020年11月12日(木) 午後3:34~午後5:44(130分)
・午後3時39分~「聖職のゆくえ~働き方改革元年~」福井テレビジョン放送
・午後4時43分~「想画と綴り方~戦争が奪った子どもたちの“心”~」山形放送

「第五部」2020年11月13日(金) 午後2:52~午後4:01(69分)
・午後2時58分ごろ~「カネのない宇宙人 閉鎖危機に揺れる野辺山観測所」テレビ信州

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