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2020年11月 2日 (月)

日本女声合唱団の「小さな手」と「石臼の歌」

今日は、女声合唱の歌から「小さな手」と「石臼の歌」の紹介である。

<日本女声合唱団の「小さな手>

「小さな手」
 作詞:宮本正清
 作曲:中田喜直

小さな手
5月の真昼の光に
さしのべられた
小さな手
深いやみの大地から
小首をもたげ
ただ大空にあこがれる
若柳のかよわい芽
言葉をもたねば
かれら幼いもの
ひたすらに手をさしのぶ


<日本女声合唱団の「石臼の歌」>

「石臼の歌」
 作詞:壺田花子
 作曲:中田喜直

秋の日を 輪廻の手臼押し回し
しらじらと
わが悲しみは降りつもる
散りなずむ粉よ
しばらくは静けき重昧に耐えかねし
しらじらと
わが悲しみを押しひしぐ
ついに輪廻の力及ばざる
さからうことの及ばざる
めぐり合うともすぐ別れにて
この秋は風肌につらからん
しらじらと
散りなずむ粉にまみれては
音立てて手臼曳きつつ
わがひとり嘆き歌える

201102nihonjyosei1_20201102222001  何とも静かなこの2つの歌は、昔に買った日本女声合唱団のLP「中田喜直女声合唱曲集」(SKK149)からである。このLPは1965年の発売であり。メモを見ると自分は昭和46年8月に買っている。なお、残念ながら、これらの音源はCD化はされていないようである。

自分は女声合唱の歌が好きであるが、この日本女声合唱団は、どうも現在は存在しないらしい。LPの解説にはこうある。

日本女声合唱団について
201102nihonjyosei2_20201102221601 日本女声合唱団は、横浜市にあるフェリス女学院短期大学音楽科の卒業生を中心にして、1954年の秋に創設された。以来、三宅洋一郎教授のもとに地道な研究を重ね、典雅な雰囲気をもつ独特のハ-モニーを作り出すことに成功した。
その活動は、決してはなやかではないが、すでに回を重ねた定期演奏会においては、充実したプログラムをもって着実に成果をあげ、近年とみに高い評価を受けている。また年に定期演奏会とクリスマス・コンサートをもつほかに、数々の演奏会、北九州・中国・名古屋・沖繩方面への演奏旅行、およびNHKをはしめとした放送、テレビ、レコードなどに活躍しており、レコードはすでに、LP(ステレオ)、ソノシートなど、数々のものを吹き込み、芸術祭奨励賞を受けたことがあり、それらのものを通して、数々のすぐれた作品や、内外の新しい作品の紹介につとめている。
わが国の合唱界において、。女声合唱団の数は非常に少なく、その活動もきわめて限定されたものになりがちだが、その中にあって、純芸術的な活動を行ない得る唯一の存在として、その将来性を期待することができる。常に多面的なレパートリーの拡充を心がけており、中田喜直氏をはじめ、邦人作品の演奏については、他の追従を許さぬものがある。
最初、この女声合唱団は「フェリス女声合唱団」の名で出発し、親しまれてきたが、10年を期して、より大きく発展すべく、「日本女声合唱団」と改名した。」

そしてwikiによると「三宅が1994年に死去した後に解散した」とある。

合唱団は、指揮者(指導者)が非常に重要。よって、指導者が亡くなることで、解散は、仕方が無いのかも知れない。
しかし、いったん録音された作品は、ずっと後世に残る・・・。
静かな秋の夜長には、こんな歌が似合うのかも知れない。

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コメント

美しい合唱をありがとうございます。
コーラスをしている時に写真に書いてある「音楽之友社 1」の本を使いました。
♪ぶらんこ・・・♪ねむの花 までの11曲が載っています。

歌を少しでも覚えたいなぁーと入会したのですが、
地元の文化祭、敬老会は勿論、NHK(ローカル) 全国大会、
地元のテレビ局と参加するのが目的の先生でした。
♪夏の思い出 等は良いのですが、組曲となると背伸びをしていました。
会員も目的が違うと言う人もあり、役を終えた会員から脱会していました。
でも今となっては懐かしいです。また少しずつ聴かせて下さいね。

前に居た所は子どもがうるさい中、数学の先生が土曜日の午後に集会所で、
アコーディオンの伴奏で教えて下さり楽しかったです。

【エムズの片割れより】
こんな美しい曲を眠らせるのは惜しいですよね。

投稿: なち | 2020年11月 4日 (水) 12:42

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