男声合唱で歌いたかった曲「月光とピエロ」
自分は、大学2年の1年間だけ、男声合唱団のサークルに籍を置いていた。その後、色々な事情から脱退したが、歌うことは止めても聞くことは続けていた。
それ以来、色々な合唱曲を聴いた。そして、自分で最も歌いたかった曲が、堀口大学作詞、清水脩作曲の合唱組曲「月光とピエロ」だった。
先日、作曲者自らが指揮棒を振った音源を手に入れた。歌うのは、東京混声合唱団と二期会合唱団の男声である。
<清水脩・作曲/指揮 東京混声・二期会の「月光とピエロ」>
男声合唱組曲「月光とピエロ」
作詞:堀口大学
作曲:清水 脩
Ⅰ 月 夜
月の光の照る辻に
ピエロさびしく立ちにけり
ピエロの姿白ければ
月の光に濡れにけり
あたりしみじみ見まわせど
コロンビイヌの影もなし
あまりに事のかなしさに
ピエロは涙ながしけり
Ⅱ 秋のピエロ
泣き笑いしてわがピエロ
秋じゃ! 秋じゃ! と歌うなり
O(オー)の形の口をして
秋じゃ! 秋じゃ! と歌うなり
月のようなる白粉の
顔が涙を流すなり
身すぎ世すぎの是非もなく
おどけたれどもわがピエロ
秋はしみじみ身に滲みて
真実なみだを流すなり
Ⅲ ピ エ ロ
ピエロの白さ!身のつらさ!
ピエロの顔は 真白け!
白くあかるく 見ゆれども
ピエロの顔は さびしかり!
ピエロは 月の光なり!
白くあかるく 見ゆれども
月の光は さびしかり!
Ⅳ ピエロの嘆き
かなしからずや身はピエロ、
月の孀(やもめ)の父無児!
月はみ空に身はここに
身すぎ世すぎの泣き笑い!
Ⅴ 月光とピエロとピエレットの唐草模様
月の光に照らされ
ピエロ、ピエレット
踊りけり ピエロ ピエレット
月の光に照らされて
ピエロ ピエレット
歌いけり ピエロ ピエレット
踊りけり ピエロ ピエレット
歌いけり ピエロ ピエレット
踊りけり 歌いけり
ピエロ ピエレット
ピエロ ピエレット
月の光に照らされて
ピエロ ピエレット ピエロ ピエレット
月の光に照らされて
この曲について、wikiにはこう解説がある。
「合唱組曲「月光とピエロ」
清水は第1回全日本合唱コンクール(1948年)の課題曲公募に際し、詩集の中から「秋のピエロ」を選び、単曲の男声合唱曲として作曲し応募した。結果、課題曲として採択される。清水は長期留学の経験はないものの、大阪外国語大学フランス語科を卒業していてフランス語が堪能であり、広くヨーロッパの文化に精通していたことから、堀口の代表作『月下の一群』をはじめとする訳詩集にも触れていた。
「秋のピエロ」が好評を得たことにより、のちに清水は、詩集から4編の詩を選び、「秋のピエロ」も加えた全5曲の男声合唱曲を作曲する。このとき連作歌曲様式を採用したことが、日本のみならず世界初の「合唱組曲」となった。1949年に清水自らの指揮で東京男声合唱団によって初演した。のちに混声合唱にも編曲されている。
ヨーロッパの悲恋を題材としながらも、曲自体は日本の伝統的な音階を基調にして作曲されていて、これにより日本の合唱愛好家に広く受け入れられ今日まで長く演奏され続けている。」(wikiより)
とにかく、男声合唱組曲のシンボル的な曲のため、Net上にも解説が多いので、ここでは記さない。
死ぬまでに、聞くだけで無く、一度で良いからベースのパートで歌ってみたかった1曲ではある。
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