馳 星周:著「少年と犬」を読む
第163回 直木賞受賞作だという馳 星周:著「少年と犬」を読んだ。
このところ、山本周五郎の文庫本ばかり読んでいたので、単行本を読んだのは久しぶり。いわば、カミさんからの押し付け?で読んだのだが、なかなか良かった。
Amazonのサイトにはこんな紹介がある。 「内容(「BOOK」データベースより)
家族のために犯罪に手を染めた男。拾った犬は男の守り神になった―男と犬。仲間割れを起こした窃盗団の男は、守り神の犬を連れて故国を目指す―泥棒と犬。壊れかけた夫婦は、その犬をそれぞれ別の名前で呼んでいた―夫婦と犬。体を売って男に貢ぐ女。どん底の人生で女に温もりを与えたのは犬だった―娼婦と犬。老猟師の死期を知っていたかのように、その犬はやってきた―老人と犬。震災のショックで心を閉ざした少年は、その犬を見て微笑んだ―少年と犬。犬を愛する人に贈る感涙作。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
馳 星周(はせ せいしゅう)
1965年、北海道生まれ。横浜市立大学卒業。出版社勤務、書評家などを経て、96年『不夜城』で小説家デビュー。同作で吉川英治文学新人賞、日本冒険小説協会大賞を受賞。98年『鎮魂歌 不夜城2』で日本推理作家協会賞、99年『漂流街』で大藪春彦賞受賞。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)」(Amazonより)
カミさんは、朝日新聞の「読書」欄で知ったらしい。
直木賞にも、芥川賞にも縁が無い自分は、そもそも馳 星周という名さえ読めない。「はせ せいしゅう」と読むんだそうだ。
6つの短編からなる作品だが、読み始めると、すっと引き込まれる。そして最後に種明かし。
我が家にも犬はいるが、こんなに賢くは無い。そして、こんな忠犬でも無い。
そんな我が家の駄犬とは違う、ちょっと信じられない犬の、旅する能力が描かれているが、本当にそんな能力があるのかどうかは分からない。唐突な感じもする。
そして、「死」がまとわりつく。決して犬のせいではないのだが、縁ある人たちが次々に死んで行く。この犬は疫病神か?とも思った。
ともあれ、最後の短編を読み終えて、何かホッとした。
今読んでいる山本周五郎の文庫も、全64冊中34冊を読み終えた。あと半分・・・。
もう意地になって読んでいる?山本周五郎を卒業したら、少し自由に流行の単行本を読むのもアリかもね。でも、何を読むか、探すのが大変そう・・・
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