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2020年2月21日 (金)

「バレンタインには手紙を」

旧聞に属するが、先日の(自分の大嫌いな)バレンタインデーの天声人語。
「バレンタインデーには大切な人に手紙を――。日本製紙連合会がそう呼びかけて10年目を迎えた。紙に自筆で思いをつづる企画に昨年は最多の1万2千通が寄せられた。近年の秀作を紹介したい▼「そんなに電話かけてくるなよ。仕送りそんなにいらないって。心配しなくても、ちゃんと寝てるよ。いつも素っ気なく返しちゃうけど、今日くらい言っておくわ。いつも、ありがとう」。実家の母に言葉を贈ったのは埼玉県の22歳男性。大学生だろうか▼滋賀県の53歳男性は妻に一筆したためる。「病気って何であるんやろ? 夫婦が仲良くなるためやろな。お互い字を書くのもムズイのに手紙って何であるんやろ」と問いかける。「病気に負けずに相手を愛せってことやろな。だから、がんばって書きました」。闘病を通じ、いたわり合う姿が浮かぶ▼幼稚園児の手紙もある。鹿児島県の5歳女児は「パパへままへ みさき、もうすぐいちねんせいになるよ。いちねんせいになってもちょっとだけだっこしてね」。ひらがなが思いを運ぶ▼当方の一押しはこれ。「中学校教室の1番後ろの席。こっそり机の中で手をつないだこと覚えていますか? 思いを伝えられぬまま、ハタチになってしまいました。さよなら。私の青いハル」。甘酸っぱい記憶がふいによみがえる。書いたのは、埼玉県の20歳女性▼面と向かって「言う」には照れてしまう。SNSで「打つ」には長すぎる。そんな微妙な思いも、「書く」ことでしっかり伝えられる。」(2020/02/14付「朝日新聞」天声人語より)

なるほど・・・。日本製紙連合会なので“手紙”か・・・
今の“メール”を手紙とカウントしないとすると、本当に郵便の手紙は書かなくなった。自分は悪筆のため、電子メール一辺倒。しかしウチのカミさんは、今でもせっせと手紙を出している。まあ筆に自信があるのだろう。メールと違って、手紙には意味があるというが・・・

手紙という文字を見て、色々な思い出が頭をよぎる。大学1年の時、初めて親元を離れて下宿をした。4畳半の部屋に、布団と行李ひとつのスタートだった。間借り賃が確か3千円。たぶん毎月7千円位の仕送りがあったと記憶している。現金書留が届いても、着いたという返事は書かなかった。
帰省したとき、お袋が言った。「着いた」位の返事はしろと・・・。書留なので届くのは当然、と思っていたが、お袋からみると、返事(=手紙)の意味が違っていたらしい。

上の天声人語に挙げている例を見ると、手紙は心に訴える魔力があるようだ。会話では、一瞬で消えて行く言葉が、手紙の言葉は相手の心に突き刺さる。そんな重みがあるようだ。まさに言霊(ことだま)。

話は変わるが、昨夜(2020/02/20)のTV朝日の「報道ステーション」。クルーズ船から降りた人のエピソードを放送していた。その中で62歳の元医師。31年間医師として働いていたが、去年リタイアし、妻へのねぎらいを兼ねクルーズ船へ。
200221cruise1 「本当は楽しく終わる予定だったんですけど、大変な事態になりましたね。1ヶ月近くずっと女房と一緒に一つの部屋で寝起きすることがなかったので、それまで色々夫婦の間で行き違いもあったんだけど、お互いよく話し合う時間がいっぱい持てて結局仲直りしました」
この話は、カミさんに受けたので、タイムシフトでその場面を再生してあげた。

人と人とのコミュニケーションはなかなか難しい。親子はもちろん、夫婦間でも・・・
もちろん、日常の会話が主だが、会話が響かないときは、肉筆の手紙に訴えることもアリかも・・・
よくカミさんが言う。「知り合ってから手紙を貰ったことが無い」。確かに、手紙を書いたことは無い。まあ、手紙に書くまでもなく、日常の(ムダな)会話が多いこともあるが・・・。
天声人語を読みながら、ふと「手紙」について思いをはせてしまった。

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コメント

2日前(2月20日)かみさんが、3回目の抗癌剤治療を終えて久しぶりに帰宅した。2月18日は私達の52回目の結婚記念日で、そんなことも今頃になって気がついたけど、52年も前のことを楽しく思い出す余裕は今の私にはない。かみさんの体調が維持されて、美味しいものは美味しいと感じとれる味覚と免疫力を高める為に、しっかり食べられるようにと祈りながら、主夫業に精を出しています。
日進月歩で開発が進んでいる血液製剤のお陰で、危うく余命9ヶ月の危機から脱して白血球・赤血球の数値も今のところ正常値範囲に近いところまで回復し、定期的な検査と治療も外来で……と、いうところまで回復しましたが、この病は完治することはなく、生涯通院を続ける必要があります。

2年前の金婚式は、長男夫婦の招待で琵琶湖を見下ろす瀟洒な旅館で孫と一緒に過ごしましたが、今回は病室で二人共気付かずにすぎました。
今、思うと、退院間近のかみさんに対してねぎらいの言葉を手紙にしたためて手渡ししてあげればよかったのにな~と、メールの便宜性にのみ頼っていた昨今の己の姿を聊か自戒の念をもって眺めています。

【エムズの片割れより】
それは大変ですね。
かく言う我が家も、8ヶ月前にいわゆる難病を得て、生活が激変しました。
幸い、薬がフィットしたようで、今は小康状態。しかし治る病気ではないので、あこがれさん同様生涯病院通いです。
しかし、病院通いが出来ることが、どれほど幸せか・・・
自分も同様に一発奮起、主夫業に精を出していますが、家事はなかなか奥が深い・・・。
全自動洗濯機やルンバを買って、なるべく道具に働かせていますが、最大の難題が炊事。
ニンジンや肉を放り込むと、自動的に料理が出来る“全自動炊事器”が、Panaからでも発売されると良いのですが、無理ですかね・・・
お互い、いつまで夫婦二人で居られるか分かりませんが、今までカミさんに頼り切りのバチが当たったと思って、残された時間、看病は当然として、主夫業に精進しましょう!

投稿: あこがれ | 2020年2月22日 (土) 13:47

昔、「頭の良い女は料理が上手い」と言った女性がいましたね。男性も同じでしょうね。奥様に「俺は頭が良い」と威張っておられた?ご主人さまたち,きちんとお出来になって居られるようで、感服しています。今はコンビニもありますし、冷凍食品も随分美味しくて栄養も考えられて作られているようです。主婦もとても助かっています。良い時代だと私は思います。上手く利用されてお元気でいて下さい。ご主人に作ってあげられない奥様の哀しみも深いとおもいます。お身体お大事にと願うばかりです。明るい春が迎えられます様に。

【エムズの片割れより】
ありがとうございます。
我が家では、(この先はどうなるか分かりませんが)現在は何とか作って貰えています。
(一時は途方に暮れましたが・・・)
それにしても、毎日3度の献立を日夜考えている世の家庭のお母さんには、頭が下がります。
今まで、何十年も・・・!!

投稿: 白萩 | 2020年2月22日 (土) 21:28

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