あさみちゆきの「井の頭線」と「井の頭線・あれから」
歌の歌詞は、物語を語る。おなじ旋律で、物語の続きを描いた歌がある。あさみちゆきの「井の頭線」と「井の頭線・あれから」という歌である。
<あさみちゆきの「井の頭線」>
「井の頭線」
作詞:田久保真見
作曲:網倉一也
永福町で電車が停まる
急行の待ち合わせ
ドアが開いて 吹き抜ける風
想い出が 降りてゆく
いつもあなたは この手を引いて
急行に乗り換えた
走るように生きるあなたと
歩くように生きてた私
いつの間に いつの間に
離れてしまったの?
ひとり帰る 井の頭線で
今でも ふと 好きだと思う
下北沢の古道具屋で
風鈴をみつけたね
窓を開けても 暑かった部屋
軒先で揺れていた
ふたりこれから どうしたらいい?
聞かれても 黙ってた
打ち上げ花火 はしゃぐあなたと
線香花火 見つめる私
燃え尽きる 燃え尽きる
速さが違ったの?
ひとり帰る 井の頭線で
あなたを ふと さがしてしまう
ひとり帰る 井の頭線で
今でも そう 好きだと思う
<あさみちゆきの「井の頭線・あれから」>
「井の頭線・あれから」
作詞:田久保真見
作曲:網倉一也
明大前で途中下車して なつかしい駅の裏
古いアパート あの日のままで
カーテンが変わってた
私あれから引っ越したけど またここで暮らしてる
忘れたいと 泣いた夜も
忘れられず 目覚める朝も
少しずつ少しずつ おもいでにするだけ
ひとり帰る井の頭線で
あなたにふと 呼ばれたようで
池ノ上の踏み切り越えて 暮れなずむ街の色
窓の外には ゆれる菜の花
また春が来たんだね
浜田山から富士見ヶ丘へ 風の中あるいたの
帰りたいと 思う季節に
帰れないと わかってるから
さよならをさよならを 小さくつぶやいた
ひとり帰る 井の頭線で
あの日の空 思い出してる
今日も帰る 井の頭線で
あの日の空 思い出してる
調べてみると、「井の頭線」は2004年10月21日の発売、「井の頭線・あれから」は2005年12月16日発売だという。連続して発売された状況から、最初から続き物として企画されていたのかも知れない。
自分にとって井の頭線は、3年前まで7年間通勤で通った電車なので、どの駅も懐かしい。しかし、実際に降りたことのある駅は、永福町、明大前、下北沢くらいしかない。どの駅も、区画整理のない雑多な感じだった。それに電車も、線路に向かって家が浸食している感じで、家の軒先をかすめて通る印象が強かった。
自分は、新しいJポップ系の歌には、まったく付いて行けないが、演歌以外では、このあさちみゆきの歌はきちんと旋律がある。聞いていて心地良い。
それに引き換え、今の若い人の歌は、子どもの歌も含めて旋律が分からない。孫娘が幼稚園で歌う歌も、まさに現代の旋律。
自分にとっては、貴重なあさみちゆきの歌である。
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