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2019年10月13日 (日)

「なぜお金持ちほどファーストクラスに乗らないのか」~品と価値

ヨーロッパに旅行に行った弟夫婦が、今回の台風19号による成田空港の着陸停止のため、日本に戻れないでいる。
5日に日本を発ち、8日間の予定でドイツ、チェコ、オーストリアを回るツアー。数えると、12日に日本着の予定。つまりは、12日は台風による成田空港の着陸停止の日。これは9月の台風15号の時に、空港内に1万7千人が足止めされた教訓による措置だという。
よって、成田12日着の便は全て欠航。
JALと旅行会社が一生懸命、日本に向かう便を探し、香港まで来て1泊して帰る案を出し、何とか12日の午後、香港までは帰ってきたが、今度は、香港から成田への便が欠航で、香港で足止めとか・・・。
成田空港は、12日11時~13日6時まで着陸禁止だったので、溜まっていた旅行客が、我先にと混んでいる??
よって、弟からまだ日本に着いたという連絡は無い。

前にカミさんが友人から、異常時(欠航)の時は、ツアー金額の高い順から処置される、という話を聞いたことがあり、そんな話を思い出した。
その友人の話によると、ツアーで日本から出発する便が欠航になったとき、金額の一番高いツアー客は、直ぐに他の便に乗って出発。次に高いツアー客は、翌日の朝早く羽田から出発する便を抑え、羽田に行ってホテルに1泊して翌朝出発した。最も安いツアー客は、そのまま成田で待機し、空いた便で行くが、既に時間がだいぶん経ってしまい、予定の観光地を幾つかパスするしか無く、「ツアーを止めますか?」との判断を迫られたとか・・・
つまり、旅行は金次第・・・(ちなみに、カミさんの友人は羽田で1泊して出発したとか)

そんな話から、こんな記事を思い出した。
なぜお金持ちほどファーストクラスに乗らないのか。お金持ちの「お金の使い方」とは

「お金持ちとなれば、旅行へ行く時にファーストクラスなんて当たり前のように乗りこなすのだろう」と思っていないでしょうか? しかし、多くの人の想像と実態の姿は往々にして異なるのが常なるものなのです。
今回は筆者の実体験、お金持ちの知り合いの話を交えてお話をします。

まずは金額の違いを見てみよう
航空会社によっては、ファーストクラスの更に上位の「スイートクラス」「ザ・レジデンス」といった航空会社独自色を打ち出したものなど、さらに細かくクラス分けがされています。しかしながら、多くの航空会社にもあるのが、
・エコノミークラス
・ビジネスクラス
・ファーストクラス
という3つの分類です。今回は日本航空(JAL)の実データを用いてクラス別に比較をしてみます。
・エコノミークラス・・・6万9,184円
・ビジネスクラス・・・50万6,001円
・ファーストクラス・・・111万2,854円
※出発時期:2019年9月下旬頃
※航空会社:JAL
※東京-ニューヨーク(片道料金)
(行き先や時期などで価格は異なります)

エコノミークラスとビジネスクラスの価格差は、7.3倍もあります。さらにファーストクラスとの価格差となると実に16倍! 「ファーストクラスに1回乗る代わりに、16回エコノミークラスに乗ることができる」と考えると、誰でも冷静さを取り戻してしまうような価格差ではないでしょうか。

筆者もファーストクラスの利用を見送った
筆者はファーストクラスに乗ったことがありません。乗ったことはありませんが、乗る必要はないと始めから思っています。
過去にヨーロッパへ行くにあたり、旅行会社でエージェントに利用する航空会社や、ファーストクラスの利用はどうかと相談をしたところ「率直に言ってファーストクラスはオススメしません。ビジネスクラスでいいと思います。価格に見合うほどの価値はありませんよ」と言われたことがありました。もちろん、そのような提案だけで決めたわけではありませんが、「旅行会社の人もオススメはしていない」というのは後々まで印象的でした。
また、私は「地上」ではファーストクラスに乗った体験があります。六本木で航空会社が「ファーストクラスの座席を体験できます」というイベントをやっていて、面白そうなのでやってみました。フルフラットでシートも寝心地がよかったのですが、「この体験を空の上でできるだけ」と思うと、10数倍の価格を出してまで買おうとは思えません。
特別料金を払ってまで「空の上で体験したいか?」と言われるとそうとも思えませんでした。100万円以上出して体験したとしても、地上で体験した感覚以上のものはないことが分かったので、あえてやろうという気持ちがないのです。

お金持ちは価値の評価に厳しい
筆者がお世話になっている2人のお金持ち、年収2億円超のIT企業社長のK氏もやはり、ファーストクラスは使わないと言っていました。
K氏は「自分は絶対にファーストクラスには乗らない。ファーストクラスの利用を、自分は“狭い機内に10時間前後座ったら100万円あげる”というオファーと捉えるようにしている。世の中にただ座るだけで時給10万円ももらえる仕事は多くない。だからこんなにコスパの悪いものは使わない」と言っていました。食事やワインを楽しめるという点においては、その内容が異なるだけでビジネスもファーストも変わらないので、その差額を支払う合理的メリットがない、ということなのでしょう。
また、K氏は機内で食事をする以外の時間は仕事をして過ごし、座りながらでも眠るのが得意だそうで、「眠ったり、仕事に集中するなら、高級で快適空間を意識できる時間は極めて短い。そう考えるとファーストクラスは時間帯あたりの価格があまりにも高額すぎる」といいます。
お金持ちは価格に対する価値への評価が、とても厳しい人種です。必要なものには、数百万円でも即断で買いますが、不要なものはタダでもいらないという感覚を持っています。お金持ちだからといって、何でも好き勝手に豪遊するのではなく、「必要、不要。価格の妥当性」を厳しく、合理的に判断するからこそ、彼らは結果的にお金持ちになるのです。

エコノミークラスが安いのは、リスク代
思うに、エコノミークラスが安いのはリスク代と見ることが出来ます。
世の中は価格が安いところには安いなりの理由や客層があって、高いところには高い理由とそれに伴う客層が付いてきます。決して見下しているつもりはないのですが、牛丼チェーン店とドレスコードに厳しい高級フレンチでは、やってくるお客さんの振る舞いや居心地は異なる可能性があります。
お店や機内の雰囲気は、お店側だけで作り出すものではなく、利用顧客も一体となって作り上げるものと考えます。エレガントな立ち振る舞いをする顧客がいれば、自然にその空間もエレガントなものになるのではないでしょうか。
エコノミークラスとなると、最も安いクラスですから色んな顧客がいます。筆者が過去に使用したエコノミークラスの機内では、鼻に強烈なミント臭のするものを詰め込んだアジア系の乗客がいました。私はまったく気にならなかったのですが、一緒に乗り合わせた友人はその匂いで目が冴えてしまい、一睡もできなかったそうです。また、日本時間で真夜中の時間帯に大声で雑談する集団がいたりしたこともあり、快適な睡眠を得づらい状況も経験したこともあります。
しかし、ファーストクラスとなると、そもそも乗客の絶対数が多くありません。また、大金を払ってファーストクラスを利用する客層は静かに過ごす傾向があると推測できます。つまり、「騒ぎで起こされたり、不快なニオイで目を覚ます」といった不確定リスクをお金の力で消し去ることが出来ると言えます。そのようなリスクがあっても、気にせず睡眠をとったり、楽しく過ごせる人にとっては問題に感じないでしょう。

もちろん、お金持ちの中には好んでファーストクラスを使う人もいます。筆者の知り合いにも、「1本7万円のシャンパーニュが振る舞われてよかった」と体験談を語ってくれる方もいました。
個人的な感覚値で言えば、起業してビジネスでお金持ちになった人はコスト感覚に厳しいのでファーストクラスは使わず、資産運用で安定的に毎月お金が入ってくるお金持ちは、お金を使い切っても翌月また入ってきますのでコストを気にせずファーストクラスを楽しんでいると感じます。(黒坂 岳央)
【参考】「JAL国際線航空券予約」JAL 」(2019/9/16ここより)

昨日は台風19号で自宅にカンズメの人が多かったが、その反動か、今日は晴天で外に出る人が多かったようだ。
カミさんと、早めにと、コタツ布団を買いに行ったのだが、その帰りに、ファミレスに寄った。午後2時だというのに、どの店も混んでおり、席の空いていたそのファミレスに入った。しかし帰るときは、スマホに「もう***(その店)には行かない」というメモをスマホのメモに書いた。
とにかくお料理が出てくるまで待たされる。今日は台風で店員が少ないのかも知れないが・・・。それにあまりおいしくない。そしてカミさんが言うには、客層が悪い(客の品位が悪い)・・・と。
上の話と合致する。

ちょっと話は戻るが、昔、現役の時、役職が上がると、出張時の席のランクも上がった。しかし、自分の知っている限り、海外出張の際、ビジネスクラスより上で出張する上司はいなかった。自分も出張時には新幹線のグリーン車に乗っても良い規則だったが、結局一度も使った事は無かった。
幾ら会社の金とは言え、必要性と贅沢の感覚とのマッチングの話。

そういえば、河野前外相が、自分専用の飛行機を買えと予算要求をしたことがあった。
上の話とまったく真逆のスタンス。

しかし我々も、もう歳(とし=年配者)。“品のある”を旨として、少しばかり高価なコース(店)を使いたいと思う70代である。

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