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2019年10月 6日 (日)

「新しい時代に、今、伝えたいこと」~ノンフィクション作家・梯久美子氏の話

先日、NHKラジオ第2の「カルチャーラジオ 日曜カルチャー」でノンフィクション作家の梯久美子さんの話を聞いた。実に印象深い話であった。
この番組について、NHKのサイトにはこう紹介がある。

人間を考える“新しい時代に、今、伝えたいこと”」(3) ノンフィクション作家…梯久美子(2019/09/15放送)
191006kakehashi 第3回はノンフィクション作家の梯久美子さん。梯さんがノンフィクション作家として活動を始めて約20年、硫黄島総指揮官・栗林忠道のことを書いた「散るぞ悲しき硫黄島総指揮官・栗林忠道」で第37回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。梯さんは新しい時代を踏み出す今こそ、過去の人たちの生き様をみて自分の人生を見直すことが必要だといいます。梯さんに戦中戦後の困難な時代を生き抜いた人たちについてお話し頂きます。」(NHKのここより)

<「新しい時代に、今、伝えたいこと」~梯久美子>

実は、自分は梯久美子さんについてほとんど知らない。知っているのは、自分が毎年楽しみにしているBSプレミアムの「ザ・ベストテレビ」のコメンテーターとして。
たぶん今年も出演されるのだろう。(ちなみに、今年の「ザ・ベストテレビ2019」は10月20日~21日に放送される)
この番組を通じて知っている梯さんの印象は、非常に真面目で理知的な方であるということ。そんな好印象で、この話を聞いた。実に心のこもった話し方で印象に残り、繰り返し聞いた。

中でも、硫黄島の遺骨は、サラサラしていなくて手袋にくっつく。と言う話は、心をえぐる。
そして硫黄島の激戦を率いた栗林忠道中将の話。
氏は上にあるように「散るぞ悲しき硫黄島総指揮官・栗林忠道」で第37回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞しているが、ググると(ここ)にこの本の背景が載っていた。それによると、
「本を書こうと思ったのは、栗林さんが硫黄島から送った『訣別電報』が改ざんされていたことに気づいた時です。本にも書いていますが、栗林さんの部下だった貞岡信喜さんという方に取材した時、この訣別電報を朗々と暗誦してくださいました。ところが1945年3月22日の新聞に掲載191006chiruzo されている訣別電報とは、何カ所か言葉が違っていた。ご高齢とはいえ、栗林さんについてのお話はとてもしっかりしていたので不思議に感じて資料にあたるうち、公刊戦史(戦後に防衛庁防衛研修所戦史室がまとめた『戦史叢書』)で訣別電報の原文を見つけました。すると、貞岡さんが暗誦してくださった文章が正しかった。新聞では、『全員壮烈なる総攻撃を敢行す』など、原文にはない語句が挿入され、原文にあった『宛然(えんぜん)徒手空拳を以て』が削除されるなどしていたのです。
電報の最後に書かれた三首の辞世の一首も同様で、『国の為重き務を果し得で 矢弾尽き果て散るぞ悲しき』だったのが、新聞では『国の為重き務を果し得で 矢弾尽き果て散るぞ口惜し』と、最後の言葉が換えられていました。こうした事実を伝えるだけでも意味があるのではないかと感じて、本を書こうと思いました。」(ここより)

梯さんの話を聞いて、この「散るぞ悲しき―硫黄島総指揮官・栗林忠道―」とい本を読んでみる気になり、さっそく通販で買った。でも、時間が無く、まだ読めていない。
しかし、8カ国で翻訳されているというこの本、じっくりと読んでみようと思う。

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<<当サイト推薦番組>>

「ザ・ベストテレビ2019」第一部 BSプレミアム 2019年10月20日(日)午後0:00~4:29(4時間29分)>
▽午後0:06ごろ~地方の時代・映像祭賞「菜の花の沖縄日記」(沖縄テレビ放送)
▽午後1:06ごろ~文化庁芸術祭賞・ギャラクシー賞「ETV特集 静かで、にぎやかな世界」(NHK)
▽午後2:25ごろ~民放連賞テレビ報道番組「葬られた危機」(名古屋テレビ放送)
▽午後3:28ごろ~民放連賞テレビ教養番組「拉致と言えなくて」(テレビ金沢)
【司会】三宅民夫,千葉美乃梨,【ゲスト】森達也,梯久美子,ヴァージル・ホーキンス

「ザ・ベストテレビ2019」第二部 BSプレミアム 2019年10月21日(月)午後1:00~4:01(3時間01分)>
▽午後1:04ごろ~放送文化基金賞「NHKスペシャル 消えた弁護士たち」(NHK)
▽午後2:07ごろ~ATP賞「BS1スペシャル テロリストの母と呼ばれて(アマゾンラテルナ/NHK)
【司会】三宅民夫,千葉美乃梨,【ゲスト】森達也,梯久美子,ヴァージル・ホーキンス

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コメント

梯久美子さんの話を聞かせていただきました。
 今年も、年間ベストラジオ、ベストテレビの季節ですね。

第45回放送文化基金賞を受賞した番組が再放送される予定です。

「ザ・ベストラジオ2019」 NHK ラジオ第1
☆10月15日(火)、16日(水)、17日(木)
いずれも16:05~16:55 (予定)

ラジオ番組奨励賞「消せない記憶~元学徒兵の苦悩~」(琉球放送)
≪10/15(火)16:05~16:55(予定)≫

「ザ・ベストテレビ2019」 NHK BSプレミアム
☆10月20日(日) 12:00~16:29 (予定)
☆10月21日(月) 13:00~16:01(予定)

テレビドキュメンタリー番組最優秀賞「NHKスペシャル 消えた弁護士たち ~中国“法治”社会の現実~」(NHK)
≪10/21(月)13:00頃~13:53(予定)≫
※放送後、制作者のスタジオトークがあります。

【エムズの片割れより】
今年も楽しみですね。
まだ放送する作品は発表されていないのでは?
情報が早いですね。

投稿: かうかう | 2019年10月 8日 (火) 20:30

「ザ・ベストラジオ2019」NHK ラジオ第1

※予定していた放送日が変更になりました。
 ☆10月23日(水)、24日(木)、25日(金)
 いずれも16:05~16:55 (予定)

ザ・ベストラジオ2019「消せない記憶~元学徒兵の苦悩~」
10月23日(水) 16:05 - 16:55
出演者 :
【ゲスト】放送作家…石井彰,【アナウンサー】山田敦子
この1年間に放送番組のコンクールで受賞したラジオ番組を紹介する番組「ザ・ベストラジオ2019」。公共放送・民間放送の垣根を越えて、秀作選を放送します。

第1回は、琉球放送制作の『消せない記憶~元学徒兵の苦悩~』を放送します。 ▽「第45回放送文化基金賞 ラジオ番組 奨励賞」「2019年日本民間放送連盟賞 ラジオ報道番組 最優秀」受賞。 ▽太平洋戦争で国内唯一の地上戦となった沖縄では、中学生が戦場に駆り出され軍と行動をともにしました。多くが命を落とし、生き残った人たちは今もその「消せない記憶」に苦しんでいる。今も終わらない沖縄戦の苦悩を描く番組。

ザ・ベストラジオ2019「ラジオと童謡と~「サッちゃん」の阪田寛夫が残したもの」
10月24日(木) 16:05 - 16:55
出演者 :
【ゲスト】放送作家…石井彰,【アナウンサー】山田敦子
第2回は、朝日放送ラジオ制作の『ラジオと童謡と~「サッちゃん」の阪田寛夫が残したもの』を放送します。 ▽「平成30年日本民間放送連盟賞 ラジオ教養番組 最優秀」受賞。 ▽童謡「サッちゃん」の作詞家であり、芥川賞作家でもある阪田寛夫さんは、かつて朝日放送ラジオに在籍し子ども向け音楽番組を制作。当時の音源と、縁のあった人の証言から、晩年まで童謡の普及に尽力していた阪田さんの姿が浮かび上がる番組です

ザ・ベストラジオ2019「KNB報道スペシャル 記者たちが伝えたイタイイタイ病」
10月25日(金) 16:05 - 16:55
出演者 :
【ゲスト】放送作家…石井彰,【アナウンサー】山田敦子
第3回は、北日本放送制作の『KNB報道スペシャル 記者たちが伝えたイタイイタイ病』を放送します。 ▽「第73回文化庁芸術祭賞 ラジオ部門 優秀賞」受賞。 ▽日本で初めて公害病に認定されたイタイイタイ病について、加害企業への第1次訴訟から50年がたった節目に、メディアがこの病気をどう伝えたのかを検証。記者たちが反省する姿と、イタイイタイ病が過去のものではないことを浮かび上がらせる番組です。

【エムズの片割れより】
情報をありがとうございます。
さっそく「Radikool」で予約しました。

投稿: かうかう | 2019年10月20日 (日) 04:14

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