「テレビ社会ニッポン」太田省一著~Uさんの読書ノート
Uさんの「本の紹介」も久しぶりである。何度も記したが、とにかくUさんが紹介してくれる本は難しい。しかし、今回の本は、ツツーと読めてしまった。
Uさんの紹介文にはこうあった。
「各位
暑い日が続きますが、皆様お変わりなくお過ごしの事と存じます。
今回の「本の紹介」は、せりか書房社長 船橋純一郎氏から贈呈された本「テレビ社会ニッポン」である。船橋氏とは、過って、新宿のゴールデン街にある飲み屋で知り合った飲み仲間であり、「各位」の一人でもある。この店はママが一人でやっている10人ぐらいしか座れない小さな店であった。客の主流は、早稲田の「露文」出身者、現役の早稲田大学露文の教授を始め、大学院生、OB達である。その一人が船橋氏であった。現在、この店は、ママが病気で亡くなった後、彼女の娘と孫娘が継いでいる。そして今や、客の多くは外国人の旅行者が主流のようだ。
本の帯に、人は何故テレビを見るのか?(視聴者)が自由を得るため。テレビは(自作自演的習性)、つまり「自分でやったことなのに、そ知らぬふりをする」習性持つ一方(視聴者)は、番組に出演したり、ツッコんだりしながらも、「テレビを実質放置」する。こうして戦後、暗黙の(共犯関係)による「テレビ社会ニッポン」は誕生した。その65年余に及ぶ歴史を検証し、転換期にあるテレビと視聴者の未来を展望する。誰よりも自らが(視聴者)であり続けて来た著者による渾身のテレビ論とある。
特に、メデア関係者には、お勧めの本である。」
★「テレビ社会ニッポン」太田省一著~Uさんの読書ノートのPDFは(ここ)
Amazonで見ると、この本は各紙の書評でも取り上げられているらしい。『信濃毎日新聞』2019年2月10日 書評(上滝徹也氏) 、『日経新聞』2019年2月16日 書評、『週刊読書人』2019年3月22日 書評(高野光平氏)、『東京新聞』2019年3月31日 書評(荻上チキ氏)・・・
珍しくツツーと読めたが、まあ内容については書かない。しかし、テレビの放送開始当時の話は、懐かしく読んだ。そう、自分も(街頭テレビではなく)テレビを買った店の2階の窓から外に向かって置かれたテレビで、プロレスを見た方。昭和30年代初期は、テレビは独り占めできず、買った店は、客の顰蹙を買わないために、夜のプロレスの時間になると周囲の人が見られるようにしたのである。
それにしても、テレビが社会を動かす力は、戦前の新聞の様相。
話は飛ぶが、今朝(2019/08/23)のTV朝日のモーニングショーで、昨日の日韓軍事情報協定(GSOMIA)の韓国からの破棄通告のニュースに関し、こんな話があった。
9:17玉川「日本の方がもしかすると感情的にはエスカレートしているように僕には見えるんですね。そうなったときに今度はそれをメディアがあおる可能性がある。つまり、世論の大勢ににメディアは付こうとする場合がある。特にテレビなんかはそうだから。テレビは視聴率だから。韓国に対してけしからんと言った方が視聴率が取れるんだったらそっちに流れるんです。低きに流れる可能性があるんですね。そうなると、やっぱりまたそれが国民の感情をあおっていく。それをやっちゃ駄目だということは、戦前に我々は学んでるはずなんです。要するに不当に国民の感情を刺激してはいけないと。冷静になることを呼びかけるのが本来のメディアの役回りだと僕は思っているので、だからそういうふうに、ある種、志が低い方向に流れる。本当にそう考えてやっているんだったらいいですよ。そうじゃなくて、そっちの方が視聴率が取れるからって流れていくようなメディアがあったら、僕は残念です。」・・・
9:22玉川「韓国の国内の報道がまさに文政権をあおるような報道ばかりになっているという話を聞くんですがそうなんですか?テレビが特に。」
辺「確かに私もインターネットで韓国の新聞10紙全部読んでいますし、テレビも見ておりますが、新聞のほうはそれでも韓国の3大紙と言われている朝鮮日報、中央日報、東亜日報は基本的には反文在寅の論陣を張っていますので決してあおっていませんが、テレビは私から見ても正直なところ、あおっている面がありますね。」
自分は、バラエティー番組大キライ人間なので、テレビで見るのはニュースとドキュメンタリー番組が多いが、ニュースもその信頼度が怖い。
香港のデモのニュースも、中国ではデモ隊が乱暴をしている映像ばかり流し、中国国内での香港デモ隊悪人の世論が醸成されているという。
我々も無意識のうちに、テレビにコントロールされているのかも知れない。
テレビに“御される”ことだけは避けたいと思うのだが・・・
| 0
コメント