ピアノによるワーグナーの「タンホイザー」序曲と「バッカナール」
この所、またまたヘンな音楽に凝っている。ヘンなと言うのは、クラシックの編曲版。
先日、昔あげた音楽を「MP3プレヤー」の関係で見直したが、その中で改めてピアノによるワーグナーの「タンホイザー」序曲の断片を聞いた(ここ)。
この音源は、雑誌「レコード芸術」(ここ)の付録のCDからだったが、改めて全曲を聞いてみたくなり、CDを手に入れた。それがこれ。
<ピアノによるワーグナー:歌劇「タンホイザー」序曲(pf:タール&グロートホイゼン)>
この演奏は、ワーグナー自身が編曲した4手、つまり連弾のための編曲である。
一方、2台のピアノによる編曲もある。同じタンホイザーから「バッカナール」を聞いてみよう。演奏は同じデュオ。
<ピアノによるワーグナーの「タンホイザー」「バッカナール」(pf:タール&グロートホイゼン)>
これは、1893年のデュカスによる編曲である。
自分はどうも「全部」というのが好きらしい。高校の時、山本有三を「全部」読むぞ。「石川達三を「全部」読むぞ。から始まり、最近では、森田童子を全曲集めるぞ(ここ)。とか手仕事屋きち兵衛を全部・・・。
そして「藤沢周平を全部」に続いて、現在は佐伯泰英にチャレンジ中。
そんな事から、実は今、「レコ芸」の付録CDの“全部の”収集に凝っている。クラシックの音楽雑誌「レコード芸術」は、1960年代の終わり、大学の時に知った。当時はカラヤン全盛の時代。毎月買っては、中の巨匠たちの写真を壁に飾ったもの。その「レコ芸」に付録としてCDが付くようになったのが、1996年3月号からだった。サラリーマンになってからは時間が無く、ほとんど「レコ芸」は買わなかったが、1997年の半ばから2003年まで買っていた。そして付録のCDもよく利用した。その新譜のサワリ集から、新しい興味あるCDを見付けては買ったもの。
備忘録のメモを見ると、2011年の頃から、この付録のCDを集め出した。雑誌を買わなかった号のCDを埋めるのである。収集にも幾つか波があり、2015年にもそれまで発売された号の付録CDを集めた。そして最近また付録CDの収集に凝り出した。
と言うのも、この「レコ芸」の付録CDは、あまり評判が良くなかったようで、2017年5月号をもって中止になったようだ。この間、1996年3月号~2017年5月号までの21年余に亘って発行されたCDが255枚。今日現在、あと残6枚まで集めた。
同期の友人にクラシック好きがいるが、その男は毎月かかざさず「レコ芸」は買うが、付録のCDは聞いたことが無く、直ぐに捨てているそうだ。利用価値も人それぞれ。
自分から見ると、この21年間に新譜として発売されたクラシックのCDのサワリが全部入っているので、事前に音質が分かり、買いたいCDを見付けるのに便利。1枚に30~50曲入っているので、単純計算では、平均40曲として、255×40=1万の断片が入っていることになる。
以前はこのCDから気になった音源をmp3でリッピングして集めていたが、今はそれをwavで録り直している。(自分はどうも、音源を集めること自体が好きらしい)
そんな音源集で、面白いと思うのが編曲盤、といわけ。正統派からするとゲテモノかも知れないが、面白い。主にピアノへの編曲。
当サイトのカテゴリ「クラシック」(ここ)でも、ピアノだけで無く、マリンバ、ハーモニカやフルート、オルガンなどで編曲された音源をあげている。
クラシックも、もうこの歳になると、自分にフィットする新しい音楽を見付けるのは、たぶんもう無理。とすると、知っている曲を、別のアレンジで楽しむ。というのも有りのような気がする。
しかし、先日本屋に行ったが、「レコ芸」が置いていなかった。もうクラシックの雑誌を買う人も少なくなっているのかも知れない。その「レコ芸」の今月号(2019年7月号)の特集が「編曲三昧~魅惑のアナザー・ワールドへの誘い」。久しぶりに「レコ芸」を注文してしまった。
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コメント
ピアノによるワーグナーは、「グールド・コンダクツ&プレイズ・ワーグナー」のCDを所有しています。「マイスタージンガー」他ですが、なかなかいい演奏です。
昨日のNHK-FMの「クラシックカフェ」で、
「交響曲第6番ヘ長調「田園」作品68」
ベートーベン作曲、リスト編曲
(55分30秒)
(ピアノ)グレン・グールド
が放送されました。テンポが遅いので好き嫌いはあるかも知れませんが、お聴きになっていなければ、7/4午前7時25分~ 午前9時15分に再放送されます。興味があればどうぞ。
【エムズの片割れより】
情報をありがとうございました。
さっそく予約しました。
投稿: classical.s | 2019年6月27日 (木) 12:20
最近NHK-FMのクラシックカフェはよく聴いているので、classicalsさんがおっしゃるベートーベンの「田園」のリスト編曲、グレン・グールドによるピアノ演奏は聴きました。放送中に、家内にこの曲何の曲かわかる?といったら、ベートーベンのなかでは「田園」が一番好きだといっているくせに、わかりませんでした(笑)。ネットで「クラシックカフェ」にアクセスすると、クラシックカフェで放送予定の一週間分ぐらいの曲目や再放送予定の曲目が載っています。この放送を聞くようになって知ったのですが、ショパン作曲の「歌劇ドンジョバンニの”お手をどうぞ”による変奏曲」とか、ベートーベン作曲の「歌劇”魔笛”の”恋人か女房があればいい”による変奏曲」等の、面白い曲をショパンやベートーベンが作曲していることを知りました。前者は放送済みですが、後者は7/4の2:00-3:50pmに放送予定です。
投稿: KeiichiKoda | 2019年7月 1日 (月) 20:11
上で書きましたように、ショパンよるモーツアルトの歌劇「ドン・ジョバンニ」からのアリアを主題にしたピアノの変奏曲、そして昨日はベートーベンによる「魔笛」の主題によるピアノの変奏曲を聴きました。オペラのアリアをこうしてピアノで聴くのもいいものですね。
NHK-FMのクラシックカフェで思い出したのですが、村上春樹の小説『1Q84』の冒頭は「タクシーのラジオは、FM放送のクラシック音楽番組を流していた。曲はヤナーチェックの『シンフォニエッタ』。・・・」ではじまります。このFM放送のクラシック番組とはNHK-FMのクラシックカフェ番組のことかもしれません。村上氏はこの小説の中で「ヤナーチェックの冒頭部分を耳にして、これはヤナーチェックの『シンフォニエッタ』だと言い当てられる人が世間にいったいどれくらいいるだろう」とも書いていますが、ヤナーチェックと『シンフォニエッタ』の存在が日本のクラシックファンの間で広く知られるようになったのはこの本が出版されてからのようです。NHKEテレの「らららクラシック」(2015/12/12の放送)で、「チェコに咲く遅咲きの花、ヤナーチェックの『シンフォニエッタ』」という題でヤナーチェックを取り上げていますが、村上さんのこの小説に言及しています。メモによると私も2018/8/22のクラシックカフェの(朝の再放送)でヤナーチェックのシンフォニエッタを聴いています。この曲は今ではYouTubeにもアップされているので、簡単にアクセスすることができます。
投稿: KeiichiKoda | 2019年7月 5日 (金) 06:12