映画「グリーンブック」が素晴らしい
3月1日から公開になった映画「グリーンブック」(ここ)が素晴らしい。ここ10年で見た映画のうち?最も良かった!?
先日、カミさんのリクエストで、映画「グリーンブック」を見に行った。そもそも、何の事前情報も無く見た映画は珍しい。ただカミさんに付いて行って、チケットを買うときに「何見るんだっけ?」!?
「別に映画館で見なければいけないドラマチックな映画ではないんだけど・・・。心あたたまる映画」というのがカミさんの見る前の解説。
しかし、映画が始まると自分は釘付けに・・・。
しかし、映画が始まると自分は釘付けに・・・。
この映画の解説にこうある(ここ)。
「人種差別が色濃く残る1960年代のアメリカ南部を舞台に、黒人ジャズピアニストとイタリア系白人運転手の2人が旅を続けるなかで友情を深めていく姿を、実話をもとに描き、第91回アカデミー作品賞を受賞したドラマ。1962年、ニューヨークの高級クラブで用心棒として働くトニー・リップは、粗野で無教養だが口が達者で、何かと周囲から頼りにされていた。クラブが改装のため閉鎖になり、しばらくの間、無職になってしまったトニーは、南部でコンサートツアーを計画する黒人ジャズピアニストのドクター・シャーリーに運転手として雇われる。黒人差別が色濃い南部へ、あえてツアーにでかけようとするドクター・シャーリーと、黒人用旅行ガイド「グリーンブック」を頼りに、その旅に同行することになったトニー。出自も性格も全く異なる2人は、当初は衝突を繰り返すものの、次第に友情を築いていく。トニー役に「イースタン・プロミス」のビゴ・モーテンセン、ドクター・シャーリー役に「ムーンライト」のマハーシャラ・アリ。トニー・リップ(本名トニー・バレロンガ)の実の息子であるニック・バレロンガが製作・脚本を手がけ、父とドクター・シャーリーの友情の物語を映画化した。監督は、「メリーに首ったけ」などコメディ映画を得意としてきたファレリー兄弟の兄ピーター・ファレリー。アカデミー賞では全5部門でノミネートされ、作品賞のほか脚本賞、助演男優賞を受賞した。」(ここより)

そして「グリーンブックとは
1936年から1966年まで、ニューヨーク出身のアフリカ系アメリカ人、ヴィクター・H・グリーンにより毎年作成・出版されていた、黒人旅行者を対象としたガイドブック。黒人が利用できる宿や店、黒人の日没後の外出を禁止する、いわゆる「サンダウン・タウン」などの情報がまとめてあり、彼らが差別、暴力や逮捕を避け、車で移動するための欠かせないツールとなっていた。ジム・クロウ法(主に黒人の、一般公共施設の科用を制限した法律の総称)の適用が郡や州によって異なるアメリカ南部で特に重宝された。」
1936年から1966年まで、ニューヨーク出身のアフリカ系アメリカ人、ヴィクター・H・グリーンにより毎年作成・出版されていた、黒人旅行者を対象としたガイドブック。黒人が利用できる宿や店、黒人の日没後の外出を禁止する、いわゆる「サンダウン・タウン」などの情報がまとめてあり、彼らが差別、暴力や逮捕を避け、車で移動するための欠かせないツールとなっていた。ジム・クロウ法(主に黒人の、一般公共施設の科用を制限した法律の総称)の適用が郡や州によって異なるアメリカ南部で特に重宝された。」
2時間の映画だが、途中から、良い意味で、心に何かが突き刺さっていく気がした。そしてクライマックスが、ショパンのエチュード「木枯らし」を演奏する場面。
この場面を見て、同じく映画の「シャイン」を思い出した。
この場面を見て、同じく映画の「シャイン」を思い出した。
場末の酒場で、ヨレヨレの服を着た主人公がピアノの前に座ると、手は軽々と動いて「熊ん蜂の飛行」を演奏する。そして拍手喝采・・・(ここ)
同じように、感動した。
同じように、感動した。
この映画のテーマは何だろう。そう人種差別・・・
舞台は1962年だという。それでも色濃く残るアメリカの黒人差別。いくら芸術で高い評価を得た人でも、黒人だと案内される控え室は物置小屋。そしてトイレも黒人専用の屋外の掘っ立て小屋。そして、レストランも・・・
そこに、わざわざ演奏に行く主人公の心とは・・・
舞台は1962年だという。それでも色濃く残るアメリカの黒人差別。いくら芸術で高い評価を得た人でも、黒人だと案内される控え室は物置小屋。そしてトイレも黒人専用の屋外の掘っ立て小屋。そして、レストランも・・・
そこに、わざわざ演奏に行く主人公の心とは・・・

直ぐに自分は、売店でパンフレットを買う。開くと「本年度 アカデミー賞 作品賞含む3部門受賞!」という文字が目に入る。
ナーンダ。やっぱりすごい映画だったんだ・・・
主人公の奥さん役のリンダ・カーデリーニ。良く見た顔だと思っていたら、やはり昔全編を見た「ER緊急救命室」に出ていた。
ともあれ、どうってことない単なるオジサン二人の珍道中なのだが、でも心が熱くなる映画だった。
何も考えないで、だまされたと思って、ぜひ一見を!
もっともカミさんは「まあまあだね」なんだが・・・
ともあれ、どうってことない単なるオジサン二人の珍道中なのだが、でも心が熱くなる映画だった。
何も考えないで、だまされたと思って、ぜひ一見を!
もっともカミさんは「まあまあだね」なんだが・・・
(追)2019/03/19から当「ココログ」の管理(投稿)ページが大幅リニューアルしたが、残念ながら2日経っても混乱している。改行も画像の挿入もうまくいかない。mp3プレヤーも表示しなくなってしまった。niftyに問い合わせたら、順次修正中とか。しばらく待つしかない。
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コメント
別のところにも書きましたが(「もしもピアノ・・」の3/13の私のコメントをご覧ください)、今年は例年になくたくさんアカデミー賞受賞作品を映画館に足を運んで観ました。2/25に「女王陛下のお気に入り」、3/1に「グリーンブック」、そして3/12に「ボヘミアン・ラプソディ」。どれもたいへん面白かったと思います。映画全体にユーモアがある作品ならばこの「グリーンブック」でしょう。この映画を撮ったファレリー監督はコメディ映画をたくさん撮ってきた人らしいのですが、この映画にはジョークは一切入れないで撮ろうと決意していたと言っています。(NHKEテレに「世界へ発信!SNS英語術」という番組がありますが、先週3/14放送の番組の中では来日したファレリー監督にインタビューして、映画「グリーンブック」について聞いています。インタビューの内容はこの番組のHPで見ることができますのでアクセスしてみてください。)
主人公の二人はどちらも実在の人物ですが、黒人ジャズピアニストのドン・シャーリー(映画ではドクと呼ばれている)は貴族的で、インテリで、謹厳実直でニコリともしない、もちろん冗談などは一切いわない人だし、運転手兼用心棒のイタリア系アメリカ人のトニー・バレロンガも乱暴で粗野だが冗談は一切口にしない。にもかかわらず、こういう変わった二人のコンビがなんとなく笑いを誘う。映画の最後の場面に「落ち」ともいえる場面があって、観客を笑わせます。
トニーの妻ドロレスがドクに初めて会ったときに、「美しい手紙ありがとう」とドクに言います。旅行中トニーから妻へ送ったたくさんの手紙の美しい文面はシャーリーがアドバイスにしたがって書いたことが妻にはばれていたことが観客にわかります。もちろん、ドロレスは夫のトーニーにこんな美しい手紙が書けるほど教養はないということは知っていますが、ドロレスは夫の手紙にはドクの手助けがあったと、ドクに一度も会ったことがないのにどうしてわかったのでしょうか?実は伏線があった(と思います)。最初のほうの場面に伏線があった。トニーがシャーリーに運転手兼用心棒の仕事を条件が合わないといっていったんは断りますが、あとでドクからトーニーへ(条件をのむという)電話がかかってきますが、このとき電話に出たのが妻のドロレスです。私の想像ですが、このときのドクの応対が非常に紳士的で、かつ教養を感じさせるものだったに違いありません。これが伏線として最後の場面へとつながっているのだと思います。そうでないと、あの電話の場面は不必要だからです。よく見ると、同様の伏線がこの映画のあちこちあって、のちの場面とつながり、観客を笑いにさそいます
【エムズの片割れより】
分かり易い解説をありがとうございます。
ところで、カミさんとも話したのですが、いまだに分からないのが、最初の帽子を取って、後から返すシーン。
これは何でしょうかね?
投稿: KeiichiKoda | 2019年3月23日 (土) 12:40
あれはたぶんあうすることでお客の帽子を見つけたことにして、恩を着せ、お客からチップを稼いでいたのではないでしょうか?
・私も家内と意見が分かれたところがあります。ドクを歓迎するパーティで、フライド・チキンが出たことありました。フライド・チキンをパーティに出すことはドクが(主催側に)依頼したのだと家内は主張し、私は偶然だと思ったのですが、ドクがフライド・チキンを出すよう依頼するシーンがあったでしょうか?いずれにせよ、これには伏線があって、その前の場面の車の中で、お上品でフライド・チキンなど食べたことのないドクにトーニーがフライド・チキンを買って無理に食べさせ、いやいやながら食べたドクは結構気にいっているように見えたシーンがありました。
・もう一つは後の方の場面でトーニーは青い(めのう?)の玉を安全のお守りだといって取り出しますが、これにも観客は笑います。伏線は、ずっと前のほうの場面で、青い玉を拾ったのか、盗んだのかでトーニーとドクの間に言い争う場面がありましたが、結局、トーニーは返しに行かされますが、後で出てくる青い球はこのときの玉だとすると、トーニーは返すと見せかけて(われわれには返したように見えましたが)返さなかったようです。
トーニーはナイトクラブの用心棒をしていて、ドクに乞われて運転手兼用心棒になるのですが、帽子の件といい、青い球の件といい、(それからピストルは持っていないといいながら持っていた件といい)結構な悪なのです(笑)。
【エムズの片割れより】
結局、根はワルなのですね。
パーティーのチキンは、偶然だとおもっていましたが、そんな見方もあるのですね。
ともあれ、TVの録画で見た映画ではないので、”復習”できないのが残念です。
投稿: KeiichiKoda | 2019年3月24日 (日) 19:15
追記です。私にいわせると、帽子の件はトーニーが決していわゆる正直一徹の人間ではありませんよ、という伏線です。
【エムズの片割れより】
なるほど。少し深読みしてしまいました。
投稿: KeiichiKoda | 2019年3月24日 (日) 19:25
「グリーンブック」がアカデミー賞を受賞してから1年が経ち、映画「グリーンブック」もWOWOWで放映されるようになったので、TVでもう一度この映画を見てみました。上で、パーティでフライド・チキンが出るのはドクが依頼したのか、それとも偶然かという話を書きましたが、いずれでもなく、どうやらトーニーが主催側に手をまわし、フライド・チキンを出させるようにしたようですね(笑)。
2020年のアカデミー賞(作品賞)は韓国映画「パラサイト 半地下の家族」が受賞したことはすでにご存じでしょう。韓国映画は観たことがなかったので、これを機会に観てみようと思い、近くの東宝シネマズを調べてみると、受賞前から上映中でした。日経新聞の1/10の映画評でも星印5つが付いた「今年有数の傑作」となっていました。ちなみに、昨年話題になった日本映画「万引き家族」にたいしては日経の映画評は厳しく、星印3つだったか、4つだったかで、少なくとも最高評価ではありませんでした。
「パラサイト」は一言でいうと、喜劇であり、風刺劇であり、ホラー映画です。おもしろい(笑える)ところもたくさんあって、バックグランドに流れる音楽の質も非常に高いのですが、映画を見終わったあとで、感動させるところはなく、「グリーンブック」とはそこが違います。「グリーンブック」は人種差別を扱い、「パラサイト」は富の格差を扱う、どちらも社会性のあるドラマなのですが、前者には見終わったあとで何かほのぼのとしたものが残りますが、後者にはそれがありません。
【エムズの片割れより】
そうですか・・・。話題の作品なので、自分も「パラサイト」を見てみま~す。
投稿: KeiichiKoda | 2020年2月17日 (月) 12:05