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2019年3月 8日 (金)

「私が国家です」の安倍首相、あなたに命と尊厳がわかるか

「日刊ゲンダイ」は、いやゆるタブロイド判夕刊紙なので、見出しがどぎつい。つまり目立つような作り。なので、政権に対しても厳しい。その冴えたる物がこの記事か・・・

「私が国家です」の安倍首相、あなたに命と尊厳がわかるか
   ジャーナリスト 斎藤貴男

 拝啓 アベシンゾー殿
 あなたは一体、どれだけの人を傷つけ、不幸に陥れれば気が済むのか。私たちの国を、社会を、どうするつもりなのか。
190308abe2  私が代弁してあげよう。あなたは自分以外の人間に命や尊厳があるなどとは思ったこともないのではないか。犠牲に何の痛痒も感じないし、ひょっとしたら、残忍さと指導力を混同して、他人の断末魔を見ると興奮するタチの方なのではないか。米国の戦争に自国民を差し出しては、虎の威を借りるキツネのごとく大国然と振る舞う“新・大日本帝国”を理想とし、属州の酋長として君臨する己にエクスタシーを感じちゃいたいのではないか。図星でしょ?
190308abe1  すでにあなたの政権は、私たちの食と水を外国資本に売り飛ばし、労働者の人権や賃金の水準を引き下げる法律をことごとく強行採決した(種子法の廃止、改正水道法、改正入国管理法)。自画自賛を重ねた“アベノミクス”とやらの正体は、統計データのでっち上げでしかなかった。国民生活を左右する消費税を弄んでは、選挙に利用し、議員たちは薄汚い利権を貪ってきた。
 そして、沖縄だ。県民投票で「反対」が72%以上を占めた辺野古の米軍新基地建設に対する民意を、あなたはまたしても踏みにじろうとしている。埋め立て予定海域の軟弱な地盤改良だけでも途方もない歳月と予算が必要で、しかも建設の口実にしている普天間基地返還の可能性など、ゼロに等しいにもかかわらず、そうまでして米国のご主人様にへつらいたいか。
「沖縄には沖縄の、国には国の民主主義がある」と差別むき出しなのは茶坊主のボーエイダイジン。あなた自身はといえば、「私が国家です」だと。これは統計データ偽造を巡る衆院予算委員会での発言だったが、あなたはいつもこうだ。ルイ14世の「朕は国家なり」ばりの絶対主義王政宣言とは、異常にも程がある。
190308abe  ちなみに、このウルトラ妄言にも大手マスコミは沈黙を決め込んだ。県民投票の結果を徹底的に矮小化したNHKや読売新聞といい、もはやこの国のジャーナリズムは完全に死に絶えたらしい。
 アベさん、あなたは日本を、最低の列島にしてくれた。まっとうな社会に回復させるには、現時点からでも数十年は要しよう。このまま東京五輪だの憲法改正だのに持ち込まれれば、永久に立ち直れなくなる。
 保守や右翼を気取りたがる人々にも言っておく。アベさんのやっていることは、正真正銘の売国だ。放置しておけば、私たちは米国の傭兵か奴隷にされる。
 アベさんよ、国を滅ぼし、世界中の憎悪と軽蔑を一身に浴びて死ぬのが本意でもなかろうに。」(
2019/03/06付「日刊ゲンダイ」ここより)

さてさて・・・
そしてこんな記事も見付かる。

小西洋之氏VS安倍首相またバトル 「将来を思えば控えられた方が」「総理に人生を説かれるほど...」
国会での質問で、たびたび答弁者の知識を試すことから「国会のクイズ王」の異名を持つ立憲民主党会派の小西洋之参院議員が2019年3月6日の参院予算委員会で、安倍晋三首相に改めて「出題」する場面があった。

質問は、安倍氏がたびたび口にする「法の支配」に関するもの。安倍氏は直接は質問に答えられず、このことを小西氏は「憲政史上の大事件」だと訴えている。

「安倍総理に教えて差し上げます」
小西氏の質問は、安倍氏が1月の施政方針演説で、明治天皇が日露戦争時に詠んだ短歌を引用したことを問題視する中で出た。質問は

「安倍総理、よく『法の支配』とおっしゃいますが、法の支配の対義語は何ですか?法の支配の反対の意味の言葉はなんですか?」
というもの。秘書官が助け舟を出そうとして小西氏が「総理秘書官、ダメだよー!」とヤジを飛ばす中、安倍氏は質問には直接答えず、

「まさに法の支配による、この国際秩序を維持をし、平和な海を守っていくことが、それぞれの海の繁栄につながっていく、という考え方を示しているところでございます」
などと答弁。

小西氏は
「法の支配の対義語は、憲法を習う大学の1年生が、一番最初の初日に習うことですよ」
と煽りつつ、「答え合わせ」をしてみせた。
「憲法がよって立つ基本原理すら理解せずに改憲を唱えている安倍総理に教えて差し上げます、法の支配の対義語は『人の支配』です!権力者の専断的行為によってルールを捻じ曲げて、国民の権利や自由を侵害する、そういう時代がかつて人類にあったから、近代立憲主義に基づく憲法をつくる。その近代主義の憲法が基づく理念が、法の支配の原理なんですよ」
なお、「法の支配」の辞書的意味は

「イギリスの法律家コークが、国王は神と法の下にあるべきであるとして、ジェームズ1世の王権を抑制して以来、『人の支配』に対抗して認められるようになった近代の政治原理」(広辞苑第7版)
だとされている。

小西氏はメディア露出の少なさに不満
そのうえで、小西氏は「出題意図」を明かした。
「安倍総理が対義語を答えられなかったことに国民の皆さんも驚いておられると思いますが、私、予測していたんですが、今から6年前に安倍総理は、日本国憲法で一番大切な憲法13条を1ミリも理解せず、答えることもできず、まさに国民にとって悪夢そのものの答弁をなさったんですね。なので『法の支配』の対義語を知らないのかなー、と思ったら、やっぱり知りませんでした!」
安倍氏は

「勝手にいろんな憶測をしたうえで批判をする、あるいは、かなり人格的な批判をするということは、これは、まだ若い議員であられますから、将来を思えば、そういうことは控えられた方がいいのではないか」
と反発したが、小西氏は

「愚直にやってきただけの人間だが、安倍総理に人生を説かれるほど、私は堕ちていない」
とやり返した。

小西氏は、質疑の様子をツイッターで
「憲政史上の大事件」
「私の質疑の後、安倍総理は明らかに元気がなかった」
などと振り返り、メディアの露出が少なかったことに不満をもらした。

「カルロス・ゴーン氏の保釈よりも、安倍総理が『法の支配』の対義語の『人の支配』を知らなかった事実の方がはるかに日本社会への重大事件なのだが、テレビ報道は残念な限りだ」(J-CASTニュース編集部 工藤博司)(2019/03/07付「J-CASTニュース」ここより)

190309nikkanngendai やっぱり?ところでこの話、「日刊ゲンダイ」では、「安倍首相また国会で赤っ恥「法の支配」の対義語を知らず」と、もっとセンセーショナルに書いている(ここ)。

日刊ゲンダイの“煽り?”と、読売/NHKの無視。国民にとって、どちらが良いのだろうか・・・
言うまでも無く、府民無視の大阪クロス選と同様、政治家を選ぶのは我々国民(府民)である。

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コメント

久しぶりに胸の空く記事、有難うございました。日本の政治がこんなにおかしくなっていくのに、議員たちの質疑が生ぬるくて、国会は死んでいると思っていました。小西議員の発言を全く知らずにいました。この文章を読んで胸が晴れました。安倍さんも人間なのですから怖がらずにピシッと正しい事を教える人がいて欲しいとつねづね思っていました。戦犯だった岸を総理にした日本人も何故かおかしいと私は思っています。どこか一本芯が抜けている国民なのかと思っていましたが、小西議員の発言を読んでホッとしました。ここに書いて教えて下さったエムズ様、有難うございました。

【エムズの片割れより】
当サイトのゴッドマザー・白萩さんからホメレレチッタ!!

投稿: 白萩 | 2019年3月 8日 (金) 23:52

 白萩さま
  こんにちは

 エムズの片割れさまが
       記されたこと
   白萩さまが コメントされたこと
     全く 同感です

  小西洋之参院議員の予算委員会での質疑応答

 http://www.asyura2.com/19/senkyo258/msg/249.html

  でみれます

  ほんとうに この世の中かわってほしいですね  
    いや かえたいですね
 


投稿: 能勢の赤ひげ | 2019年3月 9日 (土) 13:06

 自民の二階さんのニュース見ましたか?
安倍さんの自民総裁4期あってもいいと言っていましたね。
もしかしたらこれは二階さんの裏腹ジョーク?

 いやまてよ、これはもしかしたら、政権が代わる布石を打ったのでは、二階さんは隠れアンチ安倍派?
 いやまてよ、国民に安倍政権を問うため、これで自民が選挙で勝ったら、怖いもの無しを考えている?
二階さんはしたたかだから、何を考えているのか?

と、まあ考えてしまったのです。

 イジースアシュラ2機で4389億円、さらにトランプ氏は試験施設の建設費の要求、軍事産業で成り立っている(?)アメリカの言いなりの安倍内閣、国民の税金は自分のお金?

投稿: patakara | 2019年3月12日 (火) 20:05

エムズ様
 私、音楽大好き人間です。エムズ様の音楽に関する記事や発信、よく拝見しております。自分の音楽生活を豊かにさせてもらっていますが、社会・政治面での発信は、恥ずかしいことにあまり見てはいませんでした。(^_^; 
 現在の世相を憂える中で、最近この方面の発信に気が付きまして、とても嬉しく、心強く思っています。時の政権を批判し誤りを正していく、それがジャーナリストの精神。でもそうした精神を掲げたメディアがあまりにも少ないのが残念でなりません。安倍首相は、国民一人一人の思いや希望、人生、国の行く末にあまりにも無頓着ではないかと感じています。国会の答弁を聴いてそんな心ない人格が見えてきます。メディアはメディアで、政官の不正を正すよりも、芸人や個人のスキャンダルを大々的に報じてばかりで、国の行く末を案じる報道は少なすぎます。
 エムズ様が取り上げた「法の支配」の件もそうですが、安倍首相の憲法というものの理解もなっていないと思います。憲法は国家運営の指針。そんなことも分からずに、自衛隊員の子どもが「お父さんは憲法違反なの?」と悲しむ様子を挙げて、自衛隊を憲法に明記して自衛隊員に報いてあげるといった、お粗末な筋書きを説いています。憲法ってそんな安っぽいものですか。安倍首相にとってはそんな安っぽいものなんでしょうね。
 音楽を愛する人は、批判精神も豊か。エムズ様の発信を拝見して改めて感じます。これからもよろしくお願いいたします。

【エムズの片割れより】
恐れ入ります。
でも、新聞やTVのニュースを見て、読みたくない、テレビを見たくない、という世の中は、やはり何かヘン。
国民の代表が、真に国民を思って政策を実行していれば、ニュースを見て国民は応援したくなるもの。
そんな世の中が待ち遠しいです。

投稿: 高橋虫麻呂 | 2019年3月18日 (月) 16:00

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