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2019年2月24日 (日)

「父の浮気発覚後の母が見苦しい」~上野千鶴子さんの回答

昨日(2019/02/23)の朝、起きて居間に行くと、カミさんが開口一番、この記事を読めという。それほど、胸を打ったようだ。

「(悩みのるつぼ)父の浮気発覚後の母が見苦しい
相談者 男性 20代
 20代男性です。
 父が浮気をしました。僕と母を連れて行かない寿司(すし)屋で女性と2人でご飯を食べたらしく、体の関係は無いようです。
 そのことに母は激怒し、僕を居間から出しては、話し合いがされていました。
 僕は面倒に巻き込まれるのがイヤだったので静観していました。ですが内容は母から聞いていました。
 どうやら父は、その女性とメールのやり取りをしていたらしいのですが、そのメールを軒並み削除したらしく、それが更に母を怒らせたようです。
 2週間ほどの冷戦を経て、父と母は改めて指輪を新しく発注してはめ、仲直りにと2人で旅行に出たのです。
 これで一件落着かと思いきや、母が「女性とのメールを削除していたことがどうしても許せない」とまだ怒りを残していたのです。それを聞いた僕は、さすがにあきれました。
 指輪を作って更には仲直りに旅行までして、きっちりとけじめをつけたはずなのに、まだ許していないのです。
 我が母ながら見苦しいと感じています。いっそしばらく家を出てシェアハウスにでも行き、頭を冷やしてきてほしいくらいです。
 このままだと家の空気が重くて生活ができません。こんな母を、僕はどうすればいいでしょうか。

○回答者 社会学者・上野千鶴子 感情の帳尻が合わぬ限り続く追及
 にんまりしちゃいました。「僕と母を連れて行かない寿司屋」って、きっと高級店のカウンターなんでしょうねえ。わたしが行きつけだった京都の板前割烹(かっぽう)では、大将が「こんなうまいもん、ヨメはんに食わすバカはおらん」と豪語していました。事実、相席する客はワケありのカップルばかり。そんなに高額の投資をしているのですから「体の関係は無い」なんてことはありませんよ。さる事情通によれば、寿司屋と焼き肉屋に来るカップルは「できてる」そうです。それでも「絶対無い」とシラを切り続けるのが男のマナー。覚えておいてください(笑)。
 裁判所の和解じゃあるまいし、今後絶対むしかえさない、なんて契約は人間関係の中にはありません。なぜならいくら指輪や旅行をプレゼントされても、感情の帳尻が合わないからです。一生のあいだ、ことあるごとに「あのとき、あなたは」とねちねちとくりかえされる……。それが感情記憶というものです。これも覚えておいてください。
 「メールを削除」したことで怒ったって? 「けじめをつけた」のなら、記憶は消去するのがルールでしょうに。メールを残しておいたらどうなるのでしょうね。動かぬ証拠としてあとから責め続けるための物証を、勝手に証拠隠滅したのが許せないってことでしょうか。そこまで追及の手が深い妻ならなおさら、夫が「体の関係は無い」と言い張ったのは賢明です。
 島尾敏雄の小説『死の棘』の妻のように、性行為まで微に入り細にわたって追及されますから。この作品の妻は、浮気した夫をことあるごとに追及し、「記憶にない」もウソも許さず、狂気と見紛(みまご)うばかりに追い詰めます。このぐらいの追及力、国会でも野党に持ってほしいものですねえ。
 はい、「けじめをつけたはずなのに」「見苦しい」です。でも、その母を見たくないから、母に出て行ってほしい、は本末転倒。それより20代にもなった(そこまで育ててもらった)あなたが家を出て行けばいかが? どのみち家は両親の家なんでしょう?
 いい年をして両親と同居しているほうが問題でしょう。母をどうこうするのは、息子のあなたの役割ではなく、夫である父の役割。夫婦のことは夫婦間で解決するしかありません。息子であっても立ち入る余地はありません。
 夫婦という名の男女の泥仕合を見ながら、あなた自身の将来の夫婦関係について学ぶよい機会ですね。」(
2019/02/23付「朝日新聞」b10より)

カミさんは、この上野さんの回答に大満足。特に「このぐらいの追及力、国会でも野党に持ってほしいものですねえ。」が気に入ったみたい・・・

先日、「黒川伊保子著「妻のトリセツ」をどう読む?」(ここ)という記事を書いた。この相談者の、実家に巣くっているスタンスについては、自分も上野さんと同意見だが、夫婦間のことは永遠の課題であることは間違いない。
良く言われるように、頭の動きが、男女では原理的に異なっているのだろう。
前にもたぶん書いたと思うが、昔の上司の言葉をまたまた思い出した。
「女は人間じゃ無いね。ありゃ女族だ。感情が細かく上下しながら、大きく上下にうねる。」

まあ感情のうねりは、男はどうしようも無い。しかし結婚してしまった責任は一生涯付いて回る。それは自業自得というもの。
この父が何歳かは知らぬが、ま、一生言われるね。ヘヘヘ・・・

浮気の才覚も無く年金生活に入ってしまった自分は、「ざまあみろ」の心境である!?

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コメント

エムズの片割れ様
雪国のわび住まいの身に朝から笑いの提供をありがとうございます。
上野千鶴子さんの名回答に敬意の念さえ湧きあがります。又 美輪明宏氏の回答にも毎回感銘を深くしています。

しかし 相談者のご両親はまだお若いのでしょうね。指輪を作り直し 仲直り旅行までしたとは!!。

浮気体質の男性と思われるので過ちは繰り返します。

上野千鶴子さんの回答にも増して秀逸なのは
エムズの片割れ様の独り言。

「浮気の才覚も無く年金生活に入ってしまった自分は、「ざまあみろ」の心境である!?」
溜飲を下げた殿方の姿が想像されます。

裏返せば  そのようなアバンチュール願望も意識化に潜んでたという事でしょうか?
世の多くの殿方のように?

何はともあれ 平穏無事なエムズ様ご夫妻の日常を寿ぎます。

【エムズの片割れより】
自分の人生は、既にカミさんの手の中。仏さまの手から脱出出来ない孫悟空の話を思い出します。
もう抵抗はしません!

投稿: りんご | 2019年2月25日 (月) 09:52

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