厚労省の不適切統計は、担当職員の減少が根本原因かも?
連日ニュースで話題となっている厚労省の毎月勤労統計で不適切な調査問題。その根本には、役人がそうせざるを得なかった何かがあったような気がして、Netでググっていると、こんな記事がヒットした。
「不適切統計は厚労省だけなのか 担当職員の減少で精度の甘さも…省庁横断的な統計部局が必要だ
厚生労働省の毎月勤労統計で不適切な調査が長年続いていたことが明らかになった。報道によれば、1996年から全国3万3000事業所を調査すべきところを3万事業所しか調査しないなどの不適切な調査が行われていたという。従業員500人以上の事業所は全数調査がルールだが、2004年からは、東京都内の1400事業所のうち3分の1だけを抽出していたとされる。 なぜこんな事態になったのか。まず政府の統計職員数について、国際比較の観点からみてみよう。総務省の資料によれば、国の統計職員数は1940人(18年4月1日時点)。省庁別では、農林水産省613人、総務省584人、経済産業省245人、厚労省233人、内閣府92人、財務省74人、国土交通省51人などである。
なお、04年でみると、農水省には4974人の統計職員がいたが、農業統計のニーズの減少のため、これまで4000人以上を削減してきた。他の省庁でも若干の減少である。今回問題になった厚労省は351人の職員がいたが、今や233人に減少している。
日本政府の統計職員数は1940人であるが、これは人口1000人あたり0.02人である。データはやや古いが、12年でみると、米国0.04人、英国0.07人、ドイツ0.03人、フランス0.10人、カナダ0.16人であり、日本の現状は必ずしも十分とはいえない。
どこの世界でも同じだと思うが、統計の世界でも、従事人員の不足は間違いを招くという有名な実例がある。1980年代の英国だ。政府全体の統計職員約9000人のうち、約28%にあたる2500人を削減したところ、80年代後半になって、国民所得の生産・分配・消費の各部門の所得額が一致せず、経済分析の基礎となる国民所得統計の信頼が失われてしまった。
厚労省の毎月勤労統計で、都内の従業員500人以上の事業所について「全数調査」から「3分の1抽出」に切り替えたというのも同省の統計職員の不足が背景にあるのではないか。実際、厚労省の統計職員は大きく減少している。
農水省の統計職員が減少するのはある程度理解できる。かつては、詳細な農業統計が求められたが、そのニーズが減少したからだ。本来ならば農水省の統計職員を他省庁の統計職員に振り替えるべきだったが、日本では各省ごとに統計が分散しているので省庁の壁があり、人員を配分することができなった。
統計職員の減少の影響は、今回の毎月勤労統計以外の統計でも心配事だ。総務省の家計調査はサンプル数が少なく、ブレが大きいことがしばしば指摘されている。また、総務省の消費者物価統計も海外から精度が甘いと指摘されている。
統計の信頼は急務である。省庁の縦割りを廃止し、省庁横断的な統計部局を作り、統計職員を確保した上で時代のニーズに対応した統計作成が求められている。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)」(2019/01/18付「夕刊フジ」ここより)
今問題となっているのは、全数調査が前提なのに、その1/3を単純に切り棄てたこと。それで値が動いた。最初から、1/3の調査結果を3倍しておけば、それほどのズレは無かったはず。そもそも全数調査という前提が、ダメ。単なる統計なので、統計理論によって、最初から抽出による統計にして、そのことをオープンにしておけば良いこと。日経平均株価と同じこと。それを後から辻褄を合わせようとするから、おかしくなる。
性善説に基づけば、役人は自分たちの失点につながりかねないごまかしを、自ら進んでやることは無いだろう。保身の意味でも。しかし、それを実行したという事は、せざるを得なかった事情があったとしか思えない。それが「予算の削減、統計職員の人員削減」だったのだと想像する。
04年から18年の14年間で、「厚労省は351人の職員がいたが、今や233人に減少している」という。
この不適切は、1996年からスタートしていたというので、その時に何があったかは分からない。何かの変化点があったのかも知れない。
大企業の検査のごまかしの話も多い。これも根は同じ。日産もそうだが、コストカット=人員削減により、現場への負担は多くなる。会社の上層部は、「減らせ!」という号令で済む。しかし現業部門は、そうはいかない。タダ残をするか、手を抜くか、それくらいしか方法が無い。「出来ない」と言うと、無能者のレッテル。よって、追い込まれて不正に手を染める。しかし、それが表面化するや、指示をしたトップは、責任を現場に押し付ける。
まったく決まり切った展開である。
今回の事案も、責任を取るべきは、トップであろう。それは首相であり大臣や次官・局長・・・。
それが、相も変わらず末端の担当者に責任を押し付けているのは、財務省の改ざん事件と同じ。
国の総理大臣が、その模範を示しているので、企業のトップもそれにならって後を追う。
どうしようもない国に成り果ててしまった今の日本ではある。
●メモ:カウント~1190万
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コメント
エムズの片割れさま
こんばんは ご無沙汰でございます
云われてること
その通りです
いつからでしょうか 上が責任をとらなくなったのは
怒りと悲しみにふるえています
ーー民、信なくんば立たず
ーー国を治むるはなお樹を栽うるが如し
--国を治むる者は田をくさぎるが如し、
苗を害する者を去るのみ
--兵は凶器なり、争いは逆徳なり
--天網恢恢、疎にして失わず
など 今の政権の馬鹿ども
恥を知れ と怒鳴っています
先人の よき言葉を噛みしめながら
【エムズの片割れより】
日刊ゲンダイに、厚労省問題で安倍首相について、こんな記事がありました。
「・・・政治評論家の野上忠興氏はこう言う。「モリカケ問題で逃げ切ったという成功体験があるので、今回もジッとひたすら我慢して嵐が過ぎ去るのを待つ、ということなのでしょう。・・」
モリカケ問題で「成功体験」!!
国民もなめられたものです。
投稿: 能勢の赤ひげ | 2019年2月 1日 (金) 22:13
オイオイ、モリカケ問題はいつ終わってしまったのだ!!御冗談しょ。次から次へと自分勝手な問題を起こして解決させない様にしている、国民の公僕になぜお縄を掛けないのだ。この腐った政治を当たり前だと思っているのは一握りの政治家だけではないですか。モリカケのきっかけを作った昔のお嬢さん出てきてくださいよ。国民は納得していませんよ!!
【エムズの片割れより】
相変わらす、白萩さんは元気!
投稿: 白萩 | 2019年2月 8日 (金) 21:43