「八王子将棋クラブ」42年間の歴史に幕
多くの名棋士を生んだ「八王子将棋クラブ」が、昨日(2018/12/24)42年間の歴史に幕を閉じた。
「羽生前竜王ら輩出「八王子将棋クラブ」42年間の歴史に幕 最終日は入場規制も
将棋の羽生善治前竜王(48)ら多くの棋士を輩出した名門道場「八王子将棋クラブ」(東京都八王子市)が24日、最終営業日を終えて42年間の歴史に幕を閉じた。
最後の日まで受付に立ち、子供たちの対局票に勝敗を付けた席主の八木下征男さん(75)は「寂しさはあります。子供たちと離れなくちゃいけませんから」と語りながら「子供たちが巣立っていく将棋道場は、私にとって何よりもやりがいのある仕事でした」と穏やかな笑顔で振り返った。
別れを惜しむ来場者が殺到したため入場が規制され、営業を終了した午後4時40分の約2時間半前には受付を終了。OB棋士の村山慈明七段(34)、増田康宏六段(21)も来訪し、八木下さんに感謝を伝えていた。」(2018/12/24付「スポーツ報知」ここより)
上の記事によると、24日の最終日には村山七段、増田六段が来訪したというが、1日前の23日には、羽生善治前竜王が訪れたという。
「無冠になった羽生善治前竜王が原点の「八王子将棋クラブ」で再出発の一手
将棋の羽生善治前竜王(48)が23日、今年限りで閉所される出身道場「八王子将棋クラブ」(東京都八王子市)をサプライズ訪問した。21日に竜王を失冠し、27年ぶりの無冠に転落してから2日。7歳の時から通う場所で来場者と交流し、原点回帰。恩師の席主・八木下征男さん(75)に感謝を告げ「自分自身は前に進んでいかなくちゃいけないと思っています」と未来を見据えた。クラブは24日、最終営業日を迎える。
四方から駒音が鳴る場所に現れた羽生は、別れを惜しむ来場者たちの前であいさつをした。「大変残念ですけど、長年にわたって道場を続けてこられた八木下さんに心から『お疲れ様でした』とお伝えしたいです」。思い出の詰まったクラブは拍手に包まれた。 永世7冠が姿を見せたのは午後0時36分。山口県下関市で行われた第31期竜王戦7番勝負第7局で投了を告げ、無冠になったのが21日午後6時49分。わずか42時間後。恩師は「無理しなくて大丈夫ですよ」と声を掛けたが、約束は守るのが羽生の流儀だった。
指導対局では子供ら7人と盤を挟み、丁寧に教えた。「道場の風景も雰囲気も変わってないですね。まだ小さい子供たちが通っているんだな~と思いました」 クラブは1977年に開所。羽生は翌年から通い、将棋の魅力に触れ、棋士への道を歩み始めた。「クラブ、八木下さんと出会わなければ将棋の道には進んでいません」。計13人の棋士が巣立つ名門になったが、ビルの老朽化による改修工事と八木下さんの体調を考慮し、幕を閉じる。「寂しいですし、時間がたてば違う感慨が生まれるのかなと思います」。八木下さんは「羽生さんが来てくれていなければ、とっくに畳んでいました。本当に感謝しています」という言葉を繰り返した。
27年ぶりの無冠となり、42年間続いた大切な場所は歴史に幕を下ろす。「クラブが閉じてしまうのは私にとっても大きな節目です。でも、(無冠は)自分自身にとっても残念なことではあるんですけど、自分自身は前に進んでいかなくちゃいけませんので」
羽生は午後5時の営業終了までクラブに残り、懐かしい記憶を辿った。2日前、絶望と屈辱を見つめていた表情は、少年の頃のような笑顔に変わっていた。(北野 新太)」(2018/12/24付「スポーツ報知」ここより)
時代の流れなのだろうか・・・
竜王戦には、何とか勝って欲しかった羽生さんだが、残念な結果だった。まさに天国と地獄の一戦。勝負の世界は非情だ。
自分も、せめて将棋の勝ち負けが分かったら、もう少し楽しめたかも知れない。しかし将棋は自分にとって全くの門外漢。
しかし自分の人生では「将棋」という言葉は身近だった。親父が現役時代の会社の将棋の会に入っており、「会社に大山さんを呼んだ」と得意げに話していたのを、いまだに覚えている。そして、その時以来、我が家の床の間にはデーンと大山さん直筆の色紙。
我が家では、親父も兄貴も息子も将棋を指した。特に親父は若い時から膨大な本を買って勉強。死ぬ直前まで「(強くなった)孫に一矢報いなければ」と将棋の本に朱線を入れて勉強していた。(脳溢血で亡くなった枕元にその本が残されており、お棺に入れた)
近くにあった「八王子将棋クラブ」が無くなり、羽生さんもタイトルを若手に譲った。羽生さんがこれで終わるとは思っていないが、藤井さんのように、若手の台頭も著しい。
ふと「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人とすみかと、またかくのごとし。」という方丈記の一節を思い出した。
何となく、寂しい年の瀬である。羽生さんの早期の復活を祈念!
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