日弁連の「憲法を詩おう♪コンテスト」入選作
先日の朝日新聞の記事である。
「憲法ソング、小1が大賞 茨城の7歳が詩、谷川賢作氏が曲
「憲法を詩(うた)おう♪」と日本弁護士連合会(日弁連)が募集した詩の大賞に、小学1年生の作品が選ばれた。詩人の谷川俊太郎氏の息子で、作曲家の谷川賢作氏が曲を付け、「憲法ソング」として12月1日のイベントで披露される。 390点の応募作から大賞に選ばれたのは、茨城県土浦市の尾池ひかりさん(7)。「ひいばあちゃん」が戦争中、機銃掃射から何とか逃げ延びた話を紹介し、「ひいばあちゃんがいきたから おばあちゃんがうまれ、おかあさんがうまれ、そしてわたしがうまれた」と書き、「いのちをつなぐけんぽう」が「このままのけんぽうであること」を願うと結んだ。
谷川氏が曲を付けた歌は、12月1日に東京都港区のサントリーホールで開く表彰式で発表される。日弁連のホームページでも発信するほかCD化する予定。
当日は、詩の審査員を務めた憲法学者の青井未帆・学習院大教授の講演もある。先着400人で無料。問い合わせは、日弁連(03・3580・9507)へ。(岡本玄)」(2018/11/21付「朝日新聞」夕刊p6より)
日弁連のHP(ここ)を見ると、このコンテストはこんな主旨だったらしい。
「日本国憲法企画 憲法を詩おう♪コンテスト 【憲法詩(ポエム)募集】
憲法を詩おう♪コンテスト
「古希」を超え、なお平和と人々の自由、人権を支え続けている日本国憲法。
その理念・役割を評価し、大切さを謳う<憲法詩(ポエム)>を募集します。
大賞受賞作品には曲をつけて<憲法歌(ソング)>にします。広く末永く歌い継がれるものにしたいと思います。みなさんの「日本国憲法への思い・願い・望み」を詩(ポエム)に託して自由に創作してください。
たくさんの応募をお待ちしております!
テーマ 「日本国憲法」
自由や人権、平和を支え続ける日本国憲法の理念や役割をテーマに、日本国憲法の大切さをうたう詩(ポエム)を創作してください。」(ここより)
日弁連のHP(ここ)に入選作が載っているので、少し読んでみよう。
★大賞★<小学生以下の部 金賞>
尾池ひかりさん 7歳 (茨城県)
わたしはせんそうをしらない。
おかあさんもしらない。
おばあちゃんもしらない。
でも、ひいばあちゃんはしっている。
えきでへいたいさんをみおくったかえり、ひこうきがとんできて
「きじゅうそうしゃ」でやられそうになったって。
はしってはしってはしってようやくにげたって。
ひいばあちゃんがいきたから
おばあちゃんがうまれ、
おかあさんがうまれ、
そしてわたしがうまれた
へいわをまもるけんぽう
いのちをつなぐけんぽう
わたしがおおきくなっても
このままのけんぽうであること
それがわたしのねがい
<中学生・高校生の部 金賞>
男性 15歳(東京都)
「暴走」
力を持てば誰だって
権力行使 戦力投資
止まらない暴走
走り出す奔走 戦争
戦争という悲劇を100年先まで伝えていこう
憲法、止めるのは暴走
焦燥、権力者の陰謀
止められるのは私たちの憲法
止めないで考察
全てに意味を見出して
今日という平和を100年先まで続けていこう
<中学生・高校生の部 銀賞>
男性 14歳 (東京都)
憲法変えなきゃいけないの。
70年前アメリカから押し付けられた憲法だからなの。
大人が変えたいと言ってるよ。
憲法は誰のもの。
僕は、生まれながらに「人間らしく生きる権利」をもってるし、
学問や宗教、表現の自由もある。
潜伏キリシタンはもういない。
でも、義務はあるけど、平和が一番だ。
9条を変えるってなんでなの。
戦争なんてもってのほか、ちゃんと戦争放棄って書いてある。
軍隊もたないけど自衛隊はある。
よくわからない。
この国を治めるのは誰。
王様でも国会議員でもないよ。
国民である僕たちだ。
だから、憲法をみんなで考えよう。
そうしないと18歳になっちゃうよ。
今、当たり前のことが、当たり前でなかった時代があったんだ。
<大学生・社会人の部 金賞>
男性 71歳(東京都)
「雑巾のように」
ワシの名前は「憲法」だ
古稀を過ぎてるジジイだが
まだまだカクシャク元気だぞ
大事にしてくれているあなた
神棚の上に祭り上げ
触りもせぬのはやめてくれ
どうしてほしいか聞かれれば
答えは簡単、雑巾だ
雑巾のように使うのだ
暮らしのすみずみ、国の窓
ゴシゴシ磨きをかけるため
毎日使ってほしいのさ
そちらの君はワシのこと
どうやら不満のようですな
邪険にされる身としては
ひとこと言わせてほしいのだ
ワシをどれだけ使つたか
案外使えるヤツですぞ
<大学生・社会人の部 銀賞>
女性 54歳(東京都)
「いま、新たな戦前」
娘がtwitterで呟く
「子どもの頃、夏休みに留守番してると
戦争のテレビばっかで、めっちゃ怖かったけど、この頃あんまりやってないね」
この20年で何かが変わった
娘の職場はガールズバー
お客さんが戦争に行ったら
彼女はとても悲しむだろう
私の兄は
作業所の給料と年金で暮らしている
吹けば消えそうな
しょうがい者福祉のお陰で生き延びている
若者は「最低賃金を時給1500円に!!」と叫ぶ
健康で文化的な最低限度の生活を求めて
この憲法じゃダメですか
そんなに戦争がしたいのは誰ですか
今こそ
平和と自由と人権を
もっと豊かに花開かせる時
娘の職場はガールズバー
お客さんが戦争に行ったら
彼女はとても悲しむだろう
どの作品も、憲法の大切さを歌っている。
結局、無関心が最大の敵、ということなのだろう。
我々主権者たる国民が、憲法をどう考えるのか。
どう政治を動かしていくのか。
選挙を通し、常に問われている。
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