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2018年10月20日 (土)

「川ごみが海をよごす」~大阪商業大学准教授 原田禎夫氏の話

今朝(2018/10/20)の朝日新聞の社説は、プラスチックゴミの話。
「(社説)プラごみ戦略 「大国」に見合う対策を
 プラスチックごみを、どう減らしていくか。その鍵を握るプラスチック資源循環戦略の素案を環境省がまとめた。
 2030年までにレジ袋やストローといった使い捨てプラスチックの排出量を25%削減し、プラスチック製容器包装の6割をリサイクルや再利用する。こうした数値目標を政府が掲げるのは初めてだ。絵に描いた餅に終わらせてはならない。
 海にプラスチックごみが流れ込むと、波や紫外線で砕けて5ミリ以下のマイクロプラスチックになる。これが有害物質を吸着して魚介類に取り込まれ、食物連鎖で人間を含む多くの動物に悪影響を及ぼす恐れがある。
 地球規模の汚染を防ぐため、脱プラスチックの流れが強まっている。欧州委員会がストローやカップなどの規制案を出したほか、多くの国々が独自の対策に乗り出している。民間でも、世界的な飲食店チェーンがプラスチック製ストローを使わない方針を相次いで打ち出した。
 日本もこれまで、使用済みプラスチックの分別収集や有効利用などで、プラスチックの海洋流出の抑制に努めてきた。
 とはいえ、1人当たりの使い捨てプラスチックの使用量が米国に次いで世界で2番目に多い「プラスチック大国」である。率先して脱プラスチックに取り組む責任がある。
 その試金石の一つが、レジ袋をいかに減らせるかだ。
 日本人は1人あたり年間300枚とも400枚ともいわれるほど多くのレジ袋を使う。容器包装リサイクル法の下、有料化やマイバッグ配布などが小売業者に求められているが、あくまで自主的な取り組みだ。今回、有料化の義務づけを盛り込んだことは評価できる。
 ただ、その効果には限界がある。すでに有料化が広がりつつあるスーパーでも、レジ袋を辞退する人は約半数で頭打ちだ。レジ袋を禁止している海外の例を参考に、より効果的な規制を検討する必要があろう。
 循環戦略案には、植物由来のバイオマスプラスチックなど再生可能な素材に切り替えていく方針や目標も明記された。利便性やコスト面で代替が難しいこともあるだろう。しかし技術力で壁を乗り越えれば、新たなビジネスが生まれるはずだ。
 私たち一人ひとりの覚悟も問われている。プラスチックに過度に依存するライフスタイルを見直さない限り、問題の根本的な解決にはつながらない。
 「大国」の取り組みを、世界が見つめている。そのことを忘れてはならない。」(
2018/10/20付「朝日新聞」社説より)

そう言えば、先日、NHKラジオ深夜便で「川ごみが海をよごす 大阪商業大学准教授 NPO法人・プロジェクト保津川代表理事 原田禎夫(2017/02/04放送・2018/10/06再放送)を聞いた。このお話には、目からウロコ、という話が多かったので、あげてみる。

<NHKラジオ深夜便「川ごみが海をよごす」原田禎夫>

最近よく聞く「マイクロプラスチック」という言葉。意外と、我々の身近にある。

「・・・人工芝の破片。削れて短くなる。雨が降ったときに浮き、水路を伝って川に入り、海へと。悪意があって捨てられたものではない。そこが問題で、悪意が無いが結局自分が捨てていることになる。原因となっている場所と被害が起こっている場所が違う。よって気が付かない。ペットボトルも時間と供に紫外線を受けて劣化して粉々に砕け、マイクロプラスチックになっていく。
プラスチックその物が、製造過程で様々な添加物が含まれている。その添加物が及ぼす影響はまだまだ未知の部分がある。大量に摂取すると人体にも影響が考えられる。
知らず知らずのうちに食物連鎖の中で、我々は摂り込んでしまう危険性がある。小さなプラスチックをプランクトンが食べ、それを魚が食べどんどん濃縮されていくことは研究で明らかになっている。つまりは、プラスチックの持っている毒性も濃縮されて行く。元は石油なので有害物質を吸着し易いという性質がある。・・・・」

そして「洗濯した時に出る化学繊維の服のホコリ(欠片)も、マイクロプラスチック」という話には、愕然!?
確かにwikiで「マイクロプラスチック」の項にはこうある。
「家庭での衣類の洗濯による布からの合成繊維の脱落。下水道に流れ込む洗濯排水中のマイクロプラスチック粒子と環境中のマイクロプラスチックの組成との比較により、1 mm未満の粒径のマイクロプラスチック汚染の大半が脱落した合成繊維から構成される可能性があることが示唆されている。」

確かに、家庭で出るプラスチック類は分別して出しているので、関係が無いと思いがちだが、上の指摘のように、悪意が無くても、我々はたくさんのマイクロプラスチックを日々排出しているという事実を、先ず認識しないといけないようだ。

日本は一般的にきれいな国と言われる。確かにゴミが溢れているという場所は無い。それはたぶん近くの人が拾っているからだろう。
しかしペットボトルなどのポイ捨てが無いわけでは無い。我が家は大通りに面していることもあって、家の前の道路へのポイ捨てゴミは多い。毎朝、ウチのカミさんが常に気を配っている。どこもそうなのだろう。その道路の前に家の人が片付けているのだろう。それに甘えてポイ捨てをする人も居る。

上の放送の内容は、(ここ)にテキスト化されているが、我々もこの原田禎夫の話を機に、プラスチックゴミに対する意識を変えていかなければいけないと思った。

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