「集団的自衛権」は、天皇を靖国神社に参拝させるため?
先日、東海テレビ制作の「戦後70年 樹木希林ドキュメンタリーの旅『村と戦争』吉岡忍」(ここ)を、スカパーで見た。(ドキュメンタリーの秀作が多い「東海テレビ」を見られる名古屋が羨ましい~~~!)
樹木希林が、靖国神社を訪ね、東海テレビが1995年に制作したドキュメンタリー『村と戦争』を全編放送した後、ゲストのノンフィクション作家・吉岡忍氏と、戦争について対談していた。
その中で、吉岡忍氏のこんな発言があった。
<「樹木希林ドキュメンタリーの旅」より吉岡忍>
「靖国にいらして、樹木さんがね、天皇の問題ってどう考えました?
天皇がじかに日本を支配しコントロールしてきた時代って意外と少ないんですよね。平安時代くらいまでですよね。それ以降は武士の時代が出てくるし、それ以降はまさに近代に入ってくるわけですねど、そうすると僕は「天皇陛下万歳」って言って逝った英霊たちがあそこで祀られているんだけども、今起きている事っていうのは、集団的自衛権だとか、大きなアメリカと一緒に組んで軍事同盟でいくんだ、世界に出ていくんだっていう動きを見たときに、僕は天皇制との絡みでいって、今の政権は天皇を動かそうとしているんだなって思うんですよ。どういうことかっていうと、今靖国神社に天皇が行く事って無いですよね。「A級戦犯が祀られている所に私は行かない」と言って昭和天皇が参拝しなくなったという事実がありますよね。だけどこれからいろんな形で自衛隊が外国でアメリカ軍と一緒になっていろんな戦場に行くとすれば、必ず死ぬ人が出ますよね。戦場ですから。そうするとこの人たちをおそらくは靖国神社は祀るでしょう。そうするとこれが人数の問題じゃありませんけども、かなり重なってきたときに、いわば国のために死んだ人たちを天皇が無視する、参拝に行かないというわけにはいかなくなりますよね。ということは、今A級戦犯も同時に祀っている靖国に行くことになるわけですよね。あっ、そうなんだ。今のこの集団的自衛権の問題とかっていうのは、そいう意味では天皇を動かそうと、そういう動きとして見る必要があるんだなと思うんですよ。そういうことを靖国神社に行って感じませんでした?」
「天皇の側もそれを用心してられるんじゃないかって・・・・」
毎年、戦争を考える“8月”。靖国神社参拝の話題も多い。しかし、今の政権が、集団的自衛権など戦争への道を切り拓く動きを活発化させているが、「天皇に靖国神社参拝をさせようとしている一環」と見る考え方があるとは知らなかった。
言われてみると、なるほど、そんな思いで日本を動かそうとしている人たちがいるのかも・・・とも思う。
日本の色々な政治の動きを、後になって「知らなかった」と(孫世代に)言い訳したときは既に遅い。
我々主権者たる国民が、それらの動きをどう読み解いて(深読みして)、どう行動に結び付けるのか。我々自身に突き付けられている刃(やいば)ではある。
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