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2018年8月11日 (土)

ピアノ編曲版のメンデルスゾーンの「スコットランド」

最近、ピアノ編曲の交響曲に凝っている。自分がこれに凝り始まったのは、「ピアノ編曲による交響曲」(ここ)を書いた2011年11月の時から。それ以来、時たま思い出しては、CDを手に入れ、そしてスコアを買ったりした。
そして最近気に入っているのが、メンデルスゾーンの交響曲No3「スコットランド」。その第一楽章を聞いてみよう。これはメンデルスゾーン自身による編曲で、ゴールドストーン&クレモフによる4手連弾の演奏である。

<ピアノ編曲版のメンデルスゾーンの「スコットランド」#1>

この演奏は、美しい。まるで元々ピアノ曲であったかのように・・・

そもそも交響曲をピアノに編曲すると、音が多いために超絶技巧の音楽となってしまう。
前に買ってあったベートーヴェンの交響曲のリスト編曲によるピアノ版のCDだが、最近毎日スコアを見ながら、No1から順に聞いてきて、さっき第九を聞き終わった所だが、今回聞いたカツァリスの演奏は、まさに凄まじい。スコアの並ぶ音符の数も膨大だが、それを弾きこなすピアニストの技量も、素人にはうかがい知れない。
180811score0 あんなにたくさんの音符を、あんなに早く、間違いなく弾けるのは、音符が頭に入っているのか?いや、あんなに膨大な音符が入るわけが無い。とすると、見ながら?人間わざとは思えない。でも、リストが編曲して、それ以来数々のピアニストが演奏してきたはずなので、可能なのだろう。人間の能力の偉大さを改めて認識する。

このところ、ピアノ編曲のスコアを色々と買ってみたが、それはオーケストラのスコアでは、音楽に目が付いて行けないから。ピアノ版なら音符が少ないので、目で音楽に合わせて追っていけるだろうと思ったのだが、いやいや難しい。つまり、繰り返しの部分で見失う。
改めて、クラシック音楽は、如何に繰り返しが多いかを知った。その中で、リピート記号はまだ分かるが、D.C.やCodaになると、あっと言う間に見失う。ピアノ編曲版でも、素人は目で音符を追うことも難しい事が分かった。

もちろん自分は何の楽器も出来ないが、音符を追うことは昔から好きらしい。最初にスコアを買ったのは確か第九。本棚を探したら「昭和39年5月3日 御茶ノ水・石橋楽器店」で、400円で買った本が残っていた。昭和39年というと高校2年の時である。つまり、その時から音符を目で追うが好きだったようだ。(写真は、自分の好きな、第九の第一楽章の終わりの部分)

180811score1 180811score2 180811score3

歌でも、他の歌手がカバーして歌うことが多い。しかし、オリジナルを超えることは少ない。
交響曲のピアノ編曲版も、そもそも簡単にオーケストラで演奏することが難しかった時代に、その代用として編曲、演奏されたもの。
よって、まあ異端の音楽ではあるかも知れない。しかし、こんな楽しみ方もあるということ・・・
繰り返すが、ピアノ版の交響曲の演奏は、すごい。あれだけの音符の中から、きちっと旋律を浮かび上がらせるのだから・・・

●メモ:カウント~1150万

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コメント

1昨年、NHKEテレの「らららクラシック」がリスト特集をしたとき(2016/2/27)、この番組でリストが、交響曲から歌曲、オペラにいたるまでたくさんの曲をピアノ曲に編曲していることを知りました。番組の中ではシューベルトのアベマリアとベートーベンの第九の、リスト編曲によるピアノ曲が紹介されたあと、ワーグナーの歌劇「タンホイザー序曲」(リスト編曲によるピアノ曲)がユリアンナ・アウデーエワ(ロシアのピアニスト?)による演奏(演奏会場からの収録)がありましたが、エムズさんのおっしゃるように、交響曲をピアノ曲に編曲すると、音符の数が増えるためなのでしょうか、このタンホイザー序曲の、彼女の演奏はもの凄いスピードの、超絶技巧の演奏でした。ショパンとリストを比較した、最近のらららクラシック番組(2018/8/10)によると、リストの手というのは、ショパンの手よりも、倍とはいわぬまでも、はるかに大きな手をしていて、超絶技巧に向いている(?)んですね。(ちなみに、この番組ではじめて知ったのですが、1歳違いのこの二人は若いとき親友だったようです。)交響曲のピアノ曲への編曲で思い出したのですが、日本にはオーケストラで演奏されるクラシック曲をポップスにアレンジして歌っている歌手がいるんですね。先日のらららクラシック(8/17)ではポップス歌手の平原綾香をゲストに迎えて、彼女が歌うホルストの「ジュピター」、ヴィヴァルディの「四季より"春"」、バッハの「ティンバロ協奏曲第5番」、ラフマニノフ「交響曲第2番」の、彼女が作詞し、ポップスに編曲したのものを聴きました。ポップスにアレンジされたクラシック曲というのは決してめずらしいわけではなく、昔もザ・ピーナッツが歌う「情熱の花」(原曲はベートーベンの「エリーゼのために」)とかを歌っていましたが、この曲はもともとカテリーナ・バレンテが歌っていた曲のカバーです。平原のように、クラシックから直接編曲し、歌詞をつけたオリジナル(?)を歌っていたわけではありません。

【エムズの片割れより】
平原綾香の「ノクターン(カンパニュラの恋)」はモーツァルトの夜想曲第20番「遺作」からの編曲ですが、これは素晴らしかった!!

投稿: KeiichiKoda | 2018年8月24日 (金) 11:53

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