「育児、ママじゃなきゃダメなの?」~あまんきみこ著「天の町やなぎ通り」
これもだいぶん前だがこんな記事があった。
「(ニュースQ3)育児、ママじゃなきゃダメなの?
「0~3歳児の赤ちゃんにパパとママ、どっちが好きか聞けば、どう考えたってママがいいに決まっている」。国会議員のそんな発言が物議を醸した。確かに、赤ちゃんの世話は母親が主という家庭が多いが、これは普遍的なのか。
■政治家の発言物議
「お母さんたちに負担がいくことを前提とした社会制度で底上げをしていかないと、言葉の上で『男も育児だ』とか言っても、子どもにとっては迷惑な話かも」「子どもがお母さんと一緒にいられるような環境が必要」
5月末、宮崎市で開かれた自民党県連の会合で、萩生田光一幹事長代行(54)はこんな風に語った。ツイッターでは男女双方から異論が噴出した。
小4と小1の娘がいる東京都葛飾区の坪井博一さん(45)は「生まれた直後から、授乳以外は『ママじゃなきゃ』なんてことは一つもなかった」と語る。
派遣社員だったが、深夜残業や休日出勤が増え、「家族ともっと関わりたい」と長女が2歳の時に退職。自宅で仕事を始め、会社員の妻の復職後は、保育園の送り迎えや食事の支度などを担った。娘たちは今「パパべったり」だ。
だが、父親の存在感が薄い家庭が多いのも事実だ。「小さいうちから育児しないと、どんどん関わりづらくなる。家事や子育ての得意不得意は、性差より個人差が大きく、『母親がやるべきだ』という価値観に追い詰められる人もいる。そういう現実を変えるのが政治家の仕事では」
■「3歳児神話」否定
科学的にはどうか。親子関係を研究する遠藤利彦・東京大教授(発達心理学)は「どんな時でも受け止めてくれる養育者の存在は、子どもの心身の発達に重要。ただ、母親でなけ ればならないわけではなく、父親や血縁関係のない保育者でもいい」という。「生物学的には、ヒトの子どもは未熟で自立までの期間が長く、家族や血縁者以外も助け合う『集団共同型』の子育てが基本だ」
3歳まで母親が子育てに専念するべきだという「3歳児神話」は、20年前の厚生白書で「歴史的に見て普遍的なものでもないし、たいていの育児は父親(男性)によっても遂行可能」と否定された。
ただ、遠藤教授によると、今の学生の間でも、「母親が育児に専念した方がいい」という考え方は根強い。「自分の経験から、それが唯一の理想の形と思いこんでいる。ロールモデルが増えれば変わっていくのでは」
■「原因」に目向けて
0~1歳の子がいる3千世帯を対象にしたベネッセと東京大学の調査(2017年)では、平日の子育て時間は母親の7割が10時間以上だったのに対し、父親は2時間未満が7割。他の調査でも、日本では他の国と比べて母親に負担が偏っていることが明らかになっている。
子育て世帯の生活調査をしている藤田結子・明治大教授(社会学)は「日本では、会社に長くいる人が評価され、男性の育児に理解のない上司も多い。『夫に関わってほしいけど無理』というあきらめから、家事や育児を引き受けている女性も少なくない」と指摘する。「母親になつくのは、育児を担ってきた『結果』かもしれない。政治家なら、『原因』に目を向けてほしい」(仲村和代)」(2018/07/04付「朝日新聞」P29より)
「三つ子の魂百まで」ということわざがある。広辞苑によると「幼い時の性質は老年まで変らない。」とある。
犬も同じで、「動物の愛護及び管理に関する法律」では、生後56日未満の犬や猫を親から離してはならない、としています。しかし移行措置により、現在は49日を過ぎたら販売してもよいことになっています。」とのこと。
どんな生き物も、幼いときは無条件で親の愛情が注がれることが良い。
前に「沢田美喜のエリザベス・サンダースホーム」(ここ)という記事を書いた。
捨て子の悲惨さ・・・・(沢田美喜氏は、歌手の安田祥子さんの義母だという)
話は変わるが、先日NHKラジオ深夜便(2018/07/13)で、あまんきみこ著の童話「天の町やなぎ通り」の朗読を聞いた。
「小さな男の子は、なくなったおかあちゃんになんどもお手紙をかきました…“天の町やなぎ通り”は、どこ? ゆうびん局長さんは、お手紙をとどけられるのでしょうか?」
<あまんきみこ著「天の町やなぎ通り」>
死別や離婚などで、親と子が引き離されることほど悲惨なことは無い。
自分には何もできないが、ただただ親と子が仲良く、すくすくと育つことを祈るだけ。
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