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2018年6月 2日 (土)

長尾和宏さんの「日本が壊れないために」

相変わらず、カミさんが時々「読め」と持ってくるプリント。今回は、カミさんがよく読んでいる長尾和宏さんのブログの記事である。

「日本が壊れないために」~長尾和宏さんのBlogより
・・・・(略)・・・
3年前、ある犯罪者(常習犯)の決定的瞬間をビデオに捕えた。犯罪の様子がビデオにバッチリ映っているので警察に通報した。
当然、法に照らして適正に裁かれる、と誰でも思うだろう。ところがまったくその反対で、逆に訴えられ返される始末。
その犯罪者の父親や兄など身内が兵庫県警の警察官だったのだ。彼らが尼崎南警察署の副所長に娘の犯罪のもみ消しを依頼した。
副所長(当時)は私に「お父さんに頼まれて困っている」と話した。その結果だろう、尼崎検察庁は信じられないことに「無罪放免」とした。
絵にかいたような身内の犯罪のもみ消し。
いくら犯罪者を捕まえても、身内の「忖度」でもみ消して、無罪放免に。しかも逆に訴え返されるという事態に発展・・・
尼崎検察庁の担当検事に話を聞きに行った。その検事は「私は有罪だと思うが、上司からの圧力でもみ消しに」と。
弁護士さんに相談すると検察庁が一旦下した判断を覆すためには検察審査会というところにかけるしかない、ということを知った。
しかし検察審査会で逆転する確率は、1%くらいであるとも。しかし納得できない判決なので、警察審査会に賭けることに。
そしてその結果、半年くらい時間はかかるも「無罪は無効」との判決を得た。警察や検察は完全に腐っているが、検察審査会は機能していることを知った。
しかし、ここからが長かった。
ようやく尼崎裁判所での裁判になった。打ち合わせや出廷は大きな負担になる。
そもそも犯罪者を捕まえたのに、なぜこちらが被害者みたいになるのか。捜査情報は全く知らされないまま、被害者を執拗に捜査するが逆じゃないか?
警察や検察とは、犯罪者は取り調べずに、被害者を取り調べる組織であると知った。
そもそも警察官や検察官は、ひとりひとりが「絶対神」である、そうだ。冤罪事件に詳しいという東京赤坂の弁護士さんにそう聞いて愕然とした。
彼らは国民の治安や幸福や正義のために働いているのではない!国家システム、つまり総理大臣に忠誠を誓うために働いていると。
トップ官僚が「記憶に無い」と言えば出世できる仕組みが理解できるだろう。私は超個人的な経験を通じて、この国の統治システムの大きな欠陥を知った。
日本国には警察や検察官を取り締まる法律が存在しないのである。これは致命的欠陥だと思う。
韓国の歴代大統領の逮捕劇だけでなく米国のトランプ大統領でも大統領命令が通らないという「ブレーキシステム」を有している。
しかし日本は、そうした「権力のブレーキ」が無い国である。
だから権力者(政治家、警察、検察官)の犯罪が、後をたたない。それは犯罪を犯しても断罪されないという欠陥構造に原因がある。

話を戻そう。
2年後に尼崎地裁でやっと「有罪」の判決が出た。しかし大阪高裁に上告され、また半年が経過した。
高裁でも「有罪」判決が出たが、警察官一家は最高裁まで持ち込んだ。しかし、先週、最高裁でもやっと「有罪」判決が出て、罪が確定した。
結局、泥棒さんを捕まえてから3年を要した。弁護士費用だけでも300万円以上かかった。
私は、泥棒さんは恨んでいない。なぜならそれは「病気」だから。
前科があり再犯を繰り返していることも、最近知った。毎回、黙秘と身内のもみ消しで切り抜けてきたことも。
許せないのは、警察と検察の犯罪常習性である。治安を守る立場の人達が結託して身内の犯罪をもみ消すという犯罪を繰り返す国。
日本という国がそんな状態にあることを身を持って知らされた。だから国会での「記憶にない」騒動も裏側が容易に想像できる。
野党がやるべきは「権力を取り締まることができる法律」を造ることだ。しかし野党である限り永遠にそれは実現せず、権力者やりたい放題が続く。
99%の国民はまともに生きている。日本人としてのモラルや美徳がある。
しかし1%の権力者は、犯罪をやりたい放題の現状にある。犯罪を犯しても絶対に捕まらないことを知っているので犯罪ができる国。
恐ろしいのは、そんな国家の行く末である。事実、私の身の周りでもそんな事件が起きた。
奇跡的に最高裁で勝ったが、もし負けたら日本国籍を捨てようと思ってきた。しかし勝ったので、この国が壊れないことを願い、今後もしばらく発信する。
まさに夢のような、信じかたい3年間だったが、学んだことが沢山あった。
このブログに警察や検察の批判を書くのは、この国が壊れて欲しくないから。
先週最高裁判決が下ったので今日初めて3年間闘ってきた経緯を書いた。鉄道事故裁判の高井さんもそうだったが、私自身も感無量の週であった。
超個人的な話に、ここまでお付き合い頂いた皆さまに心からお礼を申し上げます。」(
2018/05/20付「長尾和宏さんのBlogここより)

長尾和宏氏は、当blogでも何度か取り上げている尼崎で在宅看取りのクリニックを開いている医師(ここ)。
NHKラジオ深夜便で聞いて、長尾さんのことを知り、当サイトで最初に取り上げたのが5年前だった(ここ)。
それ以来、ファンになったカミさんが、Blogも読んでいる。そこで気になって印刷したのが、この記事。

氏は「日本が壊れないために」と謳っているが、もうダメではないかと、最近思う。
国会だけでなく、日大アメフト、女子レスリング等など、デタラメのオンパレード。
とうとう、福田元首相までが疑問を呈したという。

「福田元首相が佐川氏不起訴に疑問「命絶った人はどうなる」
「自ら命を絶った人はどうなるのか」――。福田康夫元首相が大阪地検の決定に疑問を呈した。
 福田氏は1日、都内の日本記者クラブで会見を開き、森友疑惑に言及。決裁文書改ざん問題で「記録を残すのは歴史を積み上げることだ。公文書は石垣のひとつ。ちゃんとした石でなければ困る」と語った。
 さらに佐川宣寿前国税庁長官らが不起訴処分になったことについて、「不起訴でおとがめなしとなれば、自ら命を絶った人はどうなるのか」と疑問を投げかけた。今年3月、国有地売却を担当した近畿財務局の男性職員が「書き換えをさせられた」とのメモを残して自殺したことを引き合いに出した格好だ。
 さらに福田氏は、安倍首相の「李下に冠を正さず」「信なくば立たず」という発言について「(言葉の意味を)分かってない人が多いんじゃないか」と語った。」(
2018/06/02付「日刊ゲンダイ」ここより)

国民が最後の砦だと思っていた大阪地検特捜部までもが、上の尼崎の検察のように政権に取り込まれているように見える。三権分立の行政のデタラメを、司法もブレーキをかけられず、立法府も行政から舐められている始末。どこが三権分立なのか分からない。
今回、「日本はウソを付いても良い国」と世界に知らしめてしまった。もちろん子どもたちにも「ウソはダメ」と言えなくなってしまった日本。
長尾氏には残念だが、「日本は壊れてしまった」と思わざるを得ない。
ひとりの独裁者のウソと保身のために、国民の税金で働いているこれだけ多くの人たちが、そのウソ隠しのために動いている。
国内の自浄作用が見込めない現在、“世界から相手にされない日本”に国民が気付くまで待つしか無いのだろうか。

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