時代小説~親父の思い出
藤沢周平作品を全部読むぞ!と決心(ここ)してから2ヶ月余が経った。
藤沢作品は約60あるが、さっき「冤罪」を読み終わって、計29作品を読んだことになる。図書館の大活字本が気に入って読書し始めて、45冊目である。
このところ、すっかり生活が変わってしまった。以前は、必ずTVニュースを見て、新聞を精読し、社会や政治の動きに敏感になっていた。しかし、最近のニュースは目を背けたくなるものばかり。モリカケ問題の信じられない国(司法・立法・行政)の動き。幼児虐待などの悲惨。誘拐殺人の理不尽。スポーツ界の闇・・・・
悪い“気”は、体に良くない。だからついTVは見なくなってしまった。特に首相の顔や声は、目に入れたくない。チャンネルを替えるより、TVの電源を切った方が早い。
それで、最近は藤沢周平に逃げ込んでいる!?
「冤罪」の解説に「剣豪もの」という文字があった。その言葉で、22年前に80歳で亡くなった親父を思い出した。親父は多趣味だった。将棋、麻雀、野球、釣り、そして“積ん読”。
親父の場合、読書と言うよりは“積ん読”が好きだったのだと思う。家に読んだか読まないか分からない本が溢れていた。しかし週刊誌だけは読んでいたのだろうと思う。
文春、新潮、ポストに現代。毎週4誌を読んでいた。我々も田舎に帰ると、時間潰しにその週刊誌を読んだもの。
その本棚を占めていたのが、将棋の本と時代小説。分野的には「世界の七不思議」と剣豪ものが多かった。さっき「剣豪」という文字を見付けて、「何だ自分も(知らず知らずの内に)親父の後を追っている?」と思ってゾッと?した。
時代小説が多かったと思うが、誰の本を読んでいたか分からない。藤沢作品がそこにあったかどうかも分からない。実家は4年ほど前に処分してしまった(ここ)。もちろんその時に本も。
今思えば、もう少し詳細に写真を撮っておけば良かった。本棚の写真を撮っておけば、親父の読書傾向が少しは分かったかも知れない。それを知ってもどうって言うことは無いが、何だか後を追っているようで、ちょっと気になる。
そう言えば、兄貴も読書好きだった。現役時代、いわゆるベストセラー物は通勤電車の中で全て読んだと言っていた。弟も寝る前に時代小説をよく読むと言っていたので、先日会ったときに聞いてみたら、司馬遼太郎などを読むと言っていた。
読書に最も遠かった自分が追い付いた?ことで、兄弟3人ともに、読書という共通点が出来た。つまりは親父の血か??
何度も書くが、人間の死は二つあるという。肉体の死と、誰からも思い出されなくなる死。
22年前に肉体は死んだが、我々息子の中には、まだまだ生き続ける親父ではある。
(しかし兄弟3人で、相変わらず度々親父やお袋が“夢”に登場するのは自分だけ。理由は不明である。)
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