« 樹木希林の「人生、上出来でございました」 | トップページ | 小林研一郎が歌う多田武彦の「アカシアの径」 »

2018年5月28日 (月)

はぐらかし答弁での審議時間「浪費」~東大話法

今朝(2018/05/28)の朝日新聞の「天声人語」が面白かった。
「(天声人語)「ウソつきました」という説明
 NTTとは関係ないにもかかわらず、NTTと称したり、NTTとあたかも関係があるような説明をしたり、事実に反する説明をして契約を迫る販売勧誘が発生しています。くれぐれもご注意ください――▼NTT西日本のホームページから引かせていただいたが、困っている会社は他にもあろう。誰もが知る企業との関係をにおわせるのは悪質業者の常套(じょうとう)手段だ。では「首相に『いいね』と言われた」と触れ回るのはどうか▼加計学園の加計孝太郎理事長と安倍晋三首相が面会したことを記す文書が愛媛県に残っていた件で、学園がコメントを出した。その説明を信じるなら、理事長は首相と会っていないし、獣医学部の計画にいいねと言われてもいない。なのに愛媛県には、面会したとウソの報告をした。学部設置への打開策を探るなかでの作り話だったという▼虚偽報告なら謝罪があってしかるべきだと愛媛県知事が言うのは当然だろう。首相も怒りに震えているに違いない。「相手の立場を利用しようとするなら、友人とは言えない」が持論なのだから▼まずは首相官邸ホームページで警告してはどうか。「首相とあたかも関係があるような説明をして、認可や補助金を得ようとする学校法人がいます。ご注意を」。もう手遅れ? いや姿勢を示すためにも▼ひどいウソが多すぎて感覚がまひしそうな昨今の国会である。もし「ウソをついた」というのもウソだったら……。怒りに震えるパワーは、私たちに残っているだろうか。」(
2018/05/28付「朝日新聞」より)

実に国民の心情を言い当てている。

先日の同じ朝日新聞にこんな記事もあった。

はぐらかし答弁、審議時間「浪費」 働き方法案、きょう採決
 安倍政権が今国会の最重要法案と位置づける働き方改革関連法案について、与党は25日の衆院厚生労働委員会で採決することを決めた。29日にも衆院を通過させ、今国会中の成立をめざす。野党は加藤勝信厚労相に対する不信任決議案を提出し、抵抗する構えだ。
180528asahi  24日の衆院本会議では、立憲民主党など野党が提出した衆院厚労委の高鳥修一委員長(自民党)の解任決議案を与党などの反対多数で否決した。その後に開かれた衆院厚労委の理事懇談会で、高鳥氏が委員長の職権で25日の採決を決めた。(斉藤太郎)
 衆院厚労委での審議で、法案の責任者の加藤勝信厚労相が野党の質問に正面から答えず、繰り返しはぐらかす場面が目立っている。与党は十分審議したとして25日に同委で採決すると決めた。だが、労働時間調査の異常値問題など政府側の失態をめぐるやりとりも多く、主要野党が欠席した時間もあった。さらに加藤氏の答弁で「浪費」された審議時間も少なくない。

 ■聴取数出し渋り
 高所得の一部専門職を労働時間規制から完全に外す高度プロフェッショナル制度(高プロ)。「過労死を助長する」と法案からの削除を求める立憲民主の岡本章子氏は9日、働く人のニーズについてただした。
 岡本氏 ニーズの把握は、何をもってしたのか。
 加藤氏 いくつかの企業とそこで働く方から、いろんなお話を聞かせて頂いている。
 岡本氏 どのくらいの数の方が(高プロの)必要があると答えたのか。
 加藤氏 いくつかの企業の働く方々からお話を聞かして頂いた。
 岡本氏は人数を聞いているが、加藤氏は明確に答えず、この後に高プロに肯定的な意見を二つだけ紹介した。岡本氏が「全体としてどれくらいか」と重ねて求めると、ようやく「十数人からヒアリングした」と答えた。この答弁まで最初の質問から約8分かかった。

 ■抗議で度々中断
 質問の趣旨と違う答えを次々と繰り出す加藤氏のこうした「ずらし答弁」は、法案検討時に参照された労働時間調査に異常値が大量に見つかり、厚労省が全データの約2割を削除した問題でもあった。立憲の西村智奈美氏が16日、データ削除後の集計結果が削除前と大きく変わらないとして調査を撤回しない厚労省の対応について、質問した。
 西村氏 2割ものデータが誤りという調査結果全体に対する信憑性(しんぴょうせい)が失われた。(削除後の)データに、全く誤りがないと答弁できるか。
 加藤氏 エラーチェックをしっかりやることで精度を上げた。従前より信頼性が高い。
 西村氏 全然答えていない。誤りがないと言い切れるのか。
 加藤氏 従前に比べて、信頼性の高いものになっている。
 こんなやりとりが約10分続き、野党側の抗議で審議は3度も中断した。
 野村不動産への特別指導をめぐる質疑でもあった。厚労省が大半を黒塗りにして国会に提出した経緯の資料について、西村氏が9日、厚労省が同社社員の過労自殺を労災認定していたと認めた後も「過労死」という言葉の黒塗りを外さない理由を問うた。
 西村氏 なぜ外せないのか。
 加藤氏 労災申請をいつしたかは、申し上げられないことになっており、それにかかる話は差し控える。
 西村氏 いつ労災申請したかは聞いていない。
 加藤氏 何が端緒だったか等々をつまびらかにすることは、今後の監督指導に支障がある。
 西村氏は最後、「はぐらかさないでほしい」と語気を強めた。(千葉卓朗、贄川俊)

 ■森友・加計と同じ姿勢
 論理の欠点をごまかしつつ自分の主張を正当化する「東大話法」についての著書がある安冨歩・東大東洋文化研究所教授の話
 加藤厚労相はそもそも質問に答える意思がないのだろう。「答えたふり」さえもしていない点で、東大話法ですらない。こうした答弁姿勢は森友問題や加計問題でも同じで、安倍政権では一貫している。多くの国民もその姿勢を受け入れてしまっているように感じる。野党にできることは、加藤氏がヘトヘトになるまで延々と同じ質問を繰り返すか、自分たちの足で疑惑や国民のニーズを調べるか、ではないか。」(
2018/05/25付「朝日新聞」p3より)

国会で何を議論しようが、何をテーマにあげようが、政府に「そもそも質問に答える意思がない」のだから、時間の浪費でしかない。まさに、安冨歩教授の指摘は当たっている。

ところで「東大話法」という言葉を初めて聞いた。「「答えたふり」さえもしていない点で、東大話法ですらない。」とも言うが・・・
wikiによると「「東大話法」は相手を言いくるめ、自分に従わせるための、言葉を使った暴力と説明される。この話法は東京大学の教授や卒業生だけが使う技術というわけではないが、使いこなせる能力を有する人物は東大に多く集まっているともいう。」というものらしい。定義は・・・

<東大話法規則一覧>
①自分の信念ではなく、自分の立場に合わせた思考を採用する。
②自分の立場の都合のよいように相手の話を解釈する。
③都合の悪いことは無視し、都合のよいことだけ返事をする。
④都合のよいことがない場合には、関係のない話をしてお茶を濁す。
⑤どんなにいい加減でつじつまの合わないことでも自信満々で話す。
⑥自分の問題を隠すために、同種の問題を持つ人を、力いっぱい批判する。
⑦その場で自分が立派な人だと思われることを言う。
⑧自分を傍観者と見なし、発言者を分類してレッテル貼りし、実体化して属性を勝手に設定し、解説する。
⑨「誤解を恐れずに言えば」と言って、嘘をつく。
⑩スケープゴートを侮蔑することで、読者・聞き手を恫喝し、迎合的な態度を取らせる。
⑪相手の知識が自分より低いと見たら、なりふり構わず、自信満々で難しそうな概念を持ち出す。
⑫自分の議論を「公平」だと無根拠に断言する。
⑬自分の立場に沿って、都合のよい話を集める。
⑭羊頭狗肉。
⑮わけのわからない見せかけの自己批判によって、誠実さを演出する。
⑯わけのわからない理屈を使って相手をケムに巻き、自分の主張を正当化する。
⑰ああでもない、こうでもない、と自分がいろいろ知っていることを並べて、賢いところを見せる。
⑱ああでもない、こうでもない、と引っ張っておいて、自分の言いたいところに突然落とす。
⑲全体のバランスを常に考えて発言せよ。
⑳「もし◯◯◯であるとしたら、お詫びします」と言って、謝罪したフリで切り抜ける。

国会での議論がムダとなったら、野党や国民は、どんな手段を持っているのか・・・・

一方、内閣支持率が下げ止まっているという。反転しているという。
産経新聞には「飯島勲内閣官房参与は23日の東京都内での講演で、衆院を解散して自民党が過半数を獲得すれば、秋の総裁選は不要との認識を示した。加計学園問題などで重要法案の審議に停滞が見られる現状を踏まえ「解散すべきだ。最低でも過半数は取れる。選挙で国民の信任を得た安倍晋三首相(党総裁)に対し、総裁選をやる必要はない」と述べた。」(ここより)という記事も・・・

北朝鮮情勢で大きく動いている世界。それに対して、空しい日本の政治ではある。

(追~「ご飯論法」)
「ご飯論法」というのもあるそうだ。
モリカケ問題 政府答弁は論点のすり替え? ネットで話題「ご飯論法」
180528ronten  森友学園と加計学園を巡る国会論戦が1年以上も続くのに、世論調査では国民の過半が政府の説明に納得していない。この異常事態について、ごまかしや論点のすり替えを図る不誠実な政府の国会答弁が原因だとの指摘もある。ネット上でいま、そのカラクリを暴く「ご飯論法」なるものが注目されている。発案者とともに政府の答弁を考えた。【和田浩幸/統合デジタル取材センター】」(
2018/05/27付「毎日新聞」ここより)

|

« 樹木希林の「人生、上出来でございました」 | トップページ | 小林研一郎が歌う多田武彦の「アカシアの径」 »

コメント

 エムズの片割れさま

   こんばんは
  

 日本も もうダメですかね・・・

  そうですね  

 ほんとうに 行き着くとこまできましたね

 これだけ  虚偽 虚偽 隠蔽

 の事実がでても  責任を誰がとるのか

  佐川  や  太田  梁瀬 らの
    小物ではねー

 人間としては 小物たちよりも 小さく思えますが

  一応 首相  財務大臣 を含む

   狂人 嘘つき連合の 面々

   市中引き回しの上 打ち首
     が 妥当と考えます

 この言葉  誰が好きで吐いたか
  覚えておられますか

 森友の事件 当初の猿芝居
  ko-ーike  とかいう 国会議員
  芝居で 述べましたね

 市中引き回しの上 打ち首獄門とーー

投稿: 能勢の赤ひげ | 2018年5月28日 (月) 19:42

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 樹木希林の「人生、上出来でございました」 | トップページ | 小林研一郎が歌う多田武彦の「アカシアの径」 »