レジで「お先にどうぞ」~今日の豚肉事件
だいぶん前だが、朝日新聞の投書で、こんな記事があった。
「(ひととき)お会計、先にどうぞ
夕方のスーパーのレジは混み合っていた。私の前には3人並んでいた。バスの発車時刻まではあと20分あったので、「ラッキー」と思いながら待っていた。
1人目のレジは早く終わった。2人目の時に何やらトラブルが発生。レジ係の女性がいったん離れ、隣の係の女性に数分間相談してから、買い物客に説明をして、やっと終わった。
やっと私の前の女性の番になった。かごには山盛りの品物。どうしようかな、と考えた。あと5分でバスの時間。私は2品だけ。
思い切って、声をかけた。「厚かましいお願いですみません。バスの時間が迫っています。その次は30分後なので、大変申し訳ありませんが、レジの順番を代わっていただけませんか」。女性は私を見て「あ、いいですよ」と快く順番を譲ってくれた。私は丁寧にお礼を言って、急いでバスに乗った。
それ以来、スーパーのレジに並ぶ時は、後ろの人を見るようになった。お弁当や飲み物だけの人には、できるだけ代わってあげるようにしている。
あの時の女性に感謝をしながら、私も気持ちよく譲ってあげようと思っている。(埼玉県越谷市 主婦 80歳)」(2018/01/23付「朝日新聞」P29より)
そう、こんなことは“普通”でありたいもの・・・。
それにしても、日本のスーパーのレジの丁寧さには、いつも感心する。きちっと、お客のひとり一人に「いらっしゃいませ」と挨拶をして、そこまでやらなくても、と思うほど、丁寧にポリ袋に入れてくれる。
そして感心するのが、レジに並ぶ列が均等なこと。誰もが、一番短い列に並ぶので、そうなる。自分も自然とレジに並ぶ客の数と、買い物カゴの多さを見て列を決めている。あっ、ここはレジが二人なので、多少長くてもこっちが早いぞ・・・。
話は飛ぶが、今日の昼、ちょっとした“事件”があった。昼食で料理した豚肉を食べると、イヤ~な感じ。傷んでいる。吐き出すほどではないが、カミさんに聞くと、そうでも無いという。数切れ食べて「オレは止めておく」と肉だけ分けた。するとカミさんも同様に食べない。やはり少しおかしいという。
「店に電話する?」と言うので、「電話してみようか」と、レシート番号に電話してみた。
「店長さん居ますか?」「昨夕買った豚肉ですけど、少し傷んでいるようだが、他から同じような話はありませんか?無ければ良いんですが・・・。賞味期限は明日だし、よく火を通せと書いてあるので、ちゃんと料理したのだが・・・」
すると「直ぐに調べに行くので、住所はどこですか?」「いや、わざわざ来てくれるのも大変なので、後でそっちに行く予定があるので持って行きます」「いや、時間が経つと傷む可能性があるので」と譲らない。
仕方なく「住所は・・・」と言うと、20分ほどで店長さんがやってきた。
お皿に、残っていた肉を置いて「ちょっと食べてみて。もしかすると自分の勘違いかも知れないので・・・」
店長は、肉を口に入れて、味わっている。そして次々と全部食べてしまった。そして目をつむってしばらくした後、「これは痛んでいません」と、痛んでいない理由を色々と言う。
「これが普通と言うなら、それで良いです。ご足労掛けてすみません」と言うと「残った肉を引き取られて頂けますか?電話があったことを報告しないといけないので。肉代と電話代は持ってきましたので」というので、残った肉とレシートを持って帰って貰った。
まあ、これだけの話だが、店長さんの心の内が見えるような気がした。たぶん自分も同じようにした、と思うので・・・
本当に、何でもなかったら、一口食べただけで「何がおかしいのでしょう?」と疑問を呈するはず。それが、数口、全部食べてからの返事。
帰った後、カミさんに話したのは、立場的に、痛んでいる物を「痛んでいますね」とは言えない。それこそ保健所と店の信用の話になってしまうので。だから何が何でも、正常品と言うしかない。しかし物は引き取る。そして善後策を・・・・
そもそも「数量限定品」とは書いてあるが、203円というのが安過ぎる。スライスが5~6枚、300gほどあったか・・・。それが200円とは?そして「良く火を入れて」という注意書きも気になる。
生肉のままでは何の匂いもしなかったが、人間も動物。口に入れると、本能的に感じる物がある。自分は結構それを信じている。本当に食べてはいけない物は、口に入れた途端、吐き出すもの・・・・。今回はそれほどではなかった。
試食してから、しばらくの沈黙は、たぶん店長が「何て言おうか?」を考えている時間に思えた。
Netの時代。店の悪評は直ぐに伝搬する。特に、傷んだ食品を売ったとなると、大問題。
まあ、自分もクレーマーと思われないように、丁寧に言ったつもりだし、カミさんも「好きなお店で、いつも応援していますから」とフォローしていた。
この店も、近くに巨大スーパーが出来たお陰で苦戦中と聞く。
いつもカミさんはオレに、「安過ぎるのは何かある」と言うのが口癖。「良くそんな安い物を買うね」と自分をバカにしていた。それが今回は飛んだ大失敗。
「安過ぎる物」には注意しましょう。
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