なかにし礼の満州引き揚げの歌「恋のハレルヤ」「人形の家」
NHKラジオ深夜便で「【謎解き うたことば】なかにし礼(2)日本語学者 金田一秀穂 作家・作詞家 なかにし礼」(2018/03/26放送)を聞いた。
この番組で、なかにし礼氏が、歌詞に込めた秘話を話していた。なかにし礼氏は、昭和13年の満州生まれ。終戦時は満州にいて、8歳の時に日本に引き揚げたという。満州からの引き揚げの悲惨さ。それを歌に込めたという。その番組の一部を聞いてみよう。
<「謎解き うたことば」なかにし礼>
この番組で紹介されていた黛ジュンの「恋のハレルヤ」と弘田三枝子の「人形の家」は、なるほど日本と満州にあてはめて聞くと、納得が行く。
<黛ジュンの「恋のハレルヤ」>
「恋のハレルヤ」
作詞:なかにし礼
作曲:鈴木邦彦ハレルヤ 花が散っても
ハレルヤ 風のせいじゃない
ハレルヤ 沈む夕陽は
ハレルヤ 止められない
愛されたくて
愛したんじゃない
燃える思いを あなたに
ぶっつけた だけなの
帰らぬ あなたの夢が
今夜も 私を泣かす愛されたくて
愛したんじゃない
燃える思いを あなたに
ぶっつけた だけなの
夜空に 祈りをこめて
あなたの 名前を呼ぶの
<弘田三枝子の「人形の家」>
「人形の家」
作詞:なかにし礼
作曲:川口 真顔もみたくない程
あなたに嫌われるなんて
とても信じられない
愛が消えたいまも
ほこりにまみれた人形みたい
愛されて 捨てられて
忘れられた 部屋のかたすみ
私はあなたに 命をあずけたあれはかりそめの恋
心のたわむれだなんて
なぜか思いたくない
胸がいたみすぎて
ほこりにまみれた人形みたい
待ちわびて 待ちわびて
泣きぬれる 部屋のかたすみ
私はあなたに 命をあずけた
私はあなたに 命をあずけた
なかにし礼氏の満州からの引き揚げからこの歌が生まれたことは、前にKeiichiKodaさんからのコメント(ここ)で知っていたが、氏が紹介されていたTV番組を見ていなかったので、今回のラジオの対談で改めて聞いた。
満州からの引き揚げについては、先日NHK-TV特集ドラマ「どこにもない国」(2018/03/24、31放送)でもテーマとして取り上げており、改めてタイムシフトで見た。満州からの引き揚げの悲惨な苦労だが、なかにし礼氏は、その著書「赤い月」で、加害者としての話も書いたという。
満州引き揚げの本では、藤原てい著「流れる星は生きている」がある。この小説については、10年近く前に本サイトで「新田次郎/藤原ていの娘・藤原咲子氏の数奇な人生」(ここ)という記事を書いたことがある。
実は両方とも読んでいなかったので、改めて図書館で予約した。これを機に、満州について少し勉強してみようという気になった。遅きに失しているとは思うが・・・
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