犯罪被害と賠償金の行方~泣き寝入りの実態
先日(2018/01/21)放送された「NNNドキュメント'18 泣き寝入り…~犯罪被害と賠償金の行方~」(ここ)を見た。犯罪に巻き込まれた人が、判決による賠償金を採る事が出来ず、泣き寝入りしている現実を追っていた。
番組の解説にはこうある。
「NNNドキュメント'18 泣き寝入り…~犯罪被害と賠償金の行方~
事件の犯人が逮捕され、裁判で判決が言い渡される。しかしその後の現実はあまり知られていない。関西地方に住む55歳の男性は傷害事件で脳の半分が欠損するという重傷を負った。民事裁判で1億6千万円の損害賠償命令が言い渡されたが、加害者からは1円も支払われないまま、あと2年で判決文は紙切れになるという。犯罪被害者が直面する苦悩を救うため国や弁護士も動き始めた。賠償金不払い問題の実態を追った。」(ここより)
日本では、民事裁判は、あくまで当事者同士の争いだという前提のため、賠償金の回収も被害者本人に委ねられている。よって差し押さえの手続きなどはすべて被害者自らが行わなければならない。 そして「消滅時効」という壁。加害者から1円も支払われず10年が経つと、判決はただの紙切れとなってしまう。それを延長させるためには、50万円規模という印紙代を払って再提訴するしかない。しかし加害者が逃げたままだと、それも意味が無くなる。
日弁連の2015年の「賠償金に関する調査」では、殺人・殺人未遂・傷害致死事件の賠償金や示談金を全額受け取った例は0%。被害者側への支払が一切無しという例が60%だったという。「無い物は無い」という開き直りがまかり通る日本。
それに対して、北欧は被害者に代わって国が取り立てを行い逃げ得を許さない仕組みだという。それは、「国民一人ひとりが番号を持っているので、全ての給料や収入を把握できる。それによって回収庁や強制執行庁が出来て行った。北欧では犯罪被害者は自分たちと同じで、他人事と考えないで作られた役所」だという。
今日も何事も無くヒマだった。という日常が、どんなに幸せなことか、改めて思い知った。
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