« 「お顔」の不思議・・・ | トップページ | e-Taxでの確定申告と高血圧 »

2018年1月17日 (水)

高田渡の「自衛隊に入ろう」

先日、こんな歌を聞いた。半世紀も前のフォークソングである。

<高田渡の「自衛隊に入ろう」>


「自衛隊に入ろう」
  作詞:高田 渡
  作曲:マルビナ・レイノルズ

みなさん方の中に
自衛隊に入りたい人はいませんか
ひとはたあげたい人はいませんか
自衛隊じゃ 人材もとめてます

*自衛隊に入ろう 入ろう 入ろう
  自衛隊に入れば この世は天国
  男の中の男はみんな
  自衛隊に入って 花と散る

スポーツをやりたい人いたら
いつでも 自衛隊におこし下さい
槍でも鉄砲でも 何でもありますよ
とにかく 体が資本です
*(同上)

鉄砲や戦車や ひこうきに
興味をもっている方は
いつでも自衛隊におこし下さい
手とり 足とり おしえます
*(同上)

日本の平和を守るためにゃ
鉄砲やロケットがいりますよ
アメリカさんにも手伝ってもらい
悪い ソ連や中国をやっつけましょう
*(同上)

自衛隊じゃ 人材もとめてます
年令 学歴は問いません
祖国のためなら どこまでも
素直な人を求めます
*(同上)

この歌についてWIKIにはこうある。
「「自衛隊に入ろう」(じえいたいにはいろう)はフォークシンガー、高田渡の楽曲。ピート・シーガーが1962年に発表した「アンドーラ」という曲が原曲である。
1968年8月9日-11日に京都・山崎「宝積寺」で行われた第3回関西フォークキャンプに参加した高田渡が初めて歌い、観客に衝撃を与え、注目を浴び、レコード・デビューのきっかけとなった。1969年4月にURCレコードより発売されたアルバム『高田渡/五つの赤い風船』に収録され、同年12月にシングル発売される。
マルビナ・レイノルズ(英語版)が作詞した「アンドーラ」は、小国アンドラとの比較によってアメリカ合衆国を風刺した反戦歌だった。一方、「自衛隊に入ろう」の歌詞は、高田が原詞に依らず新たに創詞したものである。この歌詞には自衛隊を風刺する皮肉が込められており、1968年にTBSの番組で放映された。それにもかかわらず防衛庁(現防衛省)から自衛隊のPRソングとしてのオファーが出され、高田本人は困惑したという。後年、自衛隊の存在が広く認知されるようになると高田はこの曲を封印し、2005年に死去するまで再び歌われることはなかった。
この曲は後に日本民間放送連盟により要注意歌謡曲に指定され、放送禁止歌となる。現在では要注意歌謡曲指定制度そのものが効力がなくなったため、放送禁止の扱いではない。」

この最後の「放送禁止歌となる。」は、どうも正しくないようだ。森達也著「放送禁止歌」(知恵の森文庫)によると、この歌に限らず、そもそも放送禁止になった歌などなかったらしい。
でも、「防衛庁(現防衛省)から自衛隊のPRソングとしてのオファーが出され、高田本人は困惑したという。」という話は本当らしい。

この歌が発表されたのが1968年8月というので、今年はまさに50年目。当時、自分は大学3年生。学生運動が盛んだった時代だ。
自分としては初めて聞いた歌だが、半世紀前の“過去の歌”には聞こえない。なぜだろう?たぶんそれは、自衛隊が大きく変わろうとしているから・・・。そしてまさに「自衛隊に入って 花と散る」のが現実になりかねない状況だから・・・

先日(2018/01/13)、北朝鮮から米ハワイ州に向けて弾道ミサイルが発射されたとする避難警報が誤送信され、現地でパニックを引き起こしたが、何ともこんなブラックジョーク?に涙が出る。
自衛隊は今まで通りで良い。「花と散る」自衛隊員など見たくない。専守防衛を超えて米国のために「花と散る」自衛隊員など見たくない。
忘れ去られたはずの半世紀も前の歌が、妙に気になる最近の政局である。

|

« 「お顔」の不思議・・・ | トップページ | e-Taxでの確定申告と高血圧 »

コメント

 葬去られたはずのものがゾンビとなって行進している。こんな歌があるとは知らなんだ。反戦歌らしいが、いつのまにか大政翼賛会幽霊がゾンビになってPRソングにとは。

 昨年はまさに軍靴の音が一方的に鳴り響いてくるのではないかと危惧していました。安倍政権が憲法改正を国民に問うと言っていますが、どさくさに紛れて九条を都合のいい様にいじり、国民に目くらましをかまし、日々に追われている国民が気がついた時は・・・・・・。
  想像するだけでも怖くなります。昨今の国際状況をTVニュースや新聞を見るにつけ、この2018はどうなるのだろうと思います。世界中でパンドラの箱が開いてしまっています。
 
 かっての冷戦時代が終わり、これからはナショナリズムの世界になってくるのではと思っていたのですが、現実にトランプ大統領の出現により世界中が掻き回され、国家主義に火がついたような帰来が出て来ているような気がします。
 
 これらのことを見ているだけしか出来ないのでしょうか。先の総選挙の結果を考えると、これからの日本はどうなって行くのでしょうか。自衛隊はどうなっていくのでしょうか。怖いなんて言っていられなくなったら、どうしょうと思います。
 
【エムズの片割れより】
まさか、第九条の改憲が現実のテーマになると時代になるとは・・・
過去に学ぶ姿勢は、ドイツとは大違い。冷めやすい日本人の特性は、戦争にまで及ぶのでしょうか?
50年も前のフォークソングが、今でも時代遅れではないという恐ろしさ!!

投稿: patakara | 2018年1月19日 (金) 16:25

 フランスのマクロン大統領が「軍と国民のつながりを強めるため、短い期間であっても軍での生活を体験してもらいたい」と言って、18歳〜21歳の男女の一ヶ月間の徴兵制度を復活させるという。またスウェーデンは昨年ロシアに対する脅威から、7年振りに復活させるという。(ネットニュース、毎日新聞記事より)

 国際風潮において、エムズの片割れさまの「自衛隊に入ろう」の記事が冗談では済まなくなってくるようです。

【エムズの片割れより】
日本だけでなく、世界中がおかしくなっていますね。怖ろしい・・・

投稿: patakara | 2018年1月20日 (土) 17:10

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 「お顔」の不思議・・・ | トップページ | e-Taxでの確定申告と高血圧 »