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2017年12月13日 (水)

父権の失墜 夫は夫、わたしはわたし

先日の朝日新聞の記事である。
「(サザエさんをさがして)父権の失墜 夫は夫、わたしはわたし
 ハチマキ姿でさっそうとジョギングを楽しむこの漫画のおじいさんの姿は、街のいつもの風景としておなじみなのだろう。「よくつづくわネー」と感心するサザエ。カツオにいたっては、老い先の理想像を思い描いているようだ。犬の散歩をする街の人のまなざしも温かい。
171213sazae  当の主人公はしかし、カツオがうらやましがるような境遇とはほど遠かった。家庭では、子供に冷遇され、妻にも無視されて、夫としての権威は完全に失墜していたのだ。そんなおじいさんの複雑な胸中を、作者の長谷川町子さんは「子つめたく」から始まり、「妻とあわねど死にたくもなし」と結んだ短歌で切々とつづっている。
 えっ、これに似た短歌をどこかで見たことがあるって? 正解です。いわゆる「本歌取り」の技法を用いて、ある有名な短歌の一部をちゃっかりと借用していたのです。本歌を紹介すると……。
 《親も無し
 妻無し子無し版木無し
 金も無けれど死にたくも無し》
 作者は「寛政の三奇人」の一人、江戸中期の経世家の林子平(1738~93)。ロシア船の来航に危機感を募らせて海防の必要性を説き、著作『海国兵談』で「江戸の日本橋より唐、オランダまで境なしの水路なり」と喝破して人々を驚かせた人物だ。だが、幕府からは世を惑わせる本として発禁処分にされて版木は没収、蟄居(ちっきょ)を命じられる。短歌はその嘆きを詠んだものだ。この歌にちなんで自ら「六無斎」と号している。
 長谷川さんは、ジョギングおじいさんと六無斎の空虚な思いを重ね合わせて、短歌をしたためたというわけだ。・・・」
(2017/12/09付「朝日新聞」b3より)

話は変わるが、スカパーの「日本映画専門チャンネル」の「東海テレビドキュメンター傑作選」(ここ)を見ている。
3晩に亘って19作品を放映したので、全部録画し、順番に見ている。自分の好きなNHKのBSプレミアムの「ザ・ベストテレビ2017」(ここ)でも放送されたが、建築家の津端修一さん(90)と妻・英子さん(87)の慎ましい生活を描いた「人生フルーツ」をまた見てしまった。
そして、この番組の続編のような「樹木希林の居酒屋ばぁば」が興味深かった。

スカパーの解説にこうある。
樹木希林の居酒屋ばぁば
女優・樹木希林(74)と主婦・津端英子さん(89)が居酒屋で女子会をする。きっかけは「人171213izakaya 生フルーツ」。主人公・津端修一さんの妻として番組に登場した英子さんは、「居酒屋へ行ってみたい」と言い出して…。そんな話を聞いた希林さんが、名古屋の行きつけの居酒屋に英子さんをご招待。74歳と89歳がほろ酔い気分で語り合う。
その一か月後、趣味は「物件めぐり」だという希林さんが、愛知県春日井市の英子さんのお宅を訪問。今度は英子さん手作りのお菓子をいただきながら、再びばぁばの女子トークは大盛り上がり!夫のこと、孫のこと、食べ物や病気の話などなど…。人生の大先輩、2人のばぁばが本音で語り尽くす。」(
ここより)

この番組の中での二人の会話である。
「<英子さんは親戚の紹介で東京大学を出た修一さんと結婚しました。>
(英子)「たまたまそういう時に主人と会って、もううちの仲のことをきちっとやれば、一生食べさせてもらえるかな、なんて思って。好きとかそういうことでもなくて。」
(希林)「夫婦ゲンカなんかはしたことないでしょ?」
(英子)「ない」・・・
(英子)「主人は下着が好きで「かあさん、新しいのは気持ちがいいね」というので31日になると全部買い換える。だけど破れないからそのお古は私が着なきゃならないし。まあ男の人には最上のものを着せて、最上のものを食べさせるという、そういう昔からのあれがあるから。そういうものと思っていましたから。それが回り回って良くなるということだったですよ。そういうみんなからの教えですよね。」
(希林)「夫婦の在り方は・・・?」
(英子)「在り方って。私は主人の悪いところは言いません。だからいいところだけ。気が弱いのね、男の人は。」・・・・

(世の女性は色々と言いたいでしょうが)まあまあまあ・・・・。

津端修一さんは大正14年生まれというから、3つ下の英子さんは大正17年頃の生まれらしい。自分の両親は大正5年と10年なので、それよりも新しい世代。
でも、こんな考え方・・・
うちの両親も古かったが、これほどは男を立てなかったな・・・・

今日の記事はここまで。何か書けば書くほど、逆襲が怖いので・・・!?

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