終戦時の鈴木貫太郎首相と天皇~ポツダム宣言全文
NHKラジオ第2の「カルチャーラジオ」(ここ)を良く聞いている。もちろんPCに録音しておいて、mp3データをウォークマンに転送しておいて、夜中に目が覚めたときに聞いている。
その中で「ラジオアーカイブス~声でつづる昭和人物史」(ここ)が面白い。自分が好きな半藤一利氏が、お年のせいか、あまり聞けない現在、このような歴史問題については、ノンフィクション作家の保阪正康が一番。そんな中、先日の「鈴木貫太郎2」での、戦争終結における天皇とのやりとりに興味が湧いた。少し聞いてみよう。
<NHK「声でつづる昭和人物史~鈴木貫太郎2」より(その1)>
<NHK「声でつづる昭和人物史~鈴木貫太郎2」より(その2)>
NHKのこの番組の解説にはこうある。
「カルチャーラジオ NHKラジオアーカイブス「声でつづる昭和人物史~鈴木貫太郎
鈴木貫太郎(1868~1948)は昭和20年4月から8月の終戦に至る激動期の首相です。海軍出身で侍従長も務めましたが、2・26事件で瀕(ひん)死の重傷を負います。タカ夫人(1883~1971)はその場に居合わせ事件を目撃しました。今回の録音は、タカさん80歳の頃、千葉県野田市にある鈴木寛太郎記念館の上原進一さんがインタビューしたもので、昭和天皇幼時の思い出や2・26事件の生々しい様子を語っています」
「鈴木貫太郎(1868~1948)は昭和20年4月から8月の終戦に至る激動期の首相です。「最後のご奉公」とその任を受け、8月15日の終戦に至らしめました。終戦後は千葉県野田市関宿で、畑仕事をして過ごしました。タカ夫人(1883~1971)が語る貫太郎の海軍時代のエピソードや昭和21年に刊行された『終戦の表情』を紹介しながら、大転換期を生きた鈴木貫太郎夫妻について、その思いをたどります。」(ここより)
この番組で、首相就任時の音声が残されている。
「今日(こんにち)、私に大命が降下いたしました以上、私は私の最後のご奉公と考えますると同時に、まず私が一億国民諸君の真っ先に立って、死に花を咲かす。国民諸君は、私の屍を踏み越えて、国運の打開に邁進されることを確信いたしまして、謹んで拝受いたしたのであります。」
この鈴木首相の妻は、若い時に昭和天皇の養育係だったという。それだけ昭和天皇からすると、身近だったのだろう。
ところで、「ポツダム宣言」とは良く聞くが、恥ずかしながら自分は本文を読んだことがない。それでWIKIで読んでみた。
「日本の降伏のための定義および規約
1945年7月26日、ポツダムにおける宣言
1.我々合衆国大統領、中華民国政府主席、及び英国総理大臣は、我々の数億の国民を代表し協議の上、日本国に対し戦争を終結する機会を与えることで一致した。
2.3ヶ国の軍隊は増強を受け、日本に最後の打撃を加える用意を既に整えた。この軍事力は、日本国の抵抗が止まるまで、同国に対する戦争を遂行する一切の連合国の決意により支持され且つ鼓舞される。
3.世界の自由な人民に支持されたこの軍事力行使は、ナチス・ドイツに対して適用された場合にドイツとドイツ軍に完全に破壊をもたらしたことが示すように、日本と日本軍が完全に壊滅することを意味する。
4.日本が、無分別な打算により自国を滅亡の淵に追い詰めた軍国主義者の指導を引き続き受けるか、それとも理性の道を歩むかを選ぶべき時が到来したのだ。
5.我々の条件は以下の条文で示すとおりであり、これについては譲歩せず、我々がここから外れることも又ない。執行の遅れは認めない。
6.日本国民を欺いて世界征服に乗り出す過ちを犯させた勢力を永久に除去する。無責任な軍国主義が世界から駆逐されるまでは、平和と安全と正義の新秩序も現れ得ないからである。
7.第6条の新秩序が確立され、戦争能力が失われたことが確認される時までは、我々の指示する基本的目的の達成を確保するため、日本国領域内の諸地点は占領されるべきものとする。
8.カイロ宣言の条項は履行されるべきであり、又日本国の主権は本州、北海道、九州及び四国ならびに我々の決定する諸小島に限られなければならない。
9.日本軍は武装解除された後、各自の家庭に帰り平和・生産的に生活出来る機会を与えられる。
10.我々の意志は日本人を民族として奴隷化しまた日本国民を滅亡させようとするものではないが、日本における捕虜虐待を含む一切の戦争犯罪人は処罰されるべきである。日本政府は日本国国民における民主主義的傾向の復活を強化し、これを妨げるあらゆる障碍は排除するべきであり、言論、宗教及び思想の自由並びに基本的人権の尊重は確立されるべきである。
11.日本は経済復興し、課された賠償の義務を履行するための生産手段、戦争と再軍備に関わらないものが保有出来る。また将来的には国際貿易に復帰が許可される。
12.日本国国民が自由に表明した意志による平和的傾向の責任ある政府の樹立を求める。この項目並びにすでに記載した条件が達成された場合に占領軍は撤退するべきである。
13.我々は日本政府が全日本軍の即時無条件降伏を宣言し、またその行動について日本政府が十分に保障することを求める。これ以外の選択肢は迅速且つ完全なる壊滅があるのみである。」
これらの条件は、日本軍を念頭に読むと、それほど違和感を覚えない。これを日本が受け入れるのに、7月27日から8月14日までの時間を要した。そしてその間に原爆が・・・
歴史は、時間が経過すると、余計な枝葉末節が剥がれて、本質がむき出しになる。
かつての政治家に比べ、今の政権の“軽さ”は、あまりに目が余る。数十年後の歴史家から、「平成って何だっけ?」と、無視される時代になるのでは?と疑いたくなる。
その時代を生きているのが我々・・・。
モリカケに代表される政府の逃げ足を見ていると、今の時代に生きていること自体が、恥ずかしくなる。くだらない出来事ばかりの今の新聞を読むより、歴史を読む方がよっぽど体に良いと感じるこの頃である。
| 0
コメント