山尾志桜里議員の離党は残念~早期復活を期待
山尾志桜里議員のスキャンダルに伴う離党は、非常に残念としか言いようがない。
そして民進党の対応のドタバタぶりも、目を覆いたくなる。
今朝の朝日新聞の「声」のひとつの意見・・・。
「(声)民進は男女差別をしていないか
無職(青森県 64)
山尾志桜里議員に対する今回の民進党の対応に違和感を感じる。10年ほど前、当時の民主党の男性議員が、ニュースキャスターとの不適切な関係を週刊誌で報じられたときには、動かぬ証拠となる写真が掲載されたにもかかわらず、1年間の役職停止だけで、離党勧告や議員辞職などする雰囲気ではなかった。
今回、本人は「男女関係はなかった」としているにもかかわらず離党となった。「本人の意思」とされるものの新聞報道を見る限り、党内に「離党すべきだ」の声や、「議員辞職すべきだ」との声すらあったようだ。
ここで私が問題に思うのは、山尾氏の行動の是非ではない。同じような行動をとっても、男性と女性では対応の仕方が違うということだ。下世話に言えば、男が女遊びをしても許せるが逆は許さないということか。
民進党には度々ガッカリさせられる。蓮舫氏が代表を辞めたときも、選挙の顔として役に立たないなら用はないという空気だった。自民党以上に女性を飾りとしか考えていないことに怒りを覚える。民進党が真に自民党に対抗できる政党になるには、女性を対等のパートナーと考えることから始めるべきだ。」(2017/09/14付「朝日新聞」p14より)
自分も同感で、「党内に「離党すべきだ」の声や、「議員辞職すべきだ」との声すらあった」という事実は、見過ごせない。
この件を、滑舌の良い?「日刊ゲンダイ」に言わせるとこうなる。
「不倫疑惑で山尾氏離党 執行部が“議員辞職だ”と大騒ぎの愚
既婚男性との「ダブル不倫」疑惑を週刊文春に報じられた民進党の山尾志桜里衆院議員(43)が、7日離党届を提出した。会見で疑惑について、「男女の関係はありません」と否定したものの、「誤解を生じさせる行動でさまざまな方々に迷惑をかけた」「臨時国会の場に混乱を持ち込むことは党にさらなる迷惑をかける」として、離党を決めたという。
それにしても、である。7日の民進党の迷走はひどかった。
まず午前、前原代表が報道陣に囲まれると、「本人から話を聞きたい」と発言。その最中に、党内からは「離党」どころか「議員辞職」を求める声が上がる。午後になると、執行部の一部が山尾氏に議員辞職を促したという一報まで流れた。夕方になって、大島幹事長に対応が一任され、夜、山尾氏と大島幹事長が会い、離党届提出となったのだった。
不倫は問題だとしても個人的なことであり、政治資金疑惑などとは違う。所属議員の不倫報道が続いた自民党は、毎度「出処進退は議員自身が決めること」としてきた。その結果、“ゲス不倫”の宮崎謙介前衆院議員こそ同僚議員の妻に促されたらしく議員辞職したが、“重婚ストーカー不倫”の中川俊直衆院議員は離党、“略奪不倫”の今井絵理子参院議員に至っては離党すらしていない。
それなのに民進党は、党役員でもない一議員の個人的な問題に党が前面に出てきて、「議員辞職だ」とワーワー言って騒ぎを大きくしているのだからどうしようもない。
■溺れる人を蹴飛ばす“悪しき文化”
政治ジャーナリストの角谷浩一氏もこう言う。
「山尾さんが幹事長に就任していたら党として一大事ですけど、未然に防いだわけですから、ここまで大騒ぎする話じゃないでしょう。突き放して、『議員の出処進退は本人が決めること』とすればいいのに、どうして全体で抱えようとするのか。兵隊が勝手なことを言い出し、溺れる人を蹴飛ばすのは民進党の悪しき“文化”です。幹事長人事でもそうでしたが、選挙で選ばれた代表が決めたことでも、『俺は気に入らない』と文句を言う。組織政党としてお粗末です」
今月15日までに山尾氏が議員辞職したら、来月22日の補選になる。「自民党は補選が増えるのを避けるため、『ハゲーー!』の豊田真由子議員を辞職させないのに、後先考えずに辞職を叫ぶ民進党ってホント、おめでたいですね」(自民党中堅議員)という皮肉も。
やっぱり、もう解党しかないか。」(2017/09/08付「日刊ゲンダイ」ここより)
「党内から“議員辞職”を求める声」という話だが、改めて議員の身分を考えてみる。
山尾氏は愛知県第7区の小選挙区で当選している。比例区ではない。つまりは、愛知7区の人が選んだ代表。つまりは「議員辞職を求める声」は選挙民が言うなら分かるが、それ以外の同じ党の人が言い立てるという事実に困惑する。ワケが分からない。
やはり『議員の出処進退は本人が決めること』が正解だろう。それに、議員は、こんなプライベートなことまで、記者会見で国民に説明しなければいけないのだろうか?
企業で考えてみよう。社員が不倫をしても、法に触れない限り処罰はしない。社業に影響を与えない限り、説明をさせることもしない。国会議員はそんなに違うのだろうか?
自分も山尾氏には大いに期待していたので、今回の事態は残念。こんな「私」のつまらないことで、国民から期待されていた「公」の活動が奪われたのが、ただただ残念だ。
時代は違うが、田中角栄は、愛人との間に何人もの子供がいた。しかし政治的な能力とは関係無かった。
先日、NHKで「アナザーストーリーズ「激写!スクープ戦争~写真週刊誌・タブーに挑んだ人々~」(2017/09/05放送)を見た。1980年代に過激化した写真週刊誌「フォーカス」と「フライデー」とのスクープ合戦の話である。
ダイアナ妃がパパラッチの追撃をかわす為に事故死した事件もあった。自分は、このような、人のプライベートを暴いて商売にする人種はキライ。
今回の週刊文春も、これと同様に感じる。単なる一議員のプライベートがそんなに重要か?騒ぎ立てることか?
それよりも、週刊文春が暴いたことで、日本の政治が悪い方向に動いてしまう悪影響の方がよっぽど問題のような気がする。この暴きによる日本国としてのメリットとデメリットを、歴史という裁判官はどう判断するのだろう。
山尾氏も確かにモラル的には色々な批判があるだろうが、こんな法にも触れない「私的なこと」で、大いに期待されていた「公的な」政治生命が奪われるとすると、残念。
山尾氏には、ワキが甘かったことで、「国民からの“野党のエース”という期待を裏切った」ことは猛省して頂くとして、ぜひ早期の復活を期待したい。
同じ週刊文春が報じた金銭授受疑惑の責任をとって大臣を辞めた甘利明議員のように、検察が動いたスキャンダルでも、入院して姿をくらまし、国会閉会後にヌケヌケと姿を現すのもアリなのだから・・・。
まだまだ人生は長い。それに山尾氏も若い。
日本は、山尾氏のような人材が必要である。
今回の私的な事件の矮小さに対して、国会での安倍政権との論戦で、山尾氏が“抜ける”重要性との違いを、“残念”という言葉で終わらせたくないものである。
最後に、95歳の老女性作家のエールを附しておく。かつて恋に燃え、家族を捨てた先輩から見ると、こんなエールになるらしい。
「(寂聴 残された日々:27)山尾さん、孤独の出発に自信を 恋は理性の外、人生は続く
何気(なにげ)なくつけたテレビの画面いっぱいに、端正な美貌(びぼう)の女性が、涙のたまった両目をしっかりと見開き、正面を向いてしきりに言葉を発している。その表情がまれに見る美しさだったのと、しゃべる言葉がしっかりしているのに驚かされ、テレビから目が離せなくなってしまった。
当時、民進党の山尾志桜里議員の正面を向いた顔が、ずっと映され、必死に涙をこらえた泣き顔の美しさに、思わずこちらも膝(ひざ)を正していた。はっきりした口調で語りつづける声や言葉は、乱れることなく、今にも崩れそうな表情より頼もしく、しっかりしていた。
発売されたばかりの週刊文春に、9歳下の弁護士との交際を不倫と発表され、問題になっていた。両方の家庭に配偶者と子供がいた。
週刊文春の記事は写真入りで、ほとんど連日逢(あ)い、男のマンションや、ホテルで、朝方まで過ごしたことが詳細に発表されていた。結局、その事件で党に混乱と迷惑をかけたので、その責任をとっておわびに離党するという意見だった。
とにかく頭のいい人だという印象が強かった。ホテルに2人で入ったことがあったのも、男は1人帰り、泊まったのは自分1人で男女の関係はないと言いわけしていた。そんなことは神のみぞ知るで、誰も当人の言いわけなど信じる者はいない。
*
95歳の私が、今頃思いだしても噴飯ものだが、今から60年昔、私の35歳の時、東京・野方に下宿していて、ある日、野方の駅から電車で新宿まで出かけた。乗客の少ない電車の中で、座るなり目に入る天井からの吊(つ)り広告に目をやったら「ある奇妙な女流作家の生活と意見」という文字が目に飛びこんできた。
――誰のことだろう、気の毒に、何が書かれたのか――。私は好奇心を抱いて、新宿に電車が着くなり、売っている週刊誌の中から、名も通っていないその新しい週刊誌を買って、歩きながら開いてみた。いきなり、私の顔がページいっぱい大きく写されていたではないか。
あきれて記事を読んでみると、会ったこともない見知らぬライターが私の小説の端々をつぎあわせ、勝手な妄想を加えて、不倫の生活だとこと細かく報じてあるのだった。相手の実名も書いてある。私はあきれかえり、すぐさま公衆電話で、その会社に電話をし、キイキイ声で編集長を呼びだし、一度のインタビューもなく、いい加減なことを書くなと、どなりつけた。
相手はそんなことに慣れているらしく、インギン無礼に言葉をにごすだけで、結局どなりつづける私の方が疲れ切って、声も出なくなってしまった。その会社は半年もしないうちにつぶれてしまった。
その気持ちのよかったこと!
*
不倫も恋の一種である。恋は理性の外のもので、突然、雷のように天から降ってくる。雷を避けることはできない。当たったものが宿命である。
山尾さんはまだまだ若い。これからの人生をきっと新しく切り開いて見事な花を咲かせるだろう。それを95の私は、もう見られないのが残念。」(2017/09/14付「朝日新聞」p31より)
<付録>「まんがイラスト ぼうごなつこのページ」(ここ)より
| 0
コメント
山尾議員のやっていることは主婦としては気持ちのいいものではありませんが、これが男女が逆だったら「そんな事で離党はないだろう」というぐらいの事柄でしょうね。美人で頭のいい女性がドジを踏んだとしか思いようがありません。二人は本気だったのでしょうか。お遊びだとしたら下手な遊びでしたね。他人の心の中が分かりませんのでバカみたいな事件を報道した週刊誌が馬鹿だったとしか思いようがありません。議員が美人でなかったら記事にもならなかったでしょうに。民進党は小物の集まりというのが分かった事件でした。
【エムズの片割れより】
今朝新聞で見た「週刊ポスト」(2017年9/29号)の広告。
「安倍「火事場泥棒[10・22]解散総選挙」へ!「自民3分の2大圧勝」の悪夢」
イヤな感じですね・・・
投稿: 白萩 | 2017年9月16日 (土) 15:47
男女不平等の一例かと思います。議員に必要なのは政治力で性事力の如何ではないと思います。山尾議員は愛知の誇りです。選挙区が異なるのは残念です。「バカみたいな事件を報道した週刊誌が馬鹿だ」と言う意見には全く同感です。
投稿: 今井 龍弥 イマイ タツヤ | 2017年9月16日 (土) 23:07
山尾議員は自民のコーラスガール議員と違い何を政策とするかの理念をお持ちです。再起を期待しますが不貞の状況証拠が乱舞して不利な状況下にあります。文春の写真.digital写真は加工合成が容易.弁護士宅から出たする写真背景が違っているし2時半とか4時半とか根拠がない。自動車内の写真も光と影の具合が不自然な面がある。不倫だと勝手に決めつける前に文春の言う証拠を精査する必要あり。文春第2砲見たがホテルで議員の部屋に入る倉持氏写真.自分部屋に入っただけの可能性大.外部の人物が勝手に客室の周りで写真撮ったりするのを許すほどこのホテルはだらしがないのかの検証も要ります。TVに出た議員の部屋の写真もホテルのHPの写真ですしその部屋が36階のダブルというのもホテルが他人に部屋番を言ったっりは法律違反です。文春の記事には不自然な点が多数みられるのです。もう一つ議員の服装にも注目してくださいホテルに入った時は白ブラウスにジーンズ翌日3日愛媛出張そして帰京弁護士宅へ自宅へ送ってもらったとき自宅前で直撃。服装が違ってますし議員の持つバッグは服が一着入るサイズでも無いようです。女性は同じ服を続けてきません。愛媛から帰京弁護士宅にずっといたの
文春砲は為にするものでは?愛媛から帰京自宅で着替え短い時間弁護士宅で何か相談の可能性もあります。エログロナンセンス印刷物に騒ぐTVも品位最低ですしそれを信じる日本人も知性が低すぎます。
【エムズの片割れより】
色々検証されたようで・・・・
自分は、単純に、あれだけ優秀で期待されていた議員が、“こんなこと”で抹殺されてしまうのが惜しい・・・と思うだけです。
文春は、政治家の首根っこをつかまえていると、得意なんでしょうね。
こんなストーカーまがいのゴシップ記事ではなく、“法に触れる”大事件を追って欲しいものです。
投稿: Carlo Iustizia | 2017年9月19日 (火) 11:05