「アベノタメノ解散」~野党共闘拒否で前原代表は責任取れる?
吉田首相の「バカヤロー解散」ならぬ「アベノタメノ解散」という俗称が気に入った。「日刊スポーツ」が名付けた。
「アベノタメノ解散」森友加計隠し?国民にどう説明
「アベノタメノ解散」だ! 安倍晋三首相は、28日の臨時国会を召集直後に衆院を解散し、10月22日か29日に衆院選を行う意向を固めたことが17日、分かった。野党や「小池新党」の選挙体制が整わないタイミングを狙い、臨時国会で森友&加計学園問題の追及を避けるためには「今だ」と判断したようだ。ただ、北朝鮮情勢が緊迫する中の解散で、首相周辺でも慎重論がある。すべては首相の都合。識者は「本当に大義のない解散。大勝できるか分からない」と指摘した。・・・・」(2017/09/18付「日刊スポーツ」ここより)
野党共闘に対する野党各党首の発言。
「若狭・細野新党は自民政治の補完」 共産・志位委員長
■志位和夫・共産党委員長(発言録)
(若狭勝氏と細野豪志氏らが検討する)国政新党は野党の流れと考えていない。自民党政治の補完勢力だ。この流れに私は未来があるとは思っていない。もちろん連携もあり得ない。
安倍政権を倒すには(民進、共産など野党4党の)共闘しかない。安保法制・戦争法の廃止を原点に、市民とともに共闘の流れを総選挙でさらに大きなものとして発展させるため、ありとあらゆる知恵と力を注ぎたいと決意している。
共闘の成功には、しっかりとした共通政策、本気の共闘態勢が必要だ。我が党が一方的に候補者を下ろすことは全く考えていない。
野党共闘の流れは全国各地で草の根で広がっている。いろんな困難があるが、安倍さんが計算違いだったとひどく後悔するような結果をつくりたい。理念政策が違う者であっても互いの立場をリスペクトし、違いは持ち込まないで一致点で協力する。これが政党間の協力だ。(記者会見で)」(2017/09/18付「朝日新聞」ここから)
共産党の野党共闘へのラブコールに対して、民進党はつれない・・・
「前原氏「連立組めぬ」共産との選挙協力に否定的
民進党の前原代表は18日、衆院選での野党共闘について、「政権選択選挙で基本的な理念・政策が一致しないところと協力しても、勝った後に連立を組もうとはならない」と述べ、共産党との選挙協力に否定的な考えを示した。
共産党を念頭に、「あちらも民進党と連立を組むつもりはない」とも語った。東京都内で記者団の取材に応じた。
民進、共産、生活(現・自由)、社民の野党4党は昨年5月、衆院選での協力で合意。民進党内では保守系を中心に、安全保障や消費増税など基本政策が大きく異なる共産党との選挙協力に反発が強いが、地方レベルでは協力を深める動きも広がっている。前原氏は共闘見直しを掲げて代表選に勝利したが、「地域事情を考慮する」とも発言しており、一定程度の協力を容認する可能性もある。
一方、自由、社民両党とは「選挙協力をしていきたい」と述べ、候補者の一本化を進める考えを示した。」(2017/09/18付「読売新聞」ここより)
前原代表は、“昨年5月、野党4党の衆院選での協力で合意した”にも拘わらず、共産党とは共闘しないという。
野党共闘について、今朝(2017/09/19)のTV朝日の「モーニングショー」でこんなデータを示していた。
野党共闘の無かった2013年7月21日の参院選1人区では、自公29議席に対して野党4党は2議席。そして野党共闘が実現した2016年7月10日の参院選では、それが21議席対11議席。共闘で2:1になった。
前回の2014年の衆院選小選挙区では、自公231に対して野党4党は43。それを、もし野党共闘していたら、単純計算で、自公185に対し野党共闘は91で、野党が倍増。これも2:1になっていた、という。
共産党の志位委員長は、新潟知事選、仙台市長選の共闘での勝利を踏まえ、「野党4党と市民の力を合わせれば、安倍政権を倒せると実証されている」という姿勢なのに対し、前原代表は「共産党も民進とは連立を組むつもりは無いと思う」と正反対。
国民はどうすれば良いのか・・・
玉川さんが過激なことを言っていた。「前原さんって隠れ自民党なんじゃないか!」
この番組で、青木さんは、「自民党を支持していない人にとって、野党共闘が実現しないと、非自民票が死に票になってしまう。有権者に対する責任としても考えて頂きたい」と言っていたが、まさに前原代表が日本の将来の生殺与奪の権を握っているようにも思える。
つまり、民進党の代表が党内で、どの位の権限を持っているかは知らないが、新代表が従来の方針を変更し、共産党との共闘を拒否すると、少なくとも「自公185:野党4党91」の可能性を、「自公231:野党4党43」に減らす切り札を、前原代表が持っているということ。
たぶん野党共闘が出来れば、前回衆院選よりも自民の状況は悪いので、シミュレーションの185:91よりももっと野党は増えるはず。それを3党共闘で91よりも減った場合は、まさに前原代表が、4党共闘を拒否した結果だという事になる。
それは、日本の将来に大変な影響を及ぼす。「戦争に益々近付く」という点で。
この責任を前原代表はどう思っているのだろうか?どう責任を感じるのだろうか・・・
「勝った後に連立を組もうとはならない」と、100%有り得ない共産党との連立内閣を夢想して方向を転換し、国民の非自民の受け皿作りを否定するとしたら、先の民進党の代表選の結果は、日本国民に計り知れない不幸を呼ぶことになる。
“戦争に近付く”日本(政府)に、国民がブレーキを掛けようと思っても、国民にとって唯一の手段である今回の衆院選というチャンスを、国民から奪う権力を、前原代表が結果として持ってしまっている現況に、ゾッと寒気を覚える。
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