今朝の朝日の「声」より~専守防衛、夏休み、不倫、本屋
今朝(2017/09/17)の朝日新聞の投書欄「声」は、自分もついひとこと言いたくなる意見が多かった。
「(声)専守防衛の逸脱を危惧する
元自衛隊員(愛知県 72)
15日、北朝鮮の発射した弾道ミサイルが北海道上空を通過した。これは北朝鮮への圧力強化を進める米国と日本への警告である。
8月には島根、広島、愛媛、高知の4県にPAC3(地上配備型迎撃ミサイル)が配備された。Jアラート(全国瞬時警報システム)や、エムネット(緊急情報ネットワークシステム)もあるが、住民避難の対応も万全ではないようだ。
政府が見直しに取り組むという防衛大綱(防衛計画の大綱)の焦点は、ミサイル防衛の強化と、敵基地攻撃能力の保有だと、私は考える。
ただ、北朝鮮の脅威が念頭にあるとはいえ、平時から他国攻撃の兵器を持つことは憲法の趣旨に反する。
借金大国なのに、来年度予算の概算要求は、4年連続で100兆円を超す。防衛費は過去最大の5兆2551億円で、2017年度当初予算に比べ、2.5%の増だ。
国防は大事だが、防衛費の膨張傾向が進む一方でいいのだろうか。そして、他国への攻撃用兵器の導入を進めてもいいのだろうか。私は、憲法9条の枠内での「専守防衛」に徹すべきだと考える。」
「(声)対抗手段の検討は不可避だ
会社員(北海道 64)
小野寺五典防衛相が陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の導入に前向きという。
北朝鮮の核兵器所有が、わが国の安全保障に決定的な影響をもたらすことは間違いない。対抗するにはわが国も核武装すべきだと考えるが、核武装せずに核兵器に対抗する方法があるなら、積極的に導入するのは当然だろう。
わが国ではともすると、軍備強化について問答無用で否定的になる風潮があるが、北朝鮮の核武装や弾道ミサイル所有を考慮するなら、対抗手段の検討は不可避だろう。
日本が北朝鮮の核ミサイルを被弾すれば、何万、何十万という人命が失われ、放射能汚染が生じるからだ。
戦争は話し合いで回避すべしとの主張もあるが、話し合いで散々譲歩したものの、最終的にヒトラーに裏切られて第2次大戦を招いた英仏の実例を考えれば、平和主義の呪縛にとらわれてはなるまい。
話し合いがドイツの再軍備に口実と時間を与え、平和願望がヒトラーの野望に付け込まれた悪例を、忘れてはいけない。」
北朝鮮のミサイルについては、日本中が大騒ぎ、韓国以上の反応らしい。
茨城の高校は休校し、民放テレビはその特番のため、通常番組のCMが吹っ飛び、CM料の問題で頭を抱えるという。
指定地域の国民をたたき起こすJアラートについては、自分は否定的だが、今朝のTBS「時事放談」で、民進党の前原委員長も、北朝鮮のミサイルの精度はよくない、もし新幹線に落ちるリスクを考えると、Jアラートは必要、と言っていた。
自分は、必要ないとは言わないが、自衛隊が指摘しているように、もっと地域を絞れないか?と思う。
同じTBSの「時事放談」で、石破さんが、例のごとく、非核三原則について言っていたが、どうも違和感を覚えた。上の「声」の意見もそうだが、北朝鮮から核ミサイルが飛んでくる前提で、色々な事を考え始まっている。防衛費の増大も・・・・
憲法がどうであれ、国民を核ミサイルから守らなければいけない、の一点張り。
日本は法治国家。それなのに、憲法を踏みにじっても、北朝鮮からの脅威を盾に、専守防衛を超え、日本海では米軍艦船への給油という米軍への兵站を始めたという。兵站は後方からの参戦そのもの、という指摘もあるのに・・・
北朝鮮の脅威を盾に、憲法はどうあれ敵基地攻撃能力を備えて戦争に近付くのが良いのか、それとも、憲法があるので、専守防衛しかできない。その範囲内で国民を守るために、米国の説得を含めて政府はどう動いた方がよいのか。政府の動きを国民は良く見て、次の選挙に備えなければいけない。
「(声)まったり自由な長期休暇を
主婦(大分県 59)
夏休みの一番の思い出はラジオ体操だ。蚊帳からはい出し、眠い目をこすって走った。帰ると、また蚊帳の中でごろり。いつもと違うゆったりした時間の流れの中、適当に宿題をやり、友と遊びに興じ、夕方遅くに帰宅して叱られたことも懐かしい思い出だ。
今、子どもたちの夏休みが年々、短くなっているという。授業時間の確保など、様々な理由があるようだが、夏休みを短くして、本当に学力がアップするのか。私は疑問だ。
ノーベル賞をとられた日本人学者が、子どものころ野山を駆けまわって遊び、その体験の中から自分のやりたいことを見つけ、研究につなげたという記事を読んだことがある。
塾に通い、ますます自由な時間がなくなっていく子どもたちは、夏休みを満喫できるのだろうか。
せめて、夏休みぐらい、まったりした自由な時間を、おなかいっぱい味わってほしい。自由な時間にこそ、ふだん体験できない何かを子どもたちは見つけ、その後の生き方にいかしていくと思うのだが……。」
自分もこの意見に同感。自分の子ども時代も、夏休みは特別な時間。海水浴に行ったり、伯母の家に遊びに行ったり、記憶に残る思い出は、幾らでも出てくる。それが、自分の自由がまったく無く、塾という勉強だけに絞られたら、自主性など吹っ飛ぶ。
カミさんはよく、孫にだけは、やりたいことを皆やらせて、自分の好きな道を探させたい、という。ただただ勉強という枠にはまった人間は伸びない、という意見は、自分も賛成である。
「(声)不倫になぜ首を突っ込むの?
高校生(東京都 16)
芸能人の不倫のニュースを見るたびに、いつも疑問に思うことがあります。「税金を使っていた」などと、国民に迷惑をかけているのならわかりますが、誰にも迷惑をかけていないのに、ただ芸能人をおとしめるためだけに報道するのはどうなのでしょうか。
もし、私の母か父が不倫をしていて、友達や周りの人などに知られていたら、ショックなうえ、次の日からどうやって顔を合わせて良いのかわからず、家に引きこもってしまうと思います。
確かに不倫は良くないことだと思います。しかし、それはその人とその人の家族と、不倫相手の問題であって、私たちが首を突っ込むことではないと思います。私はこう考えますが、皆さんはどう考えますか?」
前に「山尾志桜里議員の離党は残念~早期復活を期待」(ここ)という記事を書いたが、その話と一緒。「その人とその人の家族と、不倫相手の問題であって、私たちが首を突っ込むことではない」という意見は、政治家も同じ。
なぜ政治家は、不倫のような個人的な事柄まで、記者会見で国民に説明しなければいけないのか、自分には分からない。
「(声)本の取り寄せ、時間かかり過ぎ
主婦(宮城県 54)
書店の減少が問題になっている。私は普段、車で10分ほどの書店で本を買う。だが先日は求める本がなく、取り寄せにも「1週間から10日かかる」とのこと。結局、帰宅後にネット通販に注文し2、3日で届いた。私が25年以上前、書店に勤めていた頃と、取り寄せにかかる時間はあまり違わない。旧態依然ではますます書店離れが進んでしまう。
友人は書店で司馬遼太郎のシリーズ作品を購入しようとして、欠けている巻があってがっかりしたようだ。私が書店員だったときは、シリーズ物に欠品がないよう、上司からしばしば注意された。話題の本は山のように置いているのに、こうした面には目が届かなくなっているのか。街の書店は大切なだけに、買ってもらえる機会を逃さないでほしい。」(以上、2017/09/17付「朝日新聞」p6より)
この話題は、今朝カミさんがこの記事を読んで言っていた。カミさんも経験があって、前に本屋に頼んで、10日もかかって取り寄せて貰ったという。自分も経験がある。それに比べて、Net通販の簡便さ。とてもかないっこない。
それと、Amazonなどの「中古本」の程度の良いのには驚かされる。プロの中古本屋さんは、プロの目で見ているので、着くととても中古とは思えない本が送られてくる。
雑誌を除くと、もう長い間、本屋で本を買った記憶がない。本屋さんも、もう少し買い手の身になって動かないと、残念だが廃れるのは時間の問題だろう。
話は変わるが、ここ長いこと、新聞の投書欄は、自紙に都合の良い「声」だけ載せているのではないか、と疑心暗鬼で、ほとんど読まなかった。
というのも、ちょっと経験があるので・・・・
現役時代、会議があって自分が議事録を書く場合、メモ書きから各意見を集約する(選ぶ)時に、つい私心が入ってしまう。自分と同じ意見の言葉は載せるが、気に入らない意見は削除。それが出来るのが議事録。よって、国会の議事録が正解。全ての言葉を、そのまま記録する。それがホンモノ。
マスコミの報道の捉え方・・・。政治の捉え方も、日刊ゲンダイと産経では正反対。
人一倍、染まりやすい自分なので、つい身構えてしまうが、それでも、簡単に染まってしまう主体性の無い自分・・・。しかしその困った頭で、新聞を読むしかない現状なのである。
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