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2017年8月16日 (水)

半藤・保坂・加藤さんのNHKラジオ「太平洋戦争への道~戦前日本の歴史の選択~」

終戦記念日である昨夜(2017/08/15)、NHKラジオ第一で、「太平洋戦争への道~戦前日本の歴史の選択~」という番組を聞いた。
NHKの番組の紹介にこうある。
太平洋戦争への道~戦前日本の歴史の選択~
170816sensou1 日本人は、なぜ無謀な戦争へと向かったのか?
満州事変から太平洋戦争へと至る道は、どのように選択されたのか?

170816sensou2 歴史家の加藤陽子さんは、新著『戦争まで』で、日本の針路を決めた「国際連盟脱退」、「日独伊三国軍事同盟」、「日米交渉」における〈選択〉の誤算の積み重ねを検証した。
作家の半藤一利さんは、政治や軍事の指導者たちが根拠なき自己過信に陥っていたことや、危機において対症療法的な「その場しのぎ」が繰り返されたことを指摘する。
昭和史研究家の保阪正康さんは、思想統制やメディアによって作り出された国民的熱狂が「日本型ファシズム社会」を支え、日本の〈選択〉に影響を及ぼしていったことに着目する。

番組では、満州事変から太平洋戦争へと至る日本の選択を、歴史家の半藤一利さん、保阪正康さん、加藤陽子さんたちの議論を通してたどり、その現代的な意味を考える。(語り)末田正雄 渡邊あゆみ」(NHKのここより)

何よりも、自分が信用している半藤一利さん、保阪正康さん、加藤陽子さんの議論なので、聞くに値する。
話は、加藤さんの司会進行で、男女アナによる昔の音源再生を挟みながら、昭和6年(1931年)の満州事変から始まるが、五・一五事件についての話が興味深かった。それと最後の、保坂さんと半藤さんのまとめの部分を聞いてみよう。

<NHKラジオ「太平洋戦争への道」より(1)>

<NHKラジオ「太平洋戦争への道」より(2)>

半藤氏が、上の番組の最後の部分で言っている「昭和の日本人は不勉強だった。今の日本の不勉強だ。このままの日本で大丈夫か?特に若い人には勉強して欲しいと思う。」という言葉が重い。

今の国会議員について、安倍政権が集団的自衛権の行使を認める閣議決定をした2014年7月1日時点で、終戦の1945年8月15日よりも前に生まれたのは、衆院で41人(9%)、参院で28人(12%)だという。
戦後72年。平和が当たり前だという風潮の日本。しかし、平和憲法の遵守など、国民の不断の努力がそれを実現している、という事を忘れている。
安倍首相をはじめ、国会議員の9割以上が戦争を知らない世代。だから戦争に対して、怖れが薄い。
何と、今の北朝鮮と米国の舌戦に付き合って、米国と一緒に日本が戦争を始める話まで出ている。戦争という言葉が、そして参戦という言葉が、なぜこうも軽く扱われるようになるのか・・・
それはやはり勉強不足なのだろう。戦争の怖さを知らないので、軽くなる・・・

せっかくの終戦記念日の夏。こんな番組を聞きながら、少しでも日本人が“戦争を忘れない”ことを祈りたい。
自分も、二・二六事件についてはともかく、五・一五事件についてはあまり知らなかった。自分も勉強だ。
(番組は、加藤さんの司会進行だったが、出来たら司会進行は別のアナに任せて、加藤さんからも、保坂さんと半藤さん同様に歴史学者としての純粋な意見を聞きたかった。)

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